FreeBSD

読み:フリービーエスディー
外語:FreeBSD 英語
品詞:固有名詞

オリジナルがPC/AT互換機で動作する、386BSD4.4BSD-LiteをベースとしたオープンソースBSDの一つ。

BSD系のPC UNIXとしては最も普及しているものである。

目次

名前

名称の候補には「BSDFree86」や「Free86BSD」があった。

これに対し、シンプルな「FreeBSD」はどうかというDavid Greenmanの提案が受け入れられ、採用された。

由来

1993(平成5)年6月19日4.3BSD Net/2の新しいフォークとして開発が宣言された。

開発目的はi386システム向けの、高速、安全、高信頼性のサーバー用OSであり、1993(平成5)年11月に386BSD 0.1から派生したFreeBSD 1.0がリリースされた。

その後、UNIXのライセンス問題に抵触しない4.4BSD-Liteを基にしたFreeBSD 2.0がリリースされた。以降も精力的な改良が続き、現在でもOSの主流の一つとして広く使われている。

用途

FreeBSDは汎用のオペレーティングシステム(OS)なので、様々な用途に用いることができる。

サーバー用途が圧倒的多数ではあるが、Microsoft Windowsの代わりにデスクトップ用途で使うことも可能である。

デスクトップ用途の普及度としてはLinuxに圧倒的に負けていると考えられるが、一説によると、主目的は次のように差があるとされる。

  • FreeBSDの主目的→サーバー
  • Linuxの主目的→インストール

また、LinuxはGPLであるため、GPLを嫌う層や、商用目的ではBSDが使われているようである。

動向

ブランチ

FreeBSDにはCURRENT/STABLE/RELEASEという三つのブランチがある。

  • RELEASE (リリース版): FreeBSD 9.0-RELEASE
  • CURRENT (最新開発版): FreeBSD 10-CURRENT
  • STABLE (安定開発版): FreeBSD 9.x、FreeBSD 8.x、FreeBSD 7.x

開発は、CURRENTとSTABLEに分けられている。

CURRENTは、最新で、現在作業進行中のソースを意味する。ほぼ毎日誰かしらがコンパイル作業をしているが、開発途上の処理などは、コンパイルが通らないことも珍しくない。

STABLEは、定期的に公開されるリリース版を作成するための開発ブランチである。このブランチで新機能を追加するということはない。

サポート

FreeBSDにおける各ブランチのサポート期間は、そのブランチの最後リリースが出てから最大2年間である。

安定性

FreeBSDは5.x以降、野心的な(安定しない)リリースは存在していない。

安定性、バグの修正、セキュリティ対策、および新機能や性能など様々な条件を勘案しても、常に最新版が最良の選択肢であり、古いバージョンを使う積極的な理由が見当たらない状況となっている。従って、メジャーバージョンアップでも、あまり心配は必要ないと見込まれる。

FreeBSD 10からは、GCCclang/LLVMの変更が入ため多少のトラブルが起こる可能性はある。ただ、充分な試験を経てリリースされると見込まれるので、大きなトラブルは恐らくはないものと見込まれる。

Perl排除

かつてカーネル構築にはPerlが使われていた。

しかし、コア部分のファイルサイズが大きくなりすぎること、Perlがバージョンアップする度に発生するメンテナンスの手間などを考え、FreeBSD 5.0からは完全にカーネル構築からPerlが排除された。

GPL排除

FreeBSD 5からは、GPL排除も本格的に進められ、awkがGNU awk(gawk)からone true awk(nawk)に変更された。

最大の問題はCコンパイラーGCCであった。FreeBSDはGPLv3ツールを同梱しない方針であるため、FreeBSD 9時点でも、使用中のGCCはGPLv2でライセンスされた最終版GCC 4.2.1であった。

最終的に、clang/LLVMへの移行が進められ、FreeBSD 9.1からx86版のデフォルトコンパイラーがclangになり、FreeBSD 10からはclangに完全移行、遂にGPLフリーが達成された。

サーバー実績

PCサーバー用のOSとして広く普及しており、Webサーバーなどとして多くの動作実績がある。

主要な例は次の通り。

事実上の対抗にLinuxがある。LinuxはクライアントOSなので気軽にバージョンアップするのが特徴であるが、FreeBSDはサーバー用の傾向が強く、バージョンアップや新機能に対する対応なども慎重であるというコンセプトの違いがある。

その他実績

ネットワーク機器、家電など、様々な製品のOSとしても使われている。

よく知られる例としては、次のようなものがある。

  • VIERA (Panasonicのネット対応テレビ)
  • Playstation 4 (FreeBSD 9.0ベースのOrbis OS)

他のBSD搭載機はNetBSD採用が多い。

稼動機種

現行

FreeBSDの動作機種は、次がある。

過去

過去の動作機種など。

  • Tier 4 (サポート終了アーキテクチャー)
    • FreeBSD/Alpha ‐ Alpha/AXP (FreeBSD 6.xまで)
    • FreeBSD/sun4v

派生

FreeBSDを元とする各種BSDに、次のようなものがある(順不同)。

  • FreeBSD(98) (後に、FreeBSD/pc98として公式化)
  • AskoziaPBX
  • ClosedBSD
  • Damn Small BSD(DSBSD)
  • Darwin(OS X)
    • iOS (旧称iPhone OS)
    • OpenDarwin
  • Debian GNU/kFreeBSD
  • DesktopBSD
  • DragonFly BSD
  • FreeNAS
  • FreeSBIE
  • Frenzy
  • Gentoo/FreeBSD
  • GhostBSD
  • HamFreeSBIE
  • m0n0wall
  • NanoBSD
  • Orbis OS (Playstation 4用)
  • PC-BSD
  • pfSense
  • PocketBSD
  • PicoBSD
  • RoFreeSBIE
  • TrueBSD
  • TrustedBSD
  • 銀河麒麟服務器操作系統(Kylin)

今現在、FreeBSDを親に持つOSとしては、Mac OS Xが最も有名な製品であると考えられている。

開発

FreeBSDは、かつてはバージョン管理システムにCVSを使用していた。

2012年より、FreeBSDの各プロジェクトはCVSからSubversionに移行した。

なお、Linuxは集中型のSubversionではなく分散型のGitを使用している。FreeBSDも、将来的には何らかの分散型バージョン管理システムに移行する必要が生じるだろうと思われる。

各版の特徴

  • FreeBSD 1 ‐ 初版
  • FreeBSD 2 ‐ 4.3BSD Net/2の著作権トラブルへの対応
  • FreeBSD 3 ‐ バイナリの形式変更(a.outELF)
  • FreeBSD 4 ‐ 5Rが遅れたため長く使われ、ある意味枯れている
  • FreeBSD 5 ‐ SMP周りの大変更
  • FreeBSD 6 ‐ 堅実な改良を続けた版
  • FreeBSD 7 ‐ マルチコア/プロセッサーでのスケーラビリティ改善版
  • FreeBSD 8 ‐ 無線ネットワーク、仮想化、ストレージ技術
  • FreeBSD 9 ‐ UFS2でジャーナリング機能(SUJ)
  • FreeBSD 10 ‐ GPLフリーの達成

全リリース版

FreeBSDの全てのリリースバージョン一覧は、次のとおりである。

日付は、原則としてアナウンスを発した現地時間における、アナウンス発表日である。

  • FreeBSD 10.0 (2014(平成26)年1月20日)
  • FreeBSD 9.2 (2013(平成25)年10月1日)
  • FreeBSD 9.1 (2012(平成24)年12月31日)
  • FreeBSD 9.0 (2012(平成24)年1月12日)
  • FreeBSD 8.4 (2013(平成25)年6月7日)
  • FreeBSD 8.3 (2012(平成24)年4月18日)
  • FreeBSD 8.2 (2011(平成23)年2月24日)
  • FreeBSD 8.1 (2010(平成22)年7月24日)
  • FreeBSD 8.0 (2009(平成21)年11月25日)
  • FreeBSD 7.4 (2011(平成23)年2月24日)
  • FreeBSD 7.3 (2010(平成22)年3月23日)
  • FreeBSD 7.2 (2009(平成21)年5月4日)
  • FreeBSD 7.1 (2009(平成21)年1月5日)
  • FreeBSD 7.0 (2008(平成20)年2月27日)
  • FreeBSD 6.4 (2008(平成20)年11月28日)
  • FreeBSD 6.3 (2008(平成20)年2月18日)
  • FreeBSD 6.2 (2007(平成19)年1月15日)
  • FreeBSD 6.1 (2006(平成18)年5月8日)
  • FreeBSD 6.0 (2005(平成17)年11月4日)
  • FreeBSD 5.3 (2004(平成16)年11月6日)
  • FreeBSD 5.2.1 (2004(平成16)年2月25日)
  • FreeBSD 5.2 (2004(平成16)年1月12日)
  • FreeBSD 5.1 (2003(平成15)年6月9日)
  • FreeBSD 5.0 (2003(平成15)年1月19日)
  • FreeBSD 4.11 (2005(平成17)年1月25日)
  • FreeBSD 4.10 (2004(平成16)年5月27日)
  • FreeBSD 4.9 (2003(平成15)年10月28日)
  • FreeBSD 4.8 (2003(平成15)年4月3日)
  • FreeBSD 4.7 (2002(平成14)年10月10日)
  • FreeBSD 4.6.2 (2002(平成14)年8月15日)
  • FreeBSD 4.6 (2002(平成14)年6月15日)
  • FreeBSD 4.5 (2002(平成14)年1月29日)
  • FreeBSD 4.4 (2001(平成13)年9月20日)
  • FreeBSD 4.3 (2001(平成13)年4月20日)
  • FreeBSD 4.2 (2000(平成12)年11月21日)
  • FreeBSD 4.1.1 (2000(平成12)年9月27日)
  • FreeBSD 4.1 (2000(平成12)年7月27日)
  • FreeBSD 4.0 (2000(平成12)年3月14日)
  • FreeBSD 3.5 (2000(平成12)年6月24日)
  • FreeBSD 3.4 (1999(平成11)年12月20日)
  • FreeBSD 3.3 (1999(平成11)年9月17日)
  • FreeBSD 3.2 (1999(平成11)年5月17日)
  • FreeBSD 3.1 (1999(平成11)年2月15日)
  • FreeBSD 3.0 (1998(平成10)年10月16日)
  • FreeBSD 2.2.9 (2006(平成18)年4月1日、エイプリルフールのジョーク)
  • FreeBSD 2.2.8 (1998(平成10)年11月29日)
  • FreeBSD 2.2.7 (1998(平成10)年7月22日)
  • FreeBSD 2.2.6 (1998(平成10)年3月25日)
  • FreeBSD 2.2.5 (1997(平成9)年10月22日)
  • FreeBSD 2.2.2 (1997(平成9)年5月)
  • FreeBSD 2.2.1 (1997(平成9)年4月)
  • FreeBSD 2.2 (1997(平成9)年3月)
  • FreeBSD 2.1.7.1 (1997(平成9)年2月)
  • FreeBSD 2.1.7 (1997(平成9)年2月)
  • FreeBSD 2.1.6.1 (1996(平成8)年11月)
  • FreeBSD 2.1.6 (1996(平成8)年11月)
  • FreeBSD 2.1.5 (1996(平成8)年7月)
  • FreeBSD 2.1 (1995(平成7)年11月)
  • FreeBSD 2.0.5 (1995(平成7)年6月)
  • FreeBSD 2.0 (1994(平成6)年11月)
  • FreeBSD 1.1.5.1 (1994(平成6)年7月)
  • FreeBSD 1.1.5
  • FreeBSD 1.1 (1994(平成6)年3月)
  • FreeBSD 1.0 (1993(平成5)年11月)

最近の版の更新履歴

日付は、原則としてアナウンスを発した現地時間における、アナウンス発表日である。以下はアナウンスの概略邦訳をもって更新履歴とする。

FreeBSD 10

FreeBSD 10.1-RELEASE (TBD)

開発中だが、次のようなことが想定されている。

FreeBSD 10.0-RELEASE (2014(平成26)年1月20日)
  • GCCの廃止、clang/LLVMに正式移行 (C/C++コンパイラーおよびライブラリでGPLフリーの達成)
  • BIND 9を廃止し、DNSキャッシュサーバーとしてUnboundを採用
  • makee(1)は、NetBSDプロジェクトのbmake(1)に置き換えられた
  • pkg(7)をデフォルトのパッケージ管理ユーティリティとし、pkg_add(1)、pkg_delete(1)および関連ツールは廃止
  • bhyve(8)やvirtio(4)の追加など、Microsoft Hyper-V向けの仮想化機能の強化
  • SSD向けのTRIM対応をがZFSに追加
  • 高性能LZ4圧縮アルゴリズムのサポートをZFSに追加
  • Raspberry Pi対応
  • ファイアウォールに、SMPフレンドリーなpf(4)を採用
  • 新しいiSCSIスタック

FreeBSD 9

FreeBSD 9.2-RELEASE (2013(平成25)年10月1日)
  • ZFSファイルシステムがSSDのTRIMに対応
  • amd64とi386アーキテクチャーにvirtio(4)ドライバーを追加
  • ZFSファイルシステムがLZ4圧縮に対応した
  • DTraceのフックが標準で有効になった
  • DTrace 1.9.0
  • OpenSSL が 0.9.8y
  • Sendmail 8.14.7
  • OpenSSH 6.2p2
  • head/ からunmapped I/Oがインポートされた
FreeBSD 9.1-RELEASE (2012(平成24)年12月31日)
  • GEM/KMSをサポートする、新しいIntel GPUドライバー
  • 高速ユーザー空間パケットI/Oフレームワークとして、netmap(4)を追加
  • ZFSの改善 (The illumos Projectより)
  • CAM Target Layer
  • LLVM libc++とlibcxxrtを含む、新しいC++11スタック
  • jail.conf(5)のサポート
  • POSIX2008拡張ロケールのサポート (Darwin拡張に対する互換性を含む)
  • イーサネットのためのoce(4)ドライバーとsfxge(4)ドライバーのサポート
  • Xen準仮想化バックエンドイーサーネットドライバーnetbackの改善
  • GEOMクラスの改善
  • AVX FPU拡張のサポート
  • IPv6の改善、ハードウェアオフロードのサポート
FreeBSD 9.0-RELEASE (2012(平成24)年1月12日)
  • 新型インストーラー bsdinstall(8)の追加
  • FFSがsoftupdatesジャーナリングに対応
  • ZFSをバージョン28に更新
  • ATA/SATAドライバーがCAMフレームワークに統合され、AHCIサポート
  • Highly Available Storage(HAST)フレームワークの導入
  • Capsicumケーパビリティーモードをカーネルで対応。サンドボックスのための実験的機能
  • ユーザーレベルDTraceの導入
  • TCP/IPスタックカーネルモジュール化された輻輳制御フレームワークmod_cc(9)に対応。5つのアルゴリズムの実装
  • NFSv4のサポート
  • OpenSSHを高速化するパッチHigh Performance SSH(HPN-SSH)
  • Flattened Device Tree(FDT)、組み込みでFreeBSDの設定が容易になった
  • FreeBSD/ppcがPLAYSTATION 3に対応
  • clang/LLVMを追加
  • GNOME 2.32.1、KDE 4.7.3

FreeBSD 8

FreeBSD 8系は、FreeBSD 8.4が最終版で、サポートは2015(平成27)年6月までに終了する。

FreeBSD 8.4-RELEASE (2013(平成25)年6月7日)
  • セキュリティ関連を含むバグ修正
  • ZFSの強化
FreeBSD 8.3-RELEASE (2012(平成24)年4月18日)
  • usb(4)がUSBパケットフィルターに対応
  • TCP/IPスタックがカーネルモジュール化された輻輳制御フレームワークmod_cc(9)に対応
  • graid(8) GEOMクラスを各種BIOSベースのソフトウェアRAIDコントローラー対応のために追加 (ataraid(4)の代替)
  • ZFSをバージョン28に更新
  • GNOME 2.32.1、KDE 4.7.4
FreeBSD 8.2-RELEASE (2011(平成23)年2月24日)
  • amd64でXen HVMサポート、i386でXen PVサポート
  • ZFS on-disk formatをバージョン15に更新
  • インテルAESNI暗号命令セットを使ったaesni(4)ドライバー
  • BINDとOpenSSLの更新
  • GNOME 2.32.1、KDE 4.5.5
FreeBSD 8.1-RELEASE (2010(平成22)年7月24日)
  • zfsloaderの追加
  • ZFSサブシステムのzpoolをバージョン14に更新
  • UFSとZFSでNFSv4 ACLに対応。cp(1)、find(1)、getfacl(1)、mv(1)、setfacl(1)ユーティリティ
  • UltraSPARC Ⅳ/Ⅳ+、SPARC64 Ⅴのサポート
  • PowerPC G5でのSMPのサポート
  • BIND 9.6.2-P2
  • sendmail 8.14.4
  • OpenSSH 5.4p1
  • GNOME 2.30.1、KDE 4.4.5
FreeBSD 8.0-RELEASE (2009(平成21)年11月25日)
  • Xen Dom-U、VirtualBoxのゲスト/ホスト環境対応
  • 階層型jail(仮想化)サポート
  • NFSv3 GSS API対応
  • NFSv4 クライアント/サーバーの実験的サポート
  • IEEE 802.11s D3.03 無線メッシュネットワークと仮想アクセスポイントのサポート
  • ZFSはもはや実験的ステータスではなくなった
  • USB処理関係を全て書き換え、USBターゲットへの対応を追加
  • 様々な箇所(特にVFS)で、SMPスケーラビリティの改善
  • ネットワークリンク層サブシステムの改訂
  • MIPSアーキテクチャーの実験的サポート

FreeBSD 7

FreeBSD 7系は、FreeBSD 7.4が最終版で、サポートは2013(平成25)年2月28日で終了となった。

FreeBSD 7.4-RELEASE (2011(平成23)年2月24日)
FreeBSD 7.3-RELEASE (2010(平成22)年3月23日)
  • ZFSをバージョン13に更新
  • GPTZFSに対応した新しいブートローダーgptzfsboot
  • Core2/i7プロセッサーとpmcannotate(8)へのサポートを含むhwpmc(4)の拡張
  • RAIDコントローラー用ツールの新しいmfiutilとmptutil
  • NULLポインターに関連する脆弱性(バルネラビリティ)の軽減機能
  • BIND 9.4-ESV
  • GNOME 2.28.2
  • KDE 4.3.5
  • Perl 5.10
FreeBSD 7.2-RELEASE (2009(平成21)年5月4日)
  • アプリケーションメモリーにおけるスーパーページの透過的な扱いに対応
  • jail環境でのIPv4およびIPv6のマルチアドレス対応
  • CVSリポジトリ取得で、csup(1)がCVSModeに対応
  • GNOME 2.26、KDE 4.2.2にそれぞれ更新
  • sparc64版がUltraSparc-Ⅲプロセッサーに対応
FreeBSD 7.1-RELEASE (2009(平成21)年1月5日)
  • ULEスケジューラがamd64とi386アーキテクチャー用カーネルで標準になった。ULEスケジューラは、マルチコアシステムでのパフォーマンスを改善する。
  • DTraceに対応。OpenSolarisから処理が移植された
  • 新しく、そして改善されたNFSロックマネージャー(NLM)クライアント
  • ブートローダーの改良(USBデバイスからの起動や、GPTへの対応)
  • スレッドを実行するCPUを指定するための、cpuset(2)システムコールと、cpuset(1)コマンドの追加
  • KDE 3.5.10、GNOME 2.22.3にそれぞれ更新
  • BIND(DNS cache poisoning対策版)や、sendmail、OpenPAMなどの更新
  • amd64とi386アーキテクチャー用のDVDのサイズメディアの提供

上記リリースノートの記述以外に、次のような改善がある。

  • OpenSSHやDNSキャッシュ汚染攻撃に対するセキュリティアップデート
  • カーネルデバッガーddbの機能強化
  • AGPドライバーがIntel G33/G45チップセットに対応した
  • DRMカーネルドライバーがi915GMEデバイスに対応した
  • ディスプレイのサスペンドやレジュームを実行するためのDPMSドライバーが追加された
  • その他、各種ドライバーやユーザーランドなどの改善
FreeBSD 7.0-RELEASE (2008(平成20)年2月27日)
  • パフォーマンス、SMPスケーラビリティーの改良
    • 1∶1 libthrスレッディングモデルが標準
    • よりきめ細かなIPC、ネットワーク、スケジューラロック
    • SMPアーキテクチャーの最適化
  • ULEスケジューラの大規模な改良(7.0ではなお4BSDスケジューラが標準だが、7.1からはULEが標準になるかもしれない)
  • SunのZFSファイルシステムの実験的なサポート
  • ジャーナリングファイルシステムにgjournalを利用可能、仮想ストレージプロバイダーvirtualizedが利用可能
  • XFSファイルシステムの書き込み禁止対応
  • unionfsファイルシステムの修正
  • iSCSIイニシエーターの実装
  • 幾つかのネットワークドライバー用にTSOとLROに対応
  • SCTP(Stream Control Transmission Protocol)の実験的なサポート
  • ワイアレス(802.11)サポートの多くの改良
  • Network link aggregation/trunking (lagg(4))をOpenBSDから移植
  • JITコンパイルをBPFからネイティブコードに変更し、パケット捕獲性能を向上させた
  • ARMアーキテクチャー基板の組み込み型システム開発用のサポートを大きく改良
  • jemalloc、新しくて非常にスケーラブルなユーザーレベルメモリーアロケーター
  • freebsd-update(8)は公式対応のバイナリアップグレードに、セキュリティ対応とエラッタパッチを加えた新版を提供
  • X.Org 7.3、KDE 3.5.8、GNOME 2.20.2に更新
  • GCC 4.2.1
  • BIND 9.4.2

FreeBSD 6

FreeBSD 6系は、FreeBSD 6.4が最終版で、サポートは2010(平成22)年11月30日で終了となった。

FreeBSD 6.4-RELEASE (2008(平成20)年11月28日)
  • リリースノートによると、6系の最後の版
  • 新しく、そして改善されたNFSロックマネージャー(NLM)クライアント
  • IPsec等で使用される暗号化フレームワークがCamelliaに対応
  • ブートローダーの改良(USBデバイスからの起動や、GPTへの対応)
  • amd64/i386アーキテクチャー用のインストール用DVD ISOイメージの提供
  • KDE 3.5.10、GNOME 2.22.3にそれぞれ更新
  • BIND(DNSキャッシュ汚染攻撃対策版)や、Sendmail、OpenPAMなどの更新
FreeBSD 6.3-RELEASE (2008(平成20)年2月18日)
  • KDE 3.5.8、GNOME 2.20.1、X.Org 7.3にそれぞれ更新
  • BIND 9.3.4に更新
  • Sendmail 8.14.2に更新
  • OpenBSD/NetBSDからlagg(4)ドライバー(複数のネットワークインターフェイスを束ね、フェイルオーバーやロードバランシングなどを行なう仮想インターフェイス)を移植
  • 後藤大地の提案によるunionfsファイルシステムを再実装
FreeBSD 6.2-RELEASE (2007(平成19)年1月15日)
  • セキュリティ機能CAPPの実験的サポート
  • OpenBSM監査コマンドラインツールスイートとライブラリ
  • KDE 3.5.4、GNOME 2.16.1にそれぞれ更新
  • 現行csup(1)の統合cvsupクライアント
  • geli(8)に、ディスク保護と認証機能を追加
  • 新ドライバー、amdsmb(4)、enc(4)、ipmi(4)、nfsmb(4)、stge(4)
  • IPFW(4)パケットタギング
  • sysfsでLinuxエミュレーション対応
  • BIND 9.3.3に更新
  • em(4)、arcmsr(4)、ath(4)、bce(4)、ata(4)、iwi(4)等を含む多くのドライバーの更新
FreeBSD 6.1-RELEASE (2006(平成18)年5月8日)
  • ここ6ヶ月間に起きた、ipfw、pf、ipsec、nfs、sendmailを中心としたセキュリティホールの修正
  • USBとPS/2のキーボードがブート時に共存可能になった
  • 各種ファイルシステムの安定性向上
  • 多くのBluetooth装置の自動コンフィグ、及びWi-Fiアクセスポイントの自動サポートへの対応
  • Ethernet、SAS、およびSATA RAIDコントローラー用の新ドライバーを追加
  • BIND 9.3.2に更新
  • sendmail 8.13.6に更新
FreeBSD 6.0-RELEASE (2005(平成17)年11月4日)
  • OSの、ファイルシステムとダイレクトディスクアクセス層での顕著な性能改良。ファイルシステムはマルチスレッド化され、複数のCPUシステムを最大限に利用可能に。
  • 無線ネットワークアダプターの拡張対応と、WPA無線セキュリティプロトコルへの新対応
  • PowerPCプラットフォームに実験的に対応

FreeBSD 5

FreeBSD 5.5-RELEASE (2006(平成18)年5月25日)
  • 5-STABLEブランチの最終版。小さな更新とバグフィックス
FreeBSD 5.4-RELEASE (2005(平成17)年5月9日)
  • ハードウェアの機能性、安定性、性能、およびデバイスドライバーの対応おける多くの改良
  • 既知のセキュリティ問題への対処
  • 多くのバグ修正
FreeBSD 5.3-RELEASE (2004(平成16)年11月6日)
  • カーネルでWindows NDISネットワークドライバーに対応。i386プラットフォームでバイナリ互換インターフェイスを導入
  • ネットワークとソケットサブシステムは、マルチスレッド化され、リエントランス対応である。これにより、ローカル・リモートネットワークトラフィックの処理や運送時、SMPがより有効に機能できる。
  • GCC 3.4.2、Binutils 2.15、gdb 6.1に更新
  • X.Org 6.7、GNOME 2.6.2、KDE 3.3.0を含むよう、グラフィカル環境を更新
  • カーネルとユーザーランドAPIの凍結
FreeBSD 5.2.1-RELEASE (2004(平成16)年2月25日)
  • 5.2-RELEASEで発見された、バグとセキュリティホールを修正するポイントリリース
  • ATA/IDEおよびSATA処理の大幅な改善。タイムアウト、エラーリカバリー、マスター/スレーブ接続に起因する問題の多くを修正
  • kdeadmin3 packageの更新。KUserツールで発見されたパスワードデーターベース不正処理の問題を修正
  • サードパーティー製NSSモジュールの互換性向上。より多くのユーザーがグループに登録可能に
  • "sk" イーサネットドライバーで、マルチキャストモードおよびプロミスキャスモードの修正。DHCP環境で動作可能とした
FreeBSD 5.2-RELEASE (2004(平成16)年1月12日)
  • シングル、マルチプロセッサーいずれのAMD Athlon 64、OpterOpteronシステムでも、完全なTier-1に対応
  • インストール容量削減およびName Service Switchサブシステムとの統合を実現するため、ルートパーティションを動的リンクに変更した。
  • IDE、SATA、IEEE 802.11a/b/gデバイスのドライバー対応、およびAPCI電源管理サブシステムとの協調性の改善
  • NFSv4(Network File System version 4)プロトコルで、クライアント機能に対応
  • まだ初期の実験段階であるが、IPトラフィックのフィルタリング機能と転送機能のマルチスレッド化を実施した。次版ではネットワークスタックをマルチスレッドに完全対応させる計画で、この新機能の基礎となるものである
  • 最新のGNOME 2.4、KDE 3.1デスクトップ環境を同梱
FreeBSD 5.1-RELEASE (2003(平成15)年6月9日)
  • マルチプロセッサー対応、アプリケーションのマルチスレッド化を進めたリリースである
  • 実験的な1∶1およびM∶Nスレッドライブラリをカーネルが提供し、マルチスレッドアプリケーションの効率的な動作に対応
  • PAE(Physical Address Extensions)機能に対応。Pentium Pro以降のCPUで、最大64GiバイトのRAMにアクセス可能
  • NSS(Name Service Switch)機構を実験的に実装した。LDAPやアクティブディレクトリとのシームレスな統合を実現
  • 改良「jail」管理機構。一つのサーバーで複数の異なる「仮想マシン」を提供することが、より少ない労力で可能に
  • IBM/Adaptec ServeRAIDコントローラー対応の新デバイスドライバーの追加、USB 2.0、USB Ethernetアダプター、Promise Serial ATA コントローラーへの対応強化
  • AMD64プラットフォームに実験的に対応。FreeBSDはシングルプロセッサーAMD Opteronシステムで稼動する
FreeBSD 5.0-RELEASE (2003(平成15)年1月19日)
  • 初の5系リリース。マルチプロセッサー対応、アプリケーションのマルチスレッド対応に加え、SPARC64とIA-64プラットフォームに対応した初のリリース版である
  • 第二世代UFSファイルシステムのUFS2に対応し、現行の1Tiバイトの壁を超えた
  • バックグラウンドファイルシステムチェック(bgfsck)とファイルシステムスナップショットに対応。ファイルシステム修復とバックアップ処理に必要な停止時間を排除
  • TrustedBSDの強制アクセスコントロール(MAC)に実験的に対応。管理者がシステムシステムセキュリティポリシの定義を拡大できる、柔軟性の高い手段を提供
  • カーネルにおける細粒度のロックで、マルチプロセッサーシステムでの高い効率を実現
  • BluetoothACPICardBusIEEE 1394、およびハードウェア暗号アクセラレータへの実験的な対応
  • GCC 3.2.1に更新
  • GEOM(拡張可能で柔軟性のあるストレージフレームワーク)と、devfsは、ストレージとデバイス管理を簡易にし、新しいストレージ技術の導入を可能に
  • SPARC64とIA-64プラットフォームへの対応
  • Perlが標準インストールの対象から外される

FreeBSD 4

FreeBSD 4.11-RELEASE (2005(平成17)年1月25日)
  • RELENG_4ブランチの最終版。既知のセキュリティホールや多くのバグの修正
FreeBSD 4.10-RELEASE (2004(平成16)年5月27日)
  • 既知のセキュリティホールや多くのバグの修正
FreeBSD 4.9-RELEASE (2003(平成15)年10月28日)
  • ベースシステムに含まれる数々のソフトウェアを若干更新
  • 既知のセキュリティホールの修正
  • FreeBSD 5.1で追加されたPAE(Page Address Extensions)機能への対応を統合
FreeBSD 4.8-RELEASE (2003(平成15)年4月3日)
  • ベースシステムに含まれる数々のソフトウェアを若干更新
  • FireWireの初期対応や新ハードウェア技術への対応の追加
  • 既知のセキュリティホールの修正
FreeBSD 4.7-RELEASE (2002(平成14)年10月10日)
  • GCCやsendmailをはじめ、ベースシステムに含まれる数々のソフトウェアを更新
  • USBデバイスやディスクコントローラーに対応した新しいドライバーの追加
  • XFree86とLinuxエミュレーションライブラリの更新
  • ATA関連のバグの修正
  • OpenSSLおよびOpenSSHの更新
  • 既知のセキュリティホールやバグの修正
FreeBSD 4.6.2-RELEASE (2002(平成14)年8月15日)
  • ATA関連のバグの修正
  • OpenSSLとOpenSSHコンポーネントの更新
  • いくつかのセキュリティホールの解決
FreeBSD 4.6-RELEASE (2002(平成14)年6月15日)
  • X Window SystemとしてXFree86 4.2.0の採用
  • ATAストレージサブシステムの更新
  • ネットワークデバイスドライバーへの数多くの改良
  • sendmail 8.12.3、ISC DHCPクライアント 3.0.1RC8に更新
FreeBSD 4.5-RELEASE (2002(平成14)年1月29日)
  • TCPスタックの改良。スループットの向上、デフォルトのバッファーサイズ拡大でTCP性能の向上、そしてTCPサービス不能攻撃の効果を軽減する対策の導入
  • FFSファイルシステムは、巨大なディレクトリ構造を縦断する操作でも良好な性能を示す、新しい ディレクトリ配置法の恩恵を受けた。Apple Computer, Inc.で開発されたファイルシステム検証プログラムにより、FFSとNFSのコードのバグが多数発見され、修正された
  • sysinstall(8)は、新規作成するファイルシステムにおいてSoft Updates(ディスクの上のデータ構造の性能と信頼性の両方を改良するための手法)をデフォルトで有効にし、newfs(8)はデフォルトでより大きなブロックサイズのファイルシステムを作成する
FreeBSD 4.4-RELEASE (2001(平成13)年9月20日)
  • 既知のバグの修正
  • 膨大な数のコンポーネントの更新
  • セキュリティ問題への幅広い対応

FreeBSD 2

FreeBSD 2.2.9-RELEASE (2006(平成18)年4月1日)

エイプリルフールのジョークとして、2.2.8から7年半ぶりにリリースされた2.2-stableブランチである。公式サイトにアップロードされた本気のジョークだったが、既に削除されている。

リリースノートには、以下のように記された。

NOTE: Yeah, it's been 7 and a half years since 2.2.8, and we know that that was supposed to be last release from the 2.2-stable branch. But then Ruslan "The MDOC man" Ermilov and I said to ourselves, "2.2.8 was a great release! Who needs multi-CPU 64 bit blah blah blah anyways? New drivers and new features? Bah, my overclocked Celeron-300 has more power than I'll ever need anyways."

So be sure to watch for our next release. We have exciting plans under development, like removing destabilizing features like shared libraries and kernel modules, as well as the long awaiting re-merge with 386BSD. These are exicitng and fast moving times indeed for FreeBSD!

意訳

これは、俺らの知る限りでは最後の2.2-stableである2.2.8から7年半ぶりのリリースだ。だけど、Ruslan "The MDOC man" Ermilovと俺は独り言を言ってる。「2.2.8は最高のリリースだった! そもそも、誰がマルチCPUやら64ビットやら何やらを必要としてるんだ? 新しいドライバーと新機能? けっ、俺のオーバークロックしたCeleron-300は、必要以上のパワーを持っているよ」

だから我々の次のリリースに注目してほしい。俺たちが目下開発中の刺激的な計画では、長く待ち焦がれた386BSDとの統合と共に、共有ライブラリとカーネルモジュールのような不安定な機能は取り除かれる。これは、FreeBSDのための、エクサイティングで激動の時間だ!

FreeBSD 2なので、DESをインストールするかどうか(当時DESは米国の暗号輸出規制の対象だった)や、時差の設定で「South Ryukyu Islands」が登場するなどは、そのまま再現されている。

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