GNOME

読み:グノーム
外語:GNOME: the GNU Network Object Model Environment 英語
品詞:固有名詞

UNIXX Window Systemにおいての新しいGUIデスクトップ環境を構築するプロジェクト、およびそのプロジェクトで作られた統合デスクトップ環境のこと。

目次

  • 使用途 ‐ デスクトップ環境
  • 初出年 ‐ 1999(平成11)年3月(GNOME 1.0リリース)
  • 設計者 ‐ Miguel de Icaza
  • 開発者 ‐ GNOME developers
  • 最新版 ‐ GNOME 3.16 (2015(平成27)年3月25日)
  • 影響関係
    • 被影響 ‐ KDE
    • 加影響 ‐ KDE
  • 主要動作環境 ‐ X Window System
  • ライセンスGPLLGPL
  • 記述言語 ‐ C

語源

GNOMEとは「GNUネットワークオブジェクトモデル環境」の略で、CORBAによる分散オブジェクトネットワークシステムを持っている。

現在、GNOMEの開発は、Red Hat社の助成による数人のプログラマーと、数多くのボランティアによって行なわれているとされる。

Red Hat LinuxTurbolinuxはじめ、様々なLinuxディストリビューションで採用されている。

沿革

GNOMEはKDEより後発で、KDEに触発されMiguel de Icazaらにより開発が開始された。

マイナーバージョン番号が偶数であるのが通常の使用に供するバージョンであり、奇数であるのが開発中の評価版である。

  • 1997(平成9)年8月: プロジェクトが立ち上がる
  • 1997(平成9)年11月30日: Debian、GNOMEプロジェクトに1000ドル助成
  • 1999(平成11)年3月: GNOME 1.0リリース
  • 2000(平成12)年5月: GNOME 1.2 Bongoリリース
  • 2000(平成12)年8月: 非営利団体GNOME Foundation設立
  • 2001(平成13)年4月: GNOME 1.4 Tranquilityリリース
  • 2002(平成14)年6月: GNOME 2.0リリース
  • 2003(平成15)年2月: GNOME 2.2.0リリース
  • 2003(平成15)年9月: GNOME 2.4.0 Temujinリリース
  • 2004(平成16)年3月: GNOME 2.6リリース
  • 2004(平成16)年9月: GNOME 2.8リリース
  • 2005(平成17)年3月: GNOME 2.10リリース
  • 2005(平成17)年9月: GNOME 2.12リリース (GTK+ 2.8対応)
  • 2006(平成18)年3月: GNOME 2.14リリース
  • 2006(平成18)年9月: GNOME 2.16リリース
  • 2007(平成19)年3月: GNOME 2.18リリース
  • 2007(平成19)年9月: GNOME 2.20リリース
  • 2008(平成20)年3月: GNOME 2.22リリース
  • 2008(平成20)年9月24日: GNOME 2.24リリース
  • 2009(平成21)年3月18日: GNOME 2.26リリース
  • 2009(平成21)年9月23日: GNOME 2.28リリース
  • 2010(平成22)年3月31日: GNOME 2.30リリース
  • 2010(平成22)年9月29日: GNOME 2.32リリース (2系最後)
  • 2011(平成23)年4月6日: GNOME 3.0リリース
  • 2011(平成23)年9月28日: GNOME 3.2リリース
  • 2012(平成24)年3月28日: GNOME 3.4リリース
  • 2012(平成24)年9月26日: GNOME 3.6リリース
  • 2013(平成25)年3月27日: GNOME 3.8リリース
  • 2013(平成25)年9月25日: GNOME 3.10リリース
  • 2014(平成26)年3月26日: GNOME 3.12リリース
  • 2014(平成26)年9月24日: GNOME 3.14リリース
  • 2015(平成27)年3月25日: GNOME 3.16リリース

機能

比較的日本語環境への対応が容易で、デスクトップ環境自体は既に日本語化(多国語化)されており、各種アプリケーションの日本語化も進められている。

ウインドウマネージャーを介してデスクトップ上の環境を構築するが、同種のソフトであるKDEとは異なり、付属の(標準の)ウインドウマネージャーというものはなく、sawfishをはじめとするGNOME対応のウインドウマネージャーを別途用意しなければならない。

綴りgnomeは一般には「ノーム」と読むが、GNOMEプロジェクトの場合はGNUの慣習に倣って「グノーム」と発音される。

由来

このGNOMEの開発は、1997(平成9)年8月にMiguel de Icazaによって立ち上げられた。GUIツールキットGTK+を基に、拡張性を鑑みスクリプト言語Guileを採用した。

GNOMEは一連のアプリケーションフレームワークを提供するのが主要な機能であるが、CORBAの実装の一つMICOを使い、各種機能をサーバーとし、他のアプリケーションから利用可能としている。

デスクトップ環境

GNOME パネル

GNOME 2系までは、Windowsに似たインターフェイスを持っており、このデスクトップ環境は「GNOME パネル」と呼ばれていた。Windowsに似てはいるが、左上のアイコンをダブルクリックしてもアプリケーションが終了しないなど様々な差異があり、それが使いにくさへと繋がっている点が問題であった。

GNOME パネルはGNOME 3系でも使えないことはないが、標準は後述するGNOME Shellに置き換えられている。

GNOME Shell

GNOME 3.0から、ユーザーインターフェイスをWindows風からOS X風に舵を切った。これは「GNOME Shell」と呼ばれている。

タスクバーは画面の上にある。画面の左にアクティビティ、画面の右に通知メニューなどが配置されている。

スクリーンセーバー

Ubuntu 10.04+GNOME 2.30では、次のようなスクリーンセーバーのテーマが標準でインストールされていた。

  • AntSpotlight
  • F-Spot の写真
  • Fiberlamp
  • Floating Ubuntu
  • FuzzyFlakes
  • GLBlur
  • GLCells
  • GLMatrix
  • GLSchool
  • GLSlideshow
  • GLText
  • Hypertorus
  • フローティング GNOME
  • 宇宙
  • 画像フォルダー

設定エディタ

GNOME 2には「設定エディタ」(gconf-editor)と呼ばれるシステムツールがあり、これはWindowsのレジストリ エディターと同様の目的をもったソフトウェアである。

Ubuntu 10.04などでは、危険なため標準では表示されないが、システム→設定→メイン・メニューでメイン・メニューの設定画面を表示し、左のツリー中にある、アプリケーション→システムツールを選び、右ペイン中の設定エディタをクリックしてチェックをつける(動作がかなり遅いので注意)と、アプリケーションのメニューに表示されるようになる。

なお、Ubuntu 12.04(Unity環境)などでは初期状態でインストールされていないため、必要ならインストール作業が必要である。具体的には、左側にある「Ubuntuソフトウェアセンター」を選び、右上の検索欄に「gconf-editor」と入力する。すると「設定エディター」が表示されるため、これをインストールすればよい。

キー

各情報要素は「キー」と呼ばれており、ルートには、/apps /desktop /schemas /system の4種類が標準で存在する。

例えば、この設定を書き換えれば、GNOMEのウィンドウマネージャMetacityの標準テーマAmbianceの設定では左上にあって使いにくい最小化・最大化・閉じるのボタンを、Windowsと同様に右上に移動することもできる。

この設定の場所は /apps/metacity/general/button_layout で、標準で「close,minimize,maximize:」だが、これを「menu:minimize,maximize,close」とするとWindowsと同様になる。

但し、左上のメニューアイコンをダブルクリックしてもウィンドウは閉じない。そのような機能が存在しないためである。

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