クリプトン

読み:クリプトン
外語:Kr: Krypton 学名 , Krypton 英語 , Krypton ドイツ語 , Krypton フランス語 , Criptón スペイン語 , Криптон ロシア語 , كربتون アラビア語 , 支那語(大陸・台湾) , kripton/o エスペラント
品詞:名詞

18族に属する銀白色遷移金属元素

目次

基本情報

一般情報

原子情報

  • 原子量: 83.798(2)
  • 電子配置:
    • 1s2、2s2、2p6、3s2、3p6、3d10、4s2、4p6
    • [Ar]3d10、4s2、4p6
  • 電子殻: 2、8、18、8
  • 原子価: 0、2
  • 酸化数: 0、+2

物理特性

同位体

質量数は、69から101までが確認されており、その中に核異性体も存在する。安定同位体は六つある。

  • 78Kr
  • 80Kr
  • 82Kr
  • 83Kr
  • 84Kr
  • 86Kr

なお、このうちクリプトン78(78Kr)やクリプトン86(86Kr)は、長寿命放射性同位体であるらしい。一説ではクリプトン78(78Kr)の半減期20垓年とも言われる。

同位体核種天然存在比半減期崩壊崩壊後生成物
69Kr β+崩壊69Br
70Kr β+崩壊70Br
71Kr β+崩壊71Br
72Kr β+崩壊72Br
73Kr β+崩壊73Br
74Kr β+崩壊74Br
75Kr β+崩壊75Br
76Kr14.8時β+崩壊76Br
EC崩壊76Br
77Kr1.24時β+崩壊77Br
EC崩壊77Br
78Kr0.35%2×1021(2β+崩壊)78Se
79Kr1.46日EC崩壊79Br
β+崩壊79Br
80Kr2.28%安定核種(中性子数44)
81Kr0.35%22.9万年EC崩壊81Br
81mKr   
82Kr11.58%安定核種(中性子数46)
83Kr11.49%安定核種(中性子数47)
83mKr IT崩壊83Kr
84Kr57.00%安定核種(中性子数48)
85Kr10.77年β崩壊85Rb
85mKr β崩壊85Rb
IT崩壊85Kr
86Kr17.30%安定核種(中性子数50)
87Kr1.27時β崩壊87Rb
88Kr2.84時β崩壊88Rb
89Kr β崩壊89Rb
90Kr β崩壊90Rb
91Kr β崩壊91Rb
92Kr β崩壊92Rb
93Kr β崩壊93Rb
94Kr β崩壊94Rb
95Kr β崩壊95Rb
96Kr β崩壊96Rb
97Kr β崩壊97Rb
98Kr   
99Kr   
100Kr   
101Kr   

安定核種に対し、質量数が大きすぎるまたは小さすぎる場合は複雑な崩壊となり、質量数が小さいと陽子放射、大きいと中性子放射が同時に起こることがある。

発見

1898(明治31)年、イギリスのラムゼーとトラバースが、液化した空気中から発見した。

化学名Kryptonは、ギリシャ語で「隠れた」を意味するκρυπτός(kryptós)から付けられた。

性質

希ガスである。放射効率はアルゴンより良く、放電管の封入ガスとしても使われている。

かつては、長さの単位メートルの定義にも使われた。1960(昭和35)年、1メートルは「クリプトン86(86Kr)原子の準位2p10と5d5間での遷移に対応する光の真空中での波長の1,650,763.73倍に等しい長さ」と定義された。1983(昭和58)年に「1秒の299,792,458分の1の時間に光が真空中を伝わる行程の長さ」に変更されるまで使われた。

生産

地球の空気には体積割合でクリプトン0.000114%(=1.14ppm)含まれており、この空気から分離して生産される。同様に微量含まれるネオンキセノンを分離する必要があるため、この時にこれらも併産される。

クリプトンの約80%はロシアとウクライナで生産されている。このため、2022(令和4)年のロシアによるウクライナ侵略により、クリプトンの供給不足が引き起こされた。

主な化合物

現在知られる唯一の化合物は、クリプトンの酸化数+2の次の物質である。

  • 二弗化クリプトン (KrF2) (13773-81-4)

危険性

  • 引火点: 不燃性
  • 発火点: 不燃性
  • 爆発限界: 不燃性

有害性

  • 刺激
    • 腐食性: (該当資料なし)
    • 刺激性: (該当資料なし)
    • 感作性: (該当資料なし)
  • 毒性
    • 急性毒性: (該当資料なし)
    • 慢性毒性: (該当資料なし)
    • がん原性: (該当資料なし)
    • 変異原性: (該当資料なし)
    • 生殖毒性: (該当資料なし)
    • 催畸形性: (該当資料なし)
    • 神経毒性: (該当資料なし)

環境影響

  • 分解性: (該当資料なし)
  • 蓄積性: (該当資料なし)
  • 魚毒性: (該当資料なし)
関連するリンク
ICSC 国際化学物質安全性カード
用語の所属
元素
遷移金属元素
KR

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