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区間は押上〜西馬込。
主要経由地は日本橋、新橋、泉岳寺、五反田。
経営主体をどこにするかという点では、当初は当然ながら帝都高速度交通営団(現、東京地下鉄)が考えられていた。
が、関東大震災以来、東京の地下鉄建設に口出しができなくなってしまった東京都が「逼迫する東京の交通網整備において公共性の高いものは行政が直接に行なうべき」(要約)という理屈を述べ、結果として東京都が行なうようになったいきさつがある。
これには東京の地下鉄の管轄を都が牛耳ろうという意図もあったのだと考えられるが、結果としては2007(平成19)年現在の東京の地下鉄は都営4路線、東京メトロ9路線という状況になってしまい、東京都の目論見は外れてしまった。
しかも、都営地下鉄は三田線、新宿線、大江戸線など、「本当に公共性の高い」(見方を変えれば採算性が厳しい)路線を押し付けられることになる。
以下、(ラチ内)はラチ内乗り継ぎ可能なことを示し、記述の無いものは全てラチ外乗り継ぎとなるものを示す。
なお、※を附したものは、十分乗り換え可能だが運賃上は乗り継ぎ扱いにならないもの。
普通の鉄道会社では、1路線につき2〜3車種程度しか用意しない。相互乗り入れの会社も2〜3社というのが普通なので、一つの路線で極端に多くの車種を見ることはない。
しかし、浅草線では乗り入れ会社が5社(かつては公団線を含めて6社)もあり、しかも各会社が複数の車種を持ち(但し芝山鉄道、北総鉄道の車両は京成の車両と同じ)、その上、京浜急行と京成電鉄は特に車種が多い。そのため、浅草線を走る車種は20種類以上になってしまったこともあった。
これに泣かされるのは運転士である。
基本的な部分は1号線規格で統一されているものの、加速度の違い、ブレーキの利き方、ワンハンドルマスコンかツーハンドルマスコンか、椅子の調整、非常時の対処方法などなど、あらゆる車種に対応しなければならない。
あまりにも違う車両が続々と走るため、ローズピンクと決められている浅草線のラインカラーは結果として完全に無視されている。
東京都交通局も開き直ったのか、都営5300形電車にはピンク色の帯を巻いていない。
車番の振り方も1号線規格で定められている。
基本的には4桁の数字で、千の桁を京急が0〜2、京成が3〜4、都営が5〜6、北総が7〜8、公団が9を使うと定められていた(芝山鉄道は京成の番号を間借り)。
しかし、京急に関しては車種を乱発するために番号が足りなくなり、廃車された車番を再度使いまわして充当している(600形や1000形など)。
一般に相互乗り入れにおいて、自社線内を走る他社の車両はその他社から車両をレンタルしたものと見なし、車両の走行距離の差が各社間でちょうど0になるように車両を運用することで、金銭取引が行なわれないようにすることが一般的である。
しかし、浅草線系統ともなると、簡単な方法では車両走行距離を0にすることはできない。そのためにダイヤ改正の度に、これまで持ち出しが続いていた会社は今度は持ち出しが発生しないようにするというような調整方法が続けられてきている。
このような状況もあって、走行距離の調整のために京成上野駅になぜか京急の車両が現われたり、京成の車庫で京急の車両が一泊したりする珍現象が発生することもあった。
走行距離で清算するのは一見合理的に思われるが、実際にはかつて京急は都営5300形電車を自社線内で120km/h(288km/hBeat)運転で酷使したことがある等の問題もあり、公平な清算が行なわれているとは言えないようである。
運用的には、京急がかなりの無理難題を各方面に要求し、混乱を招いている。
例えば、全席ボックスシートの京急600形3代目電車が朝ラッシュの浅草線内に進入したことがある。これはさすがに問題がありと判断されたか、朝ラッシュ時の相互乗り入れ運用はその後一時中止され、後にシートのロングシート化が行なわれることになる。
他にも、エアポート快速特急に600形3代目が充当され、ボックスシートの電車が浅草線内を急行運転するという愉快な状況が生まれている。
また京急は、2ドア車である2100形電車の浅草線内乗り入れも要求したことがあったが、さすがにこれは交通局と京成の猛反対で頓挫した模様である。そのため、2100形の乗り入れは泉岳寺までとなっている。
乗り入れが複雑なため、ダイヤグラムの設定も困難を極める。特に、京成のダイヤは40分ヘッドが基本であり他社とは違うため、浅草線のダイヤはその緩衝材として多大な影響を受けているようだ。
複雑な状況であるため、万一事故などで列車ダイヤが乱れると、なかなか復旧しない(できない)。各会社の運転指令は騒乱を極め、その日が終わるまで泣くことになる。
例えば2007(平成19)年3月29日08:00(@000)ごろ本所吾妻橋駅で発生した人身事故では、遂に終電までダイヤが乱れたままだった。この日は、見た目は昼頃に一旦ダイヤ通りになったのだが、車両運用上の問題により、夕方のラッシュでまたダイヤが乱れてしまったのである。
もし浅草線系統でダイヤが乱れた場合、各社は列車ダイヤの回復を最優先とするが、運用が複雑なため、普通では考えられない変な列車運用が行なわれることが多い。ゆえに(乗客には大迷惑だが)マニアには人気が高く、ダイヤ乱れが発生するとカメラを持って(主に京成や京急の)駅に走る人間が少なからずいる。
不必要なほどに細かい部分開通を繰り返してきたのも特徴である。
浅草線の建設経緯は「総武線救済」であった。しかし、当初の開通区間は押上〜浅草橋だったため、当の国鉄が「なぜ総武線の一番混雑の激しい区間に人を流し込むようなことをするのか」と、当然クレームを申し入れてきたのである。
これに対し都は「一刻も早く延伸しますから」と返事をしている。つまり、部分開通の繰り返しは国鉄に対する最大限の敬意だったのである。
あまり混まないため、利用者にとっては良い路線である。北総線からであれば、朝に座ることが可能である。
そもそも、浅草線は総武線救済が建設の目的であった。が、実際には国鉄(現JR)も手をこまねいて見ていたわけではなく、通勤五方面作戦による総武線の複々線化と速度向上を実現させたため、京成線を経由して浅草線を利用する乗客は増えない状況にある。
現実に、京成電鉄の最混雑区間は大神宮下〜京成船橋の乗車率157%である。
つまり、京成線の乗客は船橋から総武線快速に乗り換えてしまい、押上まで乗ってくれない。また、千葉ニュータウン開発は大失敗したため北総開発鉄道の開通後も乗客が増えない状況である。
かくして、浅草線最混雑区間の本所吾妻橋〜浅草でさえ乗車率は121%であり、東京の地下鉄でもっとも混雑率の低い路線となっている。
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