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超新星爆発によって大幅に輝度を増したことで、地球から観測できるようになった天体。恒星の最後の姿である。激変星の一種。
現在、超新星の分類としては、主に光度曲線やスペクトルによって分類されるZwicky分類が一般的である。
この分類方法ではⅠ型とⅡ型がある。水素の吸収線スペクトルが無いものをⅠ型、あるものをⅡ型とする。
Ⅰa型は連星系を作る白色矮星に隣の星からのガスが降着して重くなり、やがてチャンドラセカール限界を超えて爆発するもので、白色矮星の熱核暴走反応型の超新星である。
Ⅰb型、Ⅰc型とⅡ型は重い星が進化の最終段階になり、鉄の核ができて爆縮する際に外側が吹き飛ぶもので、重力崩壊型の超新星である。
Zwicky分類には、Ⅲ型、Ⅳ型、Ⅴ型も提唱されたが、Ⅲ型/Ⅳ型はⅡ型の変種であり、Ⅴ型は高光度青色変光星(LBV)と判明し、現在では用いられていない。
それに対して、太陽のように小さくて黄色い恒星は、超新星爆発をしない。
このような恒星は寿命が長く、100億年もの間輝き続け、最後は赤くなって膨らみ(赤色巨星)、そしてそのまま周囲に大量のガスを放出して中心に白色矮星を残し一生を終える。
超新星爆発にしろ太陽のような星にしろ、星の死後は星を作っていた物質がチリやガスとなって宇宙空間に撒かれる。
それらはやがて再び集まり、新しい星の材料となる。太陽も、今から46億年前、幾つかの超新星の爆発によって宇宙空間にまき散らされたチリやガスを集めて生まれたと考えられている。地球も、ほぼ同じ頃、チリやガスを集めて誕生したのである。
超新星は彗星などと違い、発見しても特別な固有名詞が与えられることはない。
しかし彗星は組織的な調査が始まり、個人で新発見できる時代ではなくなったことから、個人天文ファンの間では代わりに超新星の探査がブームになっている。
超新星は学術的には「SN 年 番号」という認識符号で呼ばれ、年は西暦4桁、番号はその年の1番目から順にA、B、C…Z、aa、ab…az、ba、bb…bz、……zz、aaa、aab…aaz、aba…となる。つまりその年1番目は「A」、10番目なら「J」、26番目なら「Z」、27番目なら「aa」、のようになり、「zz」は702番目である(26×26+26=702)。その次の703番目は「aaa」と3文字になる(1×262+1×26+1=703)。
1987(昭和62)年までは2文字が必要になることはなかったが1988(昭和63)年以降は毎年必要となっているほか、超新星の大規模サーベイ観測が始まって以降の2016(平成28)年以降は毎年3桁も使われるようになっている。
また「SN」とはsupernova(超新星)の略であるので、日本語ではそのまま「超新星 1987A」のように書くこともある。
超新星観測は、宇宙の膨張速度の変化を調べるのに有意義である。
現在はプロの天文学者らが組織的に超遠距離の超新星大規模サーベイを行なっている。なぜ遠距離なのかというと、プロの場合は結果を求められるためである。超新星はいつどこで発生するかわからない。従って、遠方の銀河の群れを撮影して、一気に大量の超新星を探す、という戦略を取っている。この都合から天の川方向は殆どなく、天の赤道周辺に偏った観測となっている。近距離の超新星のデータも必要だが、大規模サーベイでは発見が困難である。
一方で、アマチュア天文家らも趣味で超新星探査を行なっている。アマチュアなので結果は求められない。余暇を使い、宇宙のあらゆる方向から、しかも小さな望遠鏡なので近傍の銀河のみから、超新星の偶然な発見を続けている。
かくして、プロとアマチュアは互いに住み分けながら超新星探査をし、宇宙の謎に迫り続けている。
現時点では、銀河系内の超新星として最後に発見されたのは1604(慶長9)年のSN 1604である。そう遠くない将来、ベテルギウスが超新星爆発を起こし、次(あるいは次以降)に銀河系内で観測される超新星になるとして有力視されている。
超新星は毎年数百個が発見されているため全てを挙げることは不可能だが、有名なものをいくつか紹介する。
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