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1987(昭和62)年に、地球から約16万光年の距離にある大マゼラン雲のタランチュラ星雲付近に発見されたⅡ型超新星の一つ。
爆発直後は、内部層で起こったニッケル56からコバルト56へ、さらに鉄56へと続く核融合末期の崩壊が検出されたほか、爆発のピーク時には噴出物に酸素からカルシウムまでの元素が検出された。
理論上は、爆発後にガスが冷えると残骸中心部で酸素、炭素、窒素原子が結合して固体微粒子が作られると考えられている。実観測では、爆発から500日後の赤外線観測では微量の固体微粒子しか検出されなかったが、約27年後となる2014(平成26)年1月7日にアルマ望遠鏡を用いた観測結果が発表され、ミリ波と、電波の一種であるサブミリ波を用いた観測により、この波長を強く発する冷たい固体微粒子は中心部近くに密集しており、元々周囲にあったのではなく超新星爆発で作られたものであることが分かったとしている。
また2012(平成24)年10月、ヨーロッパ宇宙機関(ESA)は、天文衛星「インテグラル」を用いた1000時間以上の観測で、放射性チタン(チタン44)からの高エネルギーX線を検出することに世界で始めて成功したと発表した。このチタンは恒星の崩壊時に生成されたと推定され、その量は太陽質量の0.03%にも達するという。この放射性チタンなどが、20年以上も超新星残骸を光らせるエネルギー源になっているという。
Ⅱ型超新星の場合、爆発後に中心核は中性子星となる。SN 1987Aも同様になると考えられているが、しかしSN 1987Aにはまだ明確に中性子星の存在は確認できていない。
中性子星の兆候が発見されたのは2014(平成26)年で、オーストラリアの研究チームによる電波観測による。この観測では、遠赤外線と電波で観測し、塵の放射を差し引いたところ、中性子星による強磁場で生じるパルサー風と予測される放射が残ったとされている。
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