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オリオン座に見られる恒星の一つ。オリオン座α星(αOri)。58番星。
ベテルギウスは、アラビア語で「脇の下」の意。
オリオン座の2‐3‐2の左上の赤い星で、オリオンの右肩。和名は「平家星」(へいけぼし)。これは源氏は白、平家は赤の旗印をなびかせていたところに由来する。
老齢の赤色超巨星である。
約850万歳は、太陽の46億歳と比較するとそれほど老齢では無さそうだが、しかしベテルギウスは大質量星であるため既に寿命が近く、遠からず超新星爆発を起こすと見られる兆候が観測されている。
現在は収縮を繰り返しており、0.0等〜1.3等まで不規則に明るさが変化する、不規則型変光星と呼ばれる変光星である。
超新星爆発後は、ブラックホールではなく中性子星になると見込まれている。現在支持されている恒星ブラックホールのモデルは太陽の30〜40倍程度の質量を持った恒星であるが、ベテルギウスの質量は最大でも20 M☉しかなく、ブラックホールになるには質量が足りないと見込まれるためである。
老齢で死期が迫っており、超新星爆発寸前である。縮小や変形など、遠からず超新星爆発を起こすと見られる兆候が観測されている。
遅くとも100万年以内には爆発するとされており、(時間をどう考えるかは難しい問題であるが)既に爆発しているという説もある。距離は約500光年なので、もし本当に既に爆発しているなら、遅くとも500年以内に超新星爆発が観測できることになる。
2009(平成21)年に米欧の研究者が発表した幾つかの論文によれば、ベテルギウスは大量のガスを放出し収縮、その結果天体表面はまるで梅干しのように、でこぼこに膨らんでいる、としている。
約500光年というのは距離が比較的近いので、地球に何らかの悪影響が出る恐れがある(γ線など)。
日本の古典にも記録が残る、現在のかに星雲(M1)を誕生させた超新星SN 1054は約7,200光年であるため、500光年という距離での超新星爆発は人類史上未曾有の事態であると言える。ある説では、マンモスを絶滅させたのは4万1千年前に250光年の距離で発生した超新星爆発、などとしている。
ただ、1250年頃に観測された超新星で、現在RX J0852.0−4622として観測される超新星残骸は650〜700光年で、現時点で地球から最も近い超新星残骸となっている。この超新星爆発で地球に何か大きな問題が生じたかというと、特にこれといったものはなさそうである。
爆発時の推定光度は−10〜−11等程度と推定されている。明るいことから、昼間でも観測が可能になると考えられている。
東京大数物連携宇宙研究機構の野本憲一特任教授(星の進化論)らの解析と説明によれば、爆発後の経過は、次のようになる。
オリオン座は冬の星座であり、夏は日中に空に上るため通常の星を見ることはできない。しかしもし夏に爆発した場合、超新星爆発したベテルギウスは非常に明るいため、昼間でも十分に見られる。
なお、超新星爆発の約33時間前には大量のニュートリノが放出されると見込まれており、日本でもスーパーカミオカンデの後継機などで観測されると期待される。従って、爆発前に爆発を察知することが理論上は可能である。
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