ア | イ | ウ | エ | オ |
カ | キ | ク | ケ | コ |
サ | シ | ス | セ | ソ |
タ | チ | ツ | テ | ト |
ナ | ニ | ヌ | ネ | ノ |
ハ | ヒ | フ | ヘ | ホ |
マ | ミ | ム | メ | モ |
ヤ | ユ | ヨ | ||
ラ | リ | ル | レ | ロ |
ワ | ヰ | ヴ | ヱ | ヲ |
ン |
A | B | C | D | E |
F | G | H | I | J |
K | L | M | N | O |
P | Q | R | S | T |
U | V | W | X | Y |
Z | 数字 | 記号 |
天体が観測者から遠ざかる運動をしている場合、光のドップラー効果により、スペクトル線が全体的に赤い(波長の長い)方向へずれる、という現象のこと。
今現在(あるいはすぐ目の前)は、赤方偏移していないので、赤方偏移量z=0となる。
そして遠いところ、宇宙マイクロ波背景放射はz≒1000、宇宙の誕生当時(ビッグバン)はz=∞に対応する。
宇宙背景放射に対応する赤方偏移量z=1000より以前には銀河などは存在していなかったと考えられており、それ以降に星や銀河が形成されたと考えられている。
実際の観測量である赤方偏移量zから距離を求めるためには、採用する膨張宇宙モデルを求めねばならないが、現在まだ正確な値は求められていない。
それでも、光の速度が有限である以上、赤方偏移量が大きい天体はかなり遠方にあることだけは確実である。つまり赤方偏移量が大きい天体を観測するということは、それだけ宇宙の過去を観測することに繋がり、延いてはビッグバンに近い時代を見るということである。
ちなみに現在は加速膨張モデル(宇宙の膨張速度が加速していること)を使うことが多いので、zの大きさと距離は比例しない。
地球から遠ざかる速度が赤方偏移量である。
このとき、z=1.7程度が、現在地球で観測される光を放った当時に概ね光速で遠ざかっていた天体となる。
従って、これよりも赤方偏移の大きな天体は、超光速(光よりも速い速度)で地球から遠ざかっていることになる。これは、宇宙が超光速で膨張していることの証明でもある。
現時点で人類が観測したのは赤方偏移量z=0〜10程度までであり、赤方偏移量10程度〜1000まではまだ観測できていない。
分かりやすく言えば、およそ132億光年彼方の天体までは現在観測に成功したが、その先の約5億光年の範囲はまだ観測できていない、ということである。
赤方偏移量zと距離(光年)は、40億年程度までは比例関係にあるが、それを超えると徐々に赤方偏移が大きくなる傾向にある。これは、遠方の天体は後退速度が光速を超えており、また宇宙は加速膨張しているため遠方ほどその傾向が強いためである。
そして、宇宙が誕生した瞬間の137億年前は、無限大となる。
赤方偏移と距離の関係は、計算式に与えるパラメーターによって変化するため資料によって異なるが、一例としては、次の通りである(文献: 大阪市立科学館研究報告 20, 61 - 63 (2010) 石坂千春)。Tが見かけの距離、xが実際の距離である。またその光がt億光年掛かって届いたとすると、t億年前には、その天体はx0億光年の距離にあった。
z | T | x(現在) | x0 |
---|---|---|---|
億年 | 億光年 | 億光年 | |
0.00 | 0.00 | 0.00 | 0.0 |
0.01 | 1.37 | 1.37 | 1.4 |
0.02 | 2.72 | 2.73 | 2.7 |
0.03 | 4.05 | 4.09 | 4.0 |
0.04 | 5.37 | 5.45 | 5.2 |
0.05 | 6.66 | 6.79 | 6.5 |
0.06 | 7.94 | 8.14 | 7.7 |
0.07 | 9.20 | 9.47 | 8.9 |
0.08 | 10.4 | 10.8 | 10.0 |
0.09 | 11.7 | 12.1 | 11.1 |
0.1 | 12.9 | 13.4 | 12.2 |
0.2 | 24.1 | 26.3 | 21.9 |
0.3 | 34.0 | 38.5 | 29.7 |
0.4 | 42.6 | 50.2 | 35.8 |
0.5 | 50.3 | 61.2 | 40.8 |
0.6 | 57.0 | 71.6 | 44.8 |
0.7 | 63.0 | 81.5 | 47.9 |
0.8 | 68.3 | 90.8 | 50.4 |
0.9 | 73.1 | 99.6 | 52.4 |
1.0 | 77.4 | 108 | 54.0 |
1.1 | 81.2 | 116 | 55.1 |
1.2 | 84.7 | 123 | 56.0 |
1.3 | 87.8 | 130 | 56.6 |
1.4 | 90.7 | 137 | 57.0 |
1.5 | 93.3 | 143 | 57.3 |
2.0 | 103 | 171 | 56.9 |
2.2 | 106 | 180 | 56.2 |
2.4 | 109 | 188 | 55.4 |
2.6 | 111 | 196 | 54.5 |
2.8 | 113 | 203 | 53.5 |
3.0 | 115 | 210 | 53.4 |
3.5 | 118 | 225 | 50.0 |
4.0 | 121 | 238 | 47.5 |
4.5 | 123 | 249 | 45.2 |
5.0 | 125 | 258 | 43.0 |
6.0 | 127 | 274 | 39.1 |
7.0 | 129 | 287 | 35.9 |
8.0 | 130 | 297 | 33.0 |
9.0 | 131 | 306 | 30.6 |
10.0 | 132 | 314 | 28.5 |
… | … | … | … |
∞ | 137 | 473 | 0.0 |
また、別の資料では、次のような換算がなされていた。
遠方の天体はスペクトル観測をするが、このとき使われるのが、水素原子のライマンα線である。
これは121.6nmの紫外線である。
遠いほど赤方偏移が大きくなるが、赤方偏移が2.29で波長400nmに達し可視光線に、赤方偏移が7.22で波長は1000nm=1µmに達して赤外線となる。更に、赤方偏移が821.37に達すると100000nm=0.1mmに達して電波となるが、ここまでの観測は現時点ではできる見込みすらない。
したがって、現時点での初期の銀河などは赤外線での観測が主戦場ということになる。遠方、つまり宇宙の始まり近くの天体を観測しようとすればするほど赤外線での観測が必要となるが、赤外線は地上での観測が難しいため、赤外線天文衛星が使われている。
最遠天体は観測が続けられており、不定期に更新される。
ビッグバンから約7億8千万年後の時代の銀河である。
2012(平成24)年現在も観測された最遠のγ線バーストである。
z=8程度の銀河も幾つか発見されるようになるが、確実なものとしてこのとき最遠となった。
2011(平成23)年現在、観測された最遠の銀河かつ天体の可能性があったが、続報なく、確証が得られなかったようである。
2012(平成24)年現在、観測された最遠の銀河かつ天体の可能性があったが、続報なく、確証が得られなかったようである。
コメントなどを投稿するフォームは、日本語対応時のみ表示されます