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それまで星が見えなかった場所に、突如明るくなった星が出現する現象。激変星の一種。通常は1〜数日中で15〜20等級程度明るくなる。記号は「N」。その後発見された様々な激変星と区別するため「古典新星」ともいう。
新星という名のとおり、かつては新しい星が生まれる現象と考えられていた。
1572(元亀3)年にティコ・ブラーエが(新星ではなく)超新星SN 1572を観測し、ラテン語でde stella nova(新しい星について)と題する本を出版したことがnovaという呼び方の始まりである。
しかし実際は新しく生まれた星ではなく、現在では白色矮星とその近傍にある巨星になりつつある星による現象であると考えられている。
変光星総合カタログ(General Catalogue of Variable Stars; GCVS)では、次のように細分類している。
急速に増光し、その後最大光を達成し、100日以内に3等級減光する。ペルセウス座GK星など。
最大光から150日以上かけ3等級減光する。プロトタイプは、がか座RR星である。
ここでは、ぎょしゃ座T星やヘルクレス座DQ星のような新星の光度曲線として知られる「ディップ」(dip)の存在は考慮されていない。
減光速度は滑らかな曲線に基づいて推定される。「ディップ」の前後は互いに直接接続されている。
10年以上に渡り最大光を維持し、その後非常にゆっくりと減光する。爆発前に可視光領域で1〜2等級の振幅の長周期光の変化を示すこともある(ぼうえんきょう座RR星)。この系の伴星は概ね巨星か超巨星で、時に半規則型変光星やミラ型変光星のこともある。
爆発時の振幅は10等級に達することがあり、高励起輝線スペクトルは、惑星状星雲、ウォルフ・ライエ星、共生星のスペクトルに似ている。これらが形成過程で惑星状星雲である可能性は排除されない。
典型的な新星とは異なり単一の爆発ではなく、10〜80年離れた二つ以上の爆発が観測される。かんむり座T星など。
新星は明るくなるとはいえ、極大絶対等級は−6〜−9等級程度である。
超新星のピーク時絶対等級−14〜−19等級程度と比較すると暗いため、従来は発見は散発的だった。
昨今は、観測機器の性能向上や低廉化もあり、発見が増えてきているようである。
発見されてすぐは、仮名として「Nova 星座名 西暦年」と呼ばれる。例えば「Nova Scutum 2009」(またはN Sct 2009とも略される)。
新星として確定すると、「V9999 星座名」(和名は、星座名 V9999)のように命名される。
新星は各星座ごとに命名され、数字はその星座内での連番である。英名の場合は、星座名をフルスペルで書く場合と、3文字の略号で書く場合とがある。
例えば、2009(平成21)年11月8日の観測で発見された新星は、「たて座V496」(V496 Scutum, V496 Sct)と命名された。
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