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強酸性を示す無機酸の一つ。塩化水素の水溶液。胃液の胃酸の主成分である。
工業的には金属の精製から医薬品の製造まで、極めて多目的に利用される。
また、実験器具の洗浄など、様々な目的で利用される。
目に入ればめちゃくちゃ痛く、高濃度のものが目に入れば失明する可能性がある。
万一目に入ったときはまず、多量の水で目を洗い、その後速やかに病院へ。これは殆どの化学薬品に共通の処理であり、化学実験をするときの心構えである。それでも濃硫酸や濃アルカリならまず確実に失明するので、それと比べれば幾らかマシではあるらしい。
食品添加物のうち加工助剤としても指定されている。
加工助剤とは、食品の加工に使って良いが、最終食品には残留してはならない、というものである。その目的で使うなら、食品用のグレードのものを使わなければならない。
缶詰用の果物(蜜柑など)の皮むきも塩酸に浸して行なわれる。
蜜柑は、外の皮を剥くと中に実があるが、この実にも皮が付いている。この実の皮を内果皮といい、これを塩酸で溶かしている。
塩酸などの薬品で処理をしているというと多くの人が不快感を露わにするが、案ずることはない。塩酸は胃酸の成分であり、酔っぱらったときにいつも吐いている筈だからである。もっとも、塩酸はあくまで加工助剤なので、最終の食品には残留していない。
具体的な手法としては、蜜柑の外皮は機械で剥き、水中で実を分割した後、0.5%の希塩酸溶液に20分〜40分程度浸けて内果皮を溶かした後、0.3%前後の希水酸化ナトリウム溶液に同じくらいの時間浸けて中和し、最後に水洗いして残留しないようにしている。
この時、酸やアルカリは食品添加物にも使用できる高純度のものを使用し、水洗して残留しないことが食品衛生法において定められている。
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