CD

読み:スィーディー
外語:CD: Compact Disc 英語
品詞:名詞

Philipsソニーが考案/規格化した光ディスクであり、光学式のディジタルレコードである。「コンパクトディスク」。

目次

光ディスク

盤面の凸凹をレーザーの反射を利用して光学的に読み取る光ディスクである。

情報はレコードと同様に螺旋状に記録される。つまり、最初から最後までが、一本の線になっている。

なお、CD/Compact DiscはPhilipsとソニーの商標である。

コンパクトディスク
コンパクトディスク

媒体

比較的長い歴史を持つCDは、様々な媒体が作られ、使われている。

詳細は、必要に応じて後述する。

レーザー等

主な仕様は次の通り。

規格

分類

CDには、いくつかの階層に応じた規格がある。ここでは、次のように分類する。

物理フォーマット仕様

物理フォーマットとは、凸凹の大きさや配置方法などに関するものである。

媒体の大きさは、直径12cmと8cmのものがあり、うち後者は8cm CDと呼ばれる。

媒体としては、次のようなものがある。

  • CD
  • CD-R (有機色素を使った追記型)
  • CD-RW (相変化ディスク)
  • CD-PROM (CD-ROMとCD-Rのハイブリッド)
  • CDV (アナログ映像記録用)

論理フォーマット仕様

論理フォーマットは、ここにどのような方法で情報を格納するか、という仕様である。コンピューター分野ではファイルシステムなどに関する仕様、といえば通りが良いだろう。

最も標準的なものはISO 9660である。この規格には水準1〜3までがあるが、どれも制限が厳しいので、この拡張仕様が様々登場することになった。

アプリケーション仕様

アプリケーション仕様は、様々な情報を、どのような形式とするか、という仕様である。

色々な方法があるが、音楽CDはCD-DAと呼ばれる規格が使われる。パソコン用のデータCDはCD-ROMと呼ばれる規格が使われる。

  • 音声記録用
  • 映像記録用
  • データ記録用
  • サブコード拡張
    • CD-G (カラオケ用、トラック内のR〜Wサブチャンネル)
    • CD-EG
    • CD-MIDI (MIDIのシーケンス情報格納用、トラック内のR〜Wサブチャンネル)
    • CD TEXT (曲名やアルバム名等の格納用、TOC内のR〜Wサブチャンネル)

規格書

各規格書に対応する媒体と、その公式規格

製法

CDは、LSI製造と同じ要領でフォトエッチングにより原盤を作成し、これから金属の母型を作成する。この母型にポリカーボネートの基材を注型し透明円盤を作成した後、レーザー反射用のアルミ層を蒸着し、その上にアルミを保護する表面処理をして製造する。

このような工程上、保護膜は読み取り面よりレーベル面の方が薄く弱いので、レーペル面にボールペン等で記入したりすると、ディスクを破損する。

信号を記録しているアルミ面はポリカーボネートで保護されているのため比較的長期のメディア寿命を持つが、初期の製品や安価な製品の場合では15〜20年程度でポリカーボネートがアルミから剥離する場合があり、アルミが空気に触れて劣化を起こし再生不能になることがある。正常な製品であれば20年くらいでそのような状態になることは無いが、ケースに入れなかったり、あるいは平積みや傾けて置いておくことで圧力がかかったり、高温の室内に置いたりすることで同様の問題を引き起こす場合もある。

寿命

初期のCD製品では、それまでのアナログレコードと差別化するために説明書内で音質スペックの説明と共に「半永久的に劣化せず保管できる」といったような記述があった。

これはディジタル信号を非接触ピックアップで取り込むために情報そのものは劣化することがないというだけで、メディア自体は劣化または傷などにより情報を損失する場合が多々ある。これらの記述はユーザーに誤解を与えるものとして、1980年代末頃には説明書内から削除されることとなった。

実際、初期のCDは保存状況にもよるが10〜30年程度で劣化により再生できなくなってしまうものが多いようだ。

74分

CDは、通常は直径12cmの物が使用される。12cm盤では渦巻の総延長は約5.3kmで、容量は750Mバイトとなる。録音時間は74分である。

ちなみに径を大きくすれば原理的にいくらでも録音時間は伸ばせるはずだが、CDは結論として12cmになり、録音時間が中途半端な74分になった。これには理由がある。

CDを開発したPhilipsとソニーは「ベートーヴェンの第9交響曲」が録音可能なもの、という目安を念頭に置き、カラヤン指揮の66分台からフルトヴェングラー指揮の73分台までを丸々収録可能な長さ、ということで決定したとされる。

CDの普及

CDを発案したのはソニーとフィリップスという音楽業界の企業である。しかし、これを普及させたのは音楽業界のみの力ではない。

CDは、CD-ROMとしてコンピューターでも利用されるようになった。かくして、CD媒体、およびCDドライブは大量生産されるようになって安価になり、普及が進んだ。つまり、CDを普及させたのはコンピューター業界である。

音楽業界はCDの後継として高音質のSACDを作ってはいたが、これは全く普及しなかった。商品展開次第では普及する可能性もあったが、音楽業界はその努力をしなかったのである。

音楽業界は、コンピューター業界の力に依存するだけで、努力らしいことを何もしてこなかった。

その後の音楽業界

音楽業界は、恩人であるコンピューター業界に敵意をむき出しにするようになった。音楽CDが売れない理由を、コンピューター業界の責任と考えるようになったからである。

そこで、コンピューター業界のおかげで普及したCDを今後も使うことにし、しかし「コンピューターでは読めない」細工を施した規格外の壊れたCD、「コピーコントロールCD」(CCCD)を一時期採用した。これにより、音楽業界はユーザーからの信用を一気に失うことになリ、CDは更に売り上げを落とすことになった。

高音質のSACDが普及しなかったため、レコー7ド会社は、高音質の主力をSHM-CDやBlu-spec CDのような「インチキ高音質ディスク」に移行させ、ますます信用を失うことになるのである。

  • DDCD ‐ 倍密度のCD
  • HDCD ‐ CD-DA互換の高音質CD
  • SACD ‐ CDの後継を標榜した高音質CD
  • DVD ‐ CDに代わって普及した光ディスク

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