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Philipsとソニーが考案/規格化した光ディスクであり、光学式のディジタルレコードである。「コンパクトディスク」。
盤面の凸凹をレーザーの反射を利用して光学的に読み取る光ディスクである。
情報はレコードと同様に螺旋状に記録される。つまり、最初から最後までが、一本の線になっている。
なお、CD/Compact DiscはPhilipsとソニーの商標である。
CDには、いくつかの階層に応じた規格がある。ここでは、次のように分類する。
CDは、LSI製造と同じ要領でフォトエッチングにより原盤を作成し、これから金属の母型を作成する。この母型にポリカーボネートの基材を注型し透明円盤を作成した後、レーザー反射用のアルミ層を蒸着し、その上にアルミを保護する表面処理をして製造する。
このような工程上、保護膜は読み取り面よりレーベル面の方が薄く弱いので、レーペル面にボールペン等で記入したりすると、ディスクを破損する。
信号を記録しているアルミ面はポリカーボネートで保護されているのため比較的長期のメディア寿命を持つが、初期の製品や安価な製品の場合では15〜20年程度でポリカーボネートがアルミから剥離する場合があり、アルミが空気に触れて劣化を起こし再生不能になることがある。正常な製品であれば20年くらいでそのような状態になることは無いが、ケースに入れなかったり、あるいは平積みや傾けて置いておくことで圧力がかかったり、高温の室内に置いたりすることで同様の問題を引き起こす場合もある。
初期のCD製品では、それまでのアナログレコードと差別化するために説明書内で音質スペックの説明と共に「半永久的に劣化せず保管できる」といったような記述があった。
これはディジタル信号を非接触ピックアップで取り込むために情報そのものは劣化することがないというだけで、メディア自体は劣化または傷などにより情報を損失する場合が多々ある。これらの記述はユーザーに誤解を与えるものとして、1980年代末頃には説明書内から削除されることとなった。
実際、初期のCDは保存状況にもよるが10〜30年程度で劣化により再生できなくなってしまうものが多いようだ。
CDは、通常は直径12cmの物が使用される。12cm盤では渦巻の総延長は約5.3kmで、容量は750Mバイトとなる。録音時間は74分である。
ちなみに径を大きくすれば原理的にいくらでも録音時間は伸ばせるはずだが、CDは結論として12cmになり、録音時間が中途半端な74分になった。これには理由がある。
CDを開発したPhilipsとソニーは「ベートーヴェンの第9交響曲」が録音可能なもの、という目安を念頭に置き、カラヤン指揮の66分台からフルトヴェングラー指揮の73分台までを丸々収録可能な長さ、ということで決定したとされる。
CDを発案したのはソニーとフィリップスという音楽業界の企業である。しかし、これを普及させたのは音楽業界のみの力ではない。
CDは、CD-ROMとしてコンピューターでも利用されるようになった。かくして、CD媒体、およびCDドライブは大量生産されるようになって安価になり、普及が進んだ。つまり、CDを普及させたのはコンピューター業界である。
音楽業界はCDの後継として高音質のSACDを作ってはいたが、これは全く普及しなかった。商品展開次第では普及する可能性もあったが、音楽業界はその努力をしなかったのである。
音楽業界は、コンピューター業界の力に依存するだけで、努力らしいことを何もしてこなかった。
音楽業界は、恩人であるコンピューター業界に敵意をむき出しにするようになった。音楽CDが売れない理由を、コンピューター業界の責任と考えるようになったからである。
そこで、コンピューター業界のおかげで普及したCDを今後も使うことにし、しかし「コンピューターでは読めない」細工を施した規格外の壊れたCD、「コピーコントロールCD」(CCCD)を一時期採用した。これにより、音楽業界はユーザーからの信用を一気に失うことになリ、CDは更に売り上げを落とすことになった。
高音質のSACDが普及しなかったため、レコー7ド会社は、高音質の主力をSHM-CDやBlu-spec CDのような「インチキ高音質ディスク」に移行させ、ますます信用を失うことになるのである。
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