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螺旋状に引かれた溝に音の信号の凸凹を付けることで音声を記録した、円盤状の音声記録媒体のこと。
1980年代まで一般に広く普及していたが、1980年代末に登場したCDにその座を奪われた。
レコードのそもそも原理は1877(明治10)年のエジソンの発明「蓄音機」と同様である。
1890(明治23)年に最初の円盤式蓄音機が完成し、レコードの量産が始まった。
当初は水平方向の振幅変化しか記録しなかったため原理的にモノラルだが、1930(昭和5)年にブラムインにより発明された45-45マイクログルーブ方式と呼ばれるステレオ録音技術が1956(昭和31)年に実用化され現在に至る。
レコードは大きさを問わず全て、回転が角速度一定(CAV)である。この原理上、内周部と外周部では情報密度が全く違う。
この特性から、最初(外周部)は音がよく、最後の方(内周部)に収録されている曲は最初(外周部)に比べ音質がいまいちになりやすい。このため、そのアルバムの売りの曲は最初に入れることが多かった。
このことから、一番良い音なのは12インチ(30.48cm)で45回転になっているレコードの一番外側だけに収録されてるもの。いわゆる12インチシングルである。
ちなみに同じ角速度一定であるLDなどでも同様に画質劣化があると噂する人がいたが、こちらは単に容量を無駄に使っているだけのことで情報そのものの差は全くなく、誤解である。
レコードに、明確な「収録時間」というものは存在しない。
溝を細くすればその分、レコードの面積内にたくさんの溝を刻むことができるので、その分長く収録が可能になる。ただし、音量(ダイナミックレンジ)は溝の細さと比例して下がるため、長くするとその分音質を犠牲にすることになる。
レコードを回転させる速度の主流は次の二種類である。
回転は、高速の方が安定し、また高速な方が1秒間に再生される溝の長さが長くなるためより繊細な表現が可能になり、その分音質が向上する。その分、収録可能な時間は短くなる。
つまり、33 1/3回転より45回転の方が高音質である。33 1/3回転は45回転よりも回転速度が遅いぶん、45回転よりも音の繊細さや音量は犠牲になるが、その分収録時間を長くすることができる。
一般的には、シングルは音質優先で45回転、アルバムは録音時間優先で33 1/3回転となっていることが多い。
レコードは重い方が回転が安定するため、重くしたレコードがあり、これを重量盤という。
このため、通常盤は120g〜130g程度なのに対し、重量盤は約180g程度となっており、時にそれ以上に重くしたものもある。
レコードは外側ほど音質が良く内側ほど音質が悪いため、通常、物理的限界の録音時間まで録音することはない。また回転数も2種類(33 1/3回転、45回転)あり、それによっても音質と録音時間は変化する。
以下の録音時間は、現実的な録音時間の参考値である。
LPレコードは、1948(昭和23)年に毎分33 1/3回転の12インチ(30.48cm)盤として米Columbiaが発表した。これは片面24分程度録音可能でLP(Long Play)と呼ばれる。
LP盤はSP盤と同じサイズで長時間再生を目指したのに対し、EP盤はSP盤相当の再生時間を小型レコードで実現した。
このようにLP/EPは元々レコードの径と回転数の双方を表わしていたが、後に10インチ(25.40cm)盤なども登場してきたため、LP/EPは回転数を意味する表現にもなった。つまり、LPは33 1/3回転を意味する記号となり、EPは45回転を意味する記号となった。
更に、小型の3インチ(7.62cm)盤や大型の15インチ(38.10cm)盤などという特殊なものもあるが、本当に特殊なので普通のプレイヤーでは使えない。
シングルレコードは、片面に1曲入れることを前提にしたレコードである。レコードが現役を退いた後にも、シングルCDやシングルDVDなどにその名を残している。
1949(昭和24)年に米RCA-Victorが毎分45回転のレコードで、直径7インチ(17.78cm)のレコードに片面4分30秒程度まで録音できる。
ジュークボックスのオートチェンジャーで1曲ずつ連続演奏する目的で作られており、このために中央に大きな穴があいていてドーナツ盤とも呼ばれた。通常のレコードプレーヤーで再生するためにはアダプターが必要だったが、高級プレイヤーではシングルレコードがそのまま乗せられるような窪みが付いているものもあった。
この発展型が、同じ径・同じ回転速度のまま演奏時間を延ばしたEPレコードである。
LPレコードと同じ12インチ(30.48cm)盤で、シングルレコードと同じ毎分45回転とし、片面に1曲のみ収録したもの。
レコードの外周部分にのみ音溝が刻まれていることからシングルレコードより音質に優れている。
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