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Googleが開発した、動画を格納するためのファイルフォーマット(コンテナーフォーマット)。
Googleは2010(平成22)年2月、1億3300万ドル(約121億円)でOn2 Technologiesを買収した。WebMで採用したVP8はOn2の開発した当時最新のビデオコーデックであり、2010(平成22)年5月20日にこれをオープンソース化することを発表した。
Googleがこれをオープンソース化したのには、HTML5の開発が続く中にありながら、video要素で使う標準動画フォーマットが決まらなかったことに由来した。
AppleなどはITU-T H.264を強く支持したが、これは特許があり、利用するためにはMPEG LAに対して莫大なライセンス料を支払わなければならない。これに対してオープンソース陣営は、オープンソースでロイヤルティフリーのTheoraを支持した。これはOn2のOpen-Source VP3がベースとなっているが、パフォーマンスが劣っていたために標準には採用されなかった。
GoogleはHTML5の標準動画の地位を目指し、WebMをオープン化した。
標準で対応するブラウザーは次のとおり。
別途のコーデックで対応するブラウザーは次のとおり。
Googleは、ロイヤルティフリーでオープンソース化したが、特許などの問題については不透明なままである。そんな中でWebMは、主要なWebブラウザーのうち、Mozilla Firefox、Google Chrome、Operaが対応した。
Internet Explorer 9も、WindowsにVP8 CODECを別途インストールすれば利用できる、という、消極的ではあるが一応の対応をした。
AppleのSafariも標準では対応せず、別途のコーデックが必要となる。QuickTime用のコンポーネントも存在する。しかし一番の問題はPC/Mac用のSafariはコーデックのインストールで見ることができても、iPhoneやiPadでは不可能という点である。
WebMの登場によってITU-T H.264の存在価値を失う可能性に危機感を抱いたMPEG LAは、インターネット上の無料動画にライセンス料を課さないことを発表した。これによって、WebMの存在価値が大幅に低減したとの見方もある。
当初、WebMで使われているVP8がMPEG LAのH.264の特許プールを侵害するのではないかという憶測が飛び交っており、MPEG LAはVP8に関する特許料徴収を代行する考えがあるといったような報道もなされた。MPEG LAはH.264と競合するVP8に圧力をかけるためVP8のパテントプール形成のためにVP8の特許を募集、これに対しGoogleは2013(平成25)年、MPEG LAからライセンスを受けるという形で和解した。その内容は不明であるが、これによってWebMはその存在価値が無になったともいえる。
また、MPEG LAに加入していないノキアから特許侵害で訴えられたりと、特許に関する問題はまだ収まっていない。
ただ、WebMの登場によってH.264の使用料は下がり、充分な譲歩は引き出すことに成功しているため、深刻な事態というわけでも無い。利用者側の再生環境は今後も無料のままであろう。標準化されており、特許プールがあり、それが無料だと言うのであれば、利用者側からすれば実質的な問題は無いとも言える。
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