Vorbis

読み:ヴォルビス
読み:ヴォービス
外語:Vorbis 英語
品詞:固有名詞

音声コーデックの一つ。

目次

Christopher Montgomeryにより1993(平成5)年より開発が開始された音声圧縮の技術である。

現在、Vorbisの仕様などは3条項BSDライセンスで配布され、ツール類はGPLで配布されている。

Vorbisという名は、Terry Pratchett著のファンタジー小説 "Small Gods" に登場する「おしゃれの神」の名にちなむ。

コンテナー

VBR(可変ビットレート)に対応していればコンテナーフォーマットは問わないが、多くの場合Oggに格納され、これをOgg Vorbisと呼ぶ。

近年はMatroskaに格納したMatroska Vorbisもある。

由来

ISO標準規格のmp3(MEPG-1 Audio レイヤーⅢ)は、Fraunhofer IISが特許を主張しだしたことから世界的な問題となった。

利用するために特許料が必要なものは国際標準として相応しくないということから、新たにパテントフリーの規格を作るプロジェクトが持ち上がり、結果誕生したのがこの規格である。

パテントフリーを謳っているが、全ての特許を調べきったわけではないことからサブマリン特許の危険性も想定はされていたが、登場から10年以上経過してもなお顕在化したことがないため、安全な可能性は高い。なお、米国の特許は出願から20年とされている。

後出規格であるため、他聞に漏れずmp3より低ビットレートで同様の再現性を持つと宣伝されており、実際に良い評価も得ている。

利点と欠点

  • あらゆるビットレートでmp3を超える音質を持つ
  • 最新技術と比較しても、AAC-LC(AAC Low Complexity)と同等かそれ以上の音質を有する
  • その分、mp3よりエンコードに時間またはCPUパワーを要し、初期には変換速度の遅さが問題となっていた
  • 高速性と速度を兼ね備えた互換エンコーダー「aoTuV」が開発され、その成果が公式エンコーダーlibvorbisにも一部取り入れられている
  • CBRABRも対応するが、基本はVBR(可変ビットレート)であるため、VBRを想定しないコンテナーフォーマットでは使用できない(音がずれてしまう)

登場時

2000(平成12)年にベータ版が登場し、2002(平成14)年7月19日に初の正式版となるVorbis 1.0がリリースされた。Windows版、Mac OS版、Linux版などがある。

この発表時点で、Winamp、Sonique、ZinfなどのフリーソフトウェアプレイヤーがVorbis 1.0をサポートしており、エンコーダーもOgg Drop、Vorbis Toolsなどが登場していた。これら以外のプレイヤーやエンコーダーも続々とVorbis 1.0に対応した。

また、RioのKarmaのような専用プレイヤーでも対応のものが登場した。

その後

Winampやxmms用の再生プラグインが用意されているほかに、オンラインで公開されているメディア再生ツールも続々と対応が開始、あるいは対応準備が開始されている。

またインストールするだけでDirectShow Filterとして機能しWindows Media Playerでそのまま再生可能なVorbisデコーダーなども作られている。

関連するリンク
Vorbis
The Ogg Vorbis CODEC project
用語の所属
音声コーデック
音声圧縮
関連する用語
Ogg
Ogg Vorbis
mp3

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