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運輸政策審議会が2000(平成12)年1月27日に行なった答申。
この答申は「東京圏における高速鉄道を中心とする交通網の整備に関する基本計画について」と題されている。
答申内で、東京圏の現状の報告と将来の予測、そして2015(平成27)年までに整備を要する鉄道路線の列挙をしている。
鉄道網の整備と改善については、先の答申に基づき着々と進められて来た。
これにより、ラッシュ時間帯の混雑率は、200%超過状態から、1998(平成10)年には183%にまで改善。しかし依然として次のような課題が残されており、今答申の計画策定に当たっての基本的な考え方としている。
以上の解決の目標年次は2015(平成27)年と定められた。
全34路線、うち高速鉄道27路線、中量軌道システム7路線の整備計画が策定された。
各路線は、次のように分類されている。使用する記号は以降の凡例とする。
詳細な状況は後述。完成したものは頭に●を附した。
詳細な状況は後述。
横浜市営地下鉄ブルーラインを、あざみ野からすすき野付近、新百合ヶ丘まで延伸する計画。
あざみ野‐すすき野付近がA1路線、すすき野付近‐新百合ヶ丘がA2路線とされている。
横浜市の財政難のため、建設目途は全く立っていない。
横浜‐みなとみらい中央‐元町の計画でA1路線。
2004(平成16)年2月1日に横浜高速鉄道みなとみらい21線(通称、みなとみらい線)が開業した。同時に、並行する東急東横線の横浜‐桜木町間は廃止。
元町‐根岸‐上大岡‐東戸塚‐二俣川‐中山‐日吉‐鶴見の路線。中山‐日吉がA1路線、それ以外はA2路線。
A1路線の中山‐日吉は、2008(平成20)年3月30日に横浜市営地下鉄グリーンラインとして開業。他の区間は全く目途が立っていない。
現在のいずみ野線は二俣川から湘南台までであるが、これを相模線方面へ延伸する計画である。
相模鉄道は、相模線より更に東の平塚方面までの免許を取得済みであるが、現時点では経路等について検討中の段階で、建設の目途は立っていない。
二俣川‐新横浜‐大倉山を結び、大倉山駅で東京急行電鉄東横線と相互直通運転を行なう計画で、A1路線である。
当初は大倉山駅での接続が計画されたが、後に更に北の日吉駅で接続する計画に変更された。大倉山の地下を通るものの、駅の建設予定は無くなった。
相鉄・JR直通線は2009(平成21)年に着工し、開業目標は2018(平成30)年度としている。相鉄・東急線は、2019(令和元)年に開業予定とされている。
目黒‐大岡山‐田園調布と、多摩川園‐日吉‐大倉山を複々線化し、目黒駅でて東京6号線(三田線)及び7号線(南北線)と相互直通運転を行なう、という計画で、各A1路線である。なお、多摩川園駅は現在の多摩川駅である。
多摩川‐武蔵小杉は、2000(平成12)年8月6日に目蒲線が目黒線となり複々線区間の直通運転開始、また南北線・三田線との直通運転も同年に開始された。
武蔵小杉‐日吉間は、2008(平成20)年6月22日に目黒線の日吉延伸で複々線区間の供用を開始した。
この東急の路線改良は神奈川東部方面線(仮称)の一環でもある。複々線化の予定が日吉‐大倉山に存在したが、この神奈川東部方面線の接続点が大倉山から日吉に変更されたため、当該区間の複々線化は必要がなくなり、自然消滅したものと考えられている。
新百合ヶ丘‐宮前平‐元住吉‐川崎の計画で、A1路線である。川崎駅で、京浜急行電鉄大師線との相互直通運転が検討されている。
川崎市交通局が「川崎市営地下鉄」を想定して免許を取得したが、途中で元住吉経由から武蔵小杉経由に計画が変更となったため、事業許可は廃止された。現在は武蔵小杉経由で計画されているが、目処が経たぬまま2017(平成29)年に計画は中止となった。
久里浜線は堀ノ内〜三崎口の路線だが、三崎口から更に油壺まで延伸するという計画である。A1路線。
用地取得に難航しており、実現の目途は立っていない。まず無理。
京王電鉄京王線の調布‐笹塚を複々線化する計画である。
当街区間は現在地上を走り踏み切りなども多数あることから立体化の計画があり、まず、つつじヶ丘‐笹塚が立体交差化で複々線化される計画である。
調布‐つつじヶ丘間については、目処が立っていない。
当時、光が丘〜新宿まで開通していた都営大江戸線の、環状部(都庁前‐新宿)と、光が丘‐大泉学園町‐武蔵野線方面への延伸の計画である。環状部はA1路線、光が丘‐大泉学園町はA2路線であり、大泉学園町‐武蔵野線方面はB路線で今後整備について検討すべき路線だとしている。
都庁前‐新宿については、2000(平成12)年4月20日に新宿〜国立競技場、2000(平成12)年12月12日に残る環状部(国立競技場〜門前仲町〜新宿西口〜都庁前)が供用開始された。
当初は新宿西口〜新宿を結んで完全な環状になる予定だったが、予算不足で叶わず、都庁前に戻るルートで一応の完成となった。
光が丘‐大泉学園町‐武蔵野線方面については、現時点では目処が立っていない。
京急空港線の大鳥居から、京急蒲田を経て東急目蒲線(当時)の蒲田までを結ぶ計画である。A2路線。仮称「蒲蒲連絡線」略して「蒲蒲線」と呼ばれている。
具体的には、東武東上線・西武池袋線〜東急東横線〜東急多摩川線〜蒲蒲連絡線→羽田空港、という新しいアクセス路線を造るという意欲的な計画である。
しかしどうみても採算が取れるとは考えにくく、全く目途が立っていない。
葛西臨海公園から、赤羽、田園調布を経て、羽田空港方面へ結ぶ計画。B路線で、蒲蒲線の整備状況等を踏まえて検討するとしているほか、長大路線のため需要等を鑑みて優先着工区間を決定する必要ありとしている。
この路線は、仮称「メトロセブン」および「エイトライナー」と呼ばれている。
目途は全く立っていない。
新木場〜東京テレポートまで開通していた東京臨海高速鉄道・りんかい線を、東京テレポート‐天王洲‐大崎まで延伸する計画(A1路線)と、東京テレポートから東京貨物ターミナルを経て羽田空港までを結ぶ新線建設の計画(B路線)である。
新木場で総武線・京葉線接続新線(仮称)と、大崎で埼京線と相互直通運転を行ない、また東京テレポート駅で臨海副都心線と羽田アクセス新線(仮称)との間で相互直通運転を行なうとする。
東京テレポート〜天王洲アイルは2001(平成13)年3月31日、天王洲アイル〜大崎は2002(平成14)年12月1日に開通し、大崎から埼京線との相互乗り入れを実現させた。
羽田アクセス新線については、東京モノレールがJR東日本傘下に入ったことで、計画については再検討が必要となった。
JR京葉線を東京から新宿経由で三鷹まで延伸、中央本線の三鷹‐立川の複々線化、京葉線の新浦安と総武本線の船橋を結ぶ新線建設の計画である。全てA2路線。
どれ一つとして実現の目途は立っていない。
北総鉄道北総線を延伸し、印西牧の原‐印旛日本医大‐土屋‐新東京国際空港(現 成田国際空港)までを結ぶ計画。A1路線。
印西牧の原‐印旛日本医大は2000(平成12)年7月22日に開業した。
印旛日本医大‐成田空港は、成田高速鉄道アクセスが第三種鉄道事業者、京成電鉄が第二種鉄道事業者として整備が進められ、「成田スカイアクセス」が2010(平成22)年7月17日に開業した。
直接の計画ではないが、新線は160km/h(384km/hBeat)での走行に対応し、現行の路線(北総線、千葉ニュータウン線)は最高130km/h(312km/hBeat)で走行するため追抜き施設、軌道改良等の工事が実施された。
東海道貨物支線を旅客化し、東京テレポート・品川‐東京貨物ターミナル‐羽田空港口‐浜川崎を経て桜木町までを結び、また川崎アプローチ線で浜川崎から川崎新町を経て川崎までを結ぶ計画である。すべてB路線。
目途は全く立っていない。
東京モノレール羽田線を延伸し、羽田空港(西ターミナル)から新東ターミナルを結ぶ計画。A1路線。
2004(平成16)年12月1日に「羽田空港第2ビル」駅までの路線として開業した。
多摩センター〜上北台までの多摩都市モノレールを延伸する計画。上北台から箱根ヶ崎までの計画(A2路線)と、多摩センターから八王子・町田までの計画(B路線)がある。
いずれも目途が立っていない。
日暮里‐見沼代親水公園を結ぶ新線建設の計画。A1路線。
2008(平成20)年3月30日に日暮里・舎人ライナーとして開業した。
大宮‐さいたま新都心‐県営サッカースタジアム(埼玉スタジアム2002)を結ぶ計画。B路線。
LRTなどが想定されているようだが、現時点では目途が立っていない。
海浜幕張と総武線方面を結ぶ計画。
目途が立っていない。
千葉みなと〜県庁前の1号線を延伸し、県庁前‐中央博物館・市立病院前‐星久喜ターミナルまで結ぶ計画。県庁前‐中央博物館・市立病院前はA2路線、ここから星久喜ターミナルまではB路線である。
県庁前から市立病院前までについては一時期整備が進められていたが、千葉市の財政難もあり、計画は中断している。B路線については千葉都市モノレールでは建設しないとしている。
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