高速道路
読み:こうそくどうろ
外語:highway
自動車
が高速に走るために作られた
道路
のこと。
高速自動車道路
。
目次
概要
起源
構造
特徴
旧法令
分類
一般的な解釈
根拠法による分類
法定
高速自動車国道
指定都市高速道路
自動車専用道路
料金
現状
基本料金
特別料金
個別採算
今後の方針
休日50%割引
制限速度
日本の高速道路一覧
種類
(1)高速自動車国道(国幹道)(A路線)
(2)高速自動車国道(政令による道路)(A路線)
(3)高速自動車国道に並行する一般国道の自動車専用道路(A'路線)
(4)高規格幹線道路の一般国道(根拠 国幹道)(B路線)
(5)本州四国連絡橋(根拠 特別法)(B路線)
(6)地域高規格道路
(7)その他の自動車専用道路(公道)
(8)その他の自動車専用道路(私道)
概要
起源
世界初の高速道路は、ドイツが
第一次世界大戦
後に建設した「
アウトバーン
」である。
アメリカでは、州間を接続するinterstateが多数建設されているほか、州内のフリーウェイもある。基本的に無料だが、一部区間有料の道路もある。
構造
高速道路は、自動車が安全に高速運転できるよう、様々な特徴が備えられている。
高速道路は他の道路と分離されており、他の道路や鉄道等とは立体交差にされている。そして道路への流入流出も交差点ではなく、インターチェンジやジャンクションという形式を採る場合が多い。
自動車専用であるので歩道などはなく、横断歩道もない。信号機も基本的にはない。
停止せねばならないような急カーブは原則としてなく、車線の幅も安全な走行を妨げないよう充分なものが確保されるのが通例である。
特徴
これ以降は、日本の高速道路について説明する。
旧法令
かつて道路交通法施行令で、「高速道路等」は、
高速自動車国道
(高速自動車国道法第1条第1項)および
自動車専用道路
(道路交通法施行令第42条第1項)をいう、という規定があった。
だが、現在は法改正により法令上から消えてしまったため、現在は「高速道路」という用語には、厳密な定義は存在しない。
しかし現在でも、一般国道の自動車専用道路も事実上高速道路と呼ばれており、一部の都市高速は
地域高規格道路
として作られている。また自動車教習所でも高速道路は高速自動車国道+自動車専用道と教えることになっているため、つまり自動車専用道は道路交通の上ではすべて高速道路であると考えられる。
分類
一般的な解釈
現在「高速道路」は未定義の用語だが、事実上の高速道路は次の三種類がある。
高速自動車国道
指定都市高速道路
自動車専用道路
また、その区間の設定や管理等により、上の道路は次のいずれかとなる。
国道
都道府県道
市町村道
根拠法による分類
日本の高速道路は、根拠法による分類では、次のようになる。
A路線、A'路線、B路線というのは、1987(昭和62)年6月30日閣議決定された「第四次全国総合開発計画」に端を発する呼称である。
高規格幹線道路
高速自動車国道
国土開発幹線自動車道
(東名、名神、中央など) (A路線)
政令による路線 (A路線)
一般国道の自動車専用道路 (B路線)
高速自動車国道に並行する一般国道の自動車専用道路 (A'路線)
その他の高速道路
地域高規格道路
指定都市高速道路
(首都高、阪神高速など)
自動車専用道路
都市圏自動車専用道路
一般の自動車専用道路
その他の道路
法定
高速自動車国道
本当の意味での高速道路「高速自動車国道」は高速自動車国道法によって規定され、高規格幹線道路に分類される。
東名高速道路
、
常磐自動車道
、
東北自動車道
などがこれに該当する。
なお、営業路線名で「高速道路」と付くのは、中でも
東名高速道路
と
名神高速道路
、
新東名高速道路
(仮称)、
新名神高速道路
だけで、あとは全て自動車道となっている。
指定都市高速道路
首都高速道路
や
阪神高速道路
などの都市高速道路は「
指定都市高速道路
」として指定都市高速道路法によって規定され、こちらは
地域高規格道路
に分類される。
自動車専用道路
一般国道の自動車専用区間(自動車専用道路)も(広義の)高速道路と呼ばれている。
首都圏中央連絡自動車道(
圏央道
、国道468号)、本州四国連絡道路 神戸鳴門ルート(国道28号)などが該当する。
なお、
東京湾アクアライン
は「東京湾横断道路の建設に関する特別措置法」(昭和61年5月7日法律第45号)で規定され、本州四国連絡道路は当初は「
本州四国連絡橋
公団法」(昭和45年5月20日法律第81号)によって規定された公団によって建設された。
料金
高速道路の料金は、値下げすることが議論されている。
現状
基本料金
高速自動車国道は、一部の例外を除き全国で均一の料金制度「全国プール」が採用されている。
現在のNEXCO、かつてのJH(日本道路公団)で、統一的に使われてきた。
ターミナルチャージ: 150円/回
普通車料金(距離単価)
普通区間(地方部): 24.60円/km
大都市近郊区間: 29.52円/km
都市圏はプロ市民の妨害その他諸々の事情により建設費が高くなるため、2割高の価格設定となっている。
実際の計算は、ターミナルチャージと距離単価を加算し、更に消費税を加算した後、50円単位に四捨五入(24捨25入)する。
特別料金
高速自動車国道でも、次のような箇所は例外の特別料金となっている。
割高区間
関越トンネル 39.36円/km (普通の1.6倍)
恵那山トンネル 39.36円/km (普通の1.6倍)
飛騨トンネル 39.36円/km (普通の1.6倍)
阪和自動車道(海南〜有田) 39.36円/km (普通の1.6倍)
広島岩国道路 34.00円/km
関門橋 64.00円/km
本四高速(陸上部) 28.08円/km
海峡部等特別区間
伊勢湾岸道路 108.10円/km
アクアライン 179.28円/km
本四高速(海峡部) 252.72円/km
本四高速(明石海峡) 404.35円/km
また、以下は特別中の特別となる定額料金区間である。
高井戸〜調布・国立府中 (600円定額)
個別採算
自動車専用道路でも、全国プールが採用されていない区間は、原則として個別採算制となる。
このため、儲からない路線の維持費を儲かる路線で埋める、ということが出来ないので、単価はほぼ例外なく高くなる。
例えば「圏央道」は高速自動車国道ではなくあくまでも一般有料道路であり、料金は40円/kmと高額である。
今後の方針
国交省は、料金体系の簡素化と全体的な値下げを計画し、2013(平成25)年12月20日、「新たな高速道路料金に関する基本方針」を決定したと発表した。
具体的には、ETCに限り、距離制料金は次の3種類にまとめられる。
普通区間(地方部) 24.60円/km
大都市近郊区間 29.52円/km
海峡部等特別区間 108.10円/km
この計画では、関越トンネルや関門橋は24.60円の普通区間と同額に値下げ、アクアラインなど海峡部等特別区間は108.1円の海峡部等特別区間と同額に値下げされる。
首都高や阪神高速は、各々2015(平成27)年度と2016(平成28)年度まで現行料金を維持し、その後は環状道路の整備に合わせてシームレスな料金体系を導入するべく検討をする、としている。
国交省は、2014(平成26)年4月に新料金を始めたいとしている。
消費税増税で通常の区間は値上げになるが、建設費償還のために特別料金が設定されていた「高い道路」は値下げになる。
休日50%割引
料金ベースの変更とは別に、高速道路の地方部休日50%割引は2014(平成26)年6月まで延長が決まっている。
制限速度
高速道路とは言えども、法定速度が100km/h(240km/hBeat)なのは、高速自動車国道法における高速自動車国道のみである。それ以外の道路では、自動車の法定速度は一般道と同様に60km/h(144km/hBeat)である。
高速自動車国道でも、大型貨物自動車(最大積載量5000kg以上の貨物自動車)、三輪の普通自動車、大型特殊自動車、けん引自動車(トレーラー)にあっては80km/h(192km/hBeat))となる。
但し、標識等により法定速度より高い制限速度が明示されている場合には、その制限速度以下の速度で走行することが許される。
この法定速度の根拠は道路構造令により、次の基準で作られた道路は設計速度(道路構造令に基づく速度)が100km/h(240km/hBeat)以上となっており、法定速度はこの速度以下で設定されている。
第一種第一級
(設計速度140km/h(336km/hBeat))
第一種第一級A規格140km/h(336km/hBeat)
第一種第一級B規格120km/h(288km/hBeat)
第一種第一級C規格100km/h(240km/hBeat)
第一種第二級
(設計速度100km/h(240km/hBeat))
東名高速道路の一部区間は設計速度が120km/h(288km/hBeat)であるほか、現在鋭意建設中の
新東名高速道路
では設計速度が最大140km/h(336km/hBeat)となっていて、新東名高速道路の制限速度は120km/h(288km/hBeat)となる予定である。
日本の高速道路一覧
種類
広義の高速道路は、次のように分類できる。
高速自動車国道
(国幹道)(A路線)
国土開発幹線自動車道
(国幹道)で、高速自動車国道として建設された路線
高速自動車国道(政令による道路)(A路線) 国土開発幹線自動車道(国幹道)ではなく、政令に基づき高速自動車国道として建設された路線
高速自動車国道に並行する一般国道の自動車専用道路(A'路線)
高規格幹線道路
の一般国道(根拠 国幹道)(B路線)
本州四国連絡橋(根拠 特別法)(B路線)
地域高規格道路
指定都市高速道路
都市圏
一般道
その他の自動車専用道路(公道)
その他の自動車専用道路(
私道
)
(1)高速自動車国道(国幹道)(A路線)
国土開発幹線自動車道
(国幹道)で、
高速自動車国道
として建設された現行の高速道路は次の通り。
国幹道名にぶら下げ、現行の営業路線名を記述する。
北海道縦貫自動車道
道央自動車道
北海道横断自動車道
根室線
/
網走線
札樽自動車道
道東自動車道
東北縦貫自動車道
弘前線
東京外環自動車道
東北自動車道
八戸線
八戸自動車道
青森自動車道
東北横断自動車道
釜石秋田線
釜石自動車道
秋田自動車道
酒田線
山形自動車道
いわき新潟線
磐越自動車道
日本海沿岸東北自動車道
日本海東北自動車道
秋田自動車道
東北中央自動車道
東北中央自動車道
関越自動車道
新潟線
関越自動車道
上越線
関越自動車道
上信越自動車道
常磐自動車道
東京外環自動車道
常磐自動車道
東関東自動車道
館山線
館山自動車道
水戸線
東京外環自動車道
東関東自動車道
北関東自動車道
北関東自動車道
中央自動車道
富士吉田線
中央自動車道
西宮線
中央自動車道
東名高速道路
名神高速道路
長野線
長野自動車道
第一東海自動車道
第一東海自動車道
東名高速道路
東海北陸自動車道
東海北陸自動車道
第二東海自動車道
第二東海自動車道
新東名高速道路
伊勢湾岸自動車道
中部横断自動車道
中部横断自動車道
中部横断自動車道
北陸自動車道
北陸自動車道
北陸自動車道
近畿自動車道
伊勢線
伊勢自動車道
名古屋亀山線
東名阪自動車道
天理吹田線
西名阪自動車道
近畿自動車道
名古屋神戸線
伊勢湾岸自動車道
新名神高速道路
松原那智勝浦線
阪和自動車道
尾鷲多気線
紀勢自動車道
敦賀線
中国自動車道
舞鶴若狭自動車道
中国縦貫自動車道
中国自動車道
広島自動車道
山陽自動車道
山陽自動車道
中国横断自動車道
姫路鳥取線
播磨自動車道
鳥取自動車道
岡山米子線
岡山自動車道
米子自動車道
尾道松江線
尾道自動車道
松江自動車道
広島浜田線
広島自動車道
浜田自動車道
山陰自動車道
山陰自動車道
山陰自動車道
四国縦貫自動車道
徳島自動車道
松山自動車道
四国横断自動車道
高松自動車道
高知自動車道
九州縦貫自動車道
鹿児島線
九州自動車道
宮崎線
宮崎自動車道
九州横断自動車道
長崎大分線
長崎自動車道
大分自動車道
延岡線
(開通路線なし)
東九州自動車道
東九州自動車道
(2)高速自動車国道(政令による道路)(A路線)
国土開発幹線自動車道(国幹道)ではなく、政令に基づき
高速自動車国道
として建設された現行の高速道路は次の通り。
なお、政令で路線を定められる法的根拠は、高速自動車国道法 第三条である。
成田国際空港線
新空港自動車道
関西国際空港線
関西空港自動車道
関門自動車道
関門橋
沖縄自動車道
沖縄自動車道
(3)高速自動車国道に並行する一般国道の自動車専用道路(A'路線)
高速自動車国道に並行する一般国道の自動車専用道路は次の通り。
高速道路建設がマスコミ等の攻撃対象となったことを受け、名目上「国道バイパス」として機能を代替する路線を建設することにしたのが始まり。このため、高速自動車国道(A路線)に対し、これはA'路線とされる。
国幹道名にぶら下げ、現行の営業路線名を記述する。
北海道縦貫自動車道
函館新道
名寄バイパス
音威子府バイパス
幌富バイパス
豊富バイパス
北海道横断自動車道
根室線
黒松内道路
釧路外環状道路
根室道路
網走線
北見バイパス
美幌バイパス
東北縦貫自動車道
八戸線
百石道路
第二みちのく有料道路
(※県道)
上北横断道路
上北道路
三沢天間林道路
みちのく有料道路
東北横断自動車道
釜石秋田線
仙人峠道路
秋田外環状道路
酒田線
月山道路
日本海沿岸東北自動車道
酒田遊佐道路
象潟仁賀保道路
仁賀保本荘道路
琴丘能代道路
鷹巣大館道路
大館西道路
東北中央自動車道
阿武隈東道路
米沢南陽道路
尾花沢新庄道路
新庄北道路
主寝坂道路
院内道路
湯沢横手道路
常磐自動車道
仙台東部道路
仙塩道路
(
三陸縦貫自動車道
の一部)
仙台北部道路
東関東自動車道
館山線
京葉道路
富津館山道路
北関東自動車道
東水戸道路
第二東海自動車道
伊勢湾岸道路
近畿自動車道
名古屋大阪線
名阪国道
名古屋神戸線
伊勢湾岸道路
紀勢線
(
海南湯浅道路
→高速編入)
湯浅御坊道路
那智勝浦道路
熊野尾鷲道路
山陽自動車道
広島岩国道路
小郡道路
山口宇部道路 (※県道)
中国横断自動車道
姫路鳥取線
志戸坂峠道路
山陰自動車道
鳥取西道路
鳥取青谷道路
青谷羽合道路
北条道路
東伯中山道路
中山名和道路
名和淀江道路
米子道路
安来道路
松江道路(松江バイパス)
出雲仁摩道路
仁摩温泉津道路
江津道路
浜田道路(浜田バイパス)
浜田三隅道路
益田道路
萩三隅道路
四国横断自動車道
高松東道路
須崎道路
窪川佐賀道路
中村宿毛道路
津島道路
宇和島道路
大洲道路
九州横断自動車道
延岡線
北方延岡道路
東九州自動車道
椎田道路
宇佐道路
宇佐別府道路
延岡道路
延岡南道路
隼人道路
併記の通り、第二みちのく有料道路と山口宇部道路は県道である。
また、みちのく有料道路は
トンネル
以外は軽車両も通行可能な一般道であるが、並行する道路として扱われる。
(4)高規格幹線道路の一般国道(根拠 国幹道)(B路線)
根拠は国土開発幹線自動車道だが、これらは高速自動車国道ではなく単なる国道バイパスになってしまったため、B路線とされる。
高規格幹線道路
を参照。
(5)本州四国連絡橋(根拠 特別法)(B路線)
本州四国連絡橋
は、本州と四国を結ぶ3本の路線。これらは国道バイパスであり、B路線である。
神戸淡路鳴門自動車道
(
国道28号
)
西神自動車道
瀬戸中央自動車道
(
国道30号
)
瀬戸中央自動車道
西瀬戸自動車道
(国道317号)
生口島道路
大島道路
(6)地域高規格道路
地域間を結ぶ路線で、次のようなものがある。
指定都市高速道路
(首都高、阪神高速など)
自動車専用道路
都市圏自動車専用道路
一般の自動車専用道路
この条件の道路は全国に無数に存在する。一覧は
地域高規格道路
を参照。
(7)その他の自動車専用道路(公道)
上述のいずれにも属さない、公道の自動車専用道路は次の通りである。
この条件の道路は多数あるが、資料が少ないため、確認されたもののみを概ね北から順に並べる。
室蘭新道
白鳥新道(白鳥大橋)
青森県道47号青森東インター線
本町山中有料道路
(神奈川県道28号本町山中線)
西湘バイパス
小田原厚木道路
(自専道は平塚IC〜厚木IC)
小田原箱根道路
箱根新道
東富士五湖道路
西富士道路
藤枝バイパス
浜手バイパス
加古川バイパス
姫路バイパス
太子竜野バイパス
島根県道57号宍道インター線
島根県道183号斐川上島線
島根県道299号下府江津線(江津市敬川町三百五十二番一から同町八十八番まで、官報より)
島根県道332号三刀屋木次インター線
浜田リゾート線(島根県道254号はまだリゾート線)
長崎バイパス
川平有料道路
長崎インター線 (※県道)
(8)その他の自動車専用道路(私道)
上述のいずれにも属さない、
私道
の自動車専用道路は次の通りである。
東京高速道路
宇部・美祢高速道路(宇部興産専用道路)
箱根ターンパイク
(
TOYO TIRESターンパイク
)
箱根ターンパイク大観山線
箱根ターンパイク十国線
芦ノ湖スカイライン
本線
湖尻線
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