Linux 2.6.x

読み:リヌクス・にーてんろくてんエックス
読み:リナックス・にーてんろくてんエックス
外語:Linux 2.6.x 英語
品詞:商品名

Linuxカーネルのうち、バージョン2.6系であるもの。うち2.6.32はLong term releaseである。

目次

2003(平成15)年から2011(平成23)年にかけてリリースされた(LTSである2.6.32.xを除く)バージョンが、Linux 2.6.xである。

Linux 2.4.xの後継として登場したバージョンである。

後継はLinux 3.xである。

Linuxのバージョン番号の更新と、大きな仕様変更とは必ずしも密接な繋がりはない。

ゆえに、バージョン2.6としての基本コンセプト、あるいはバージョン2.4との差、バージョン3.xとの差、といったことを一言で表わすことは難しい。

ただ、2.4から2.6の大きな変更点としてシステムコールの仕様変更が存在しており、従来と互換性がなくなっている。glibcも、glibc 2.4以降はLinuxカーネル2.6以降でなければ動かない。

バージョン

  • Linux 2.6.39 (2011(平成23)年5月18日) 2.6.39.4まで
  • Linux 2.6.38 (2011(平成23)年3月15日) 2.6.38.8まで
  • Linux 2.6.37 (2011(平成23)年1月5日) 2.6.37.6まで
  • Linux 2.6.36 (2010(平成22)年10月21日) 2.6.36.4まで
  • Linux 2.6.35 (2010(平成22)年8月1日) 2.6.35.14まで
  • Linux 2.6.34 (2010(平成22)年5月16日) 2.6.34.15まで
  • Linux 2.6.33 (2010(平成22)年2月24日) 2.6.33.20まで
  • Linux 2.6.32 (2009(平成21)年12月3日) LTS
  • Linux 2.6.31 (2009(平成21)年9月9日) 2.6.31.14まで
  • Linux 2.6.30 (2009(平成21)年6月9日) 2.6.30.9まで
  • Linux 2.6.29 (2009(平成21)年3月23日) 2.6.29.6まで
  • Linux 2.6.28 (2008(平成20)年12月24日) 2.6.28.10まで
  • Linux 2.6.27 (2008(平成20)年10月9日) 2.6.27.62まで
  • Linux 2.6.26 (2008(平成20)年7月13日) 2.6.26.8まで
  • Linux 2.6.25 (2008(平成20)年4月16日) 2.6.25.20まで
  • Linux 2.6.24 (2008(平成20)年1月28日) 2.6.24.7まで
  • Linux 2.6.23 (2007(平成19)年10月9日) 2.6.23.17まで
  • Linux 2.6.22 (2007(平成19)年7月7日) 2.6.22.19まで
  • Linux 2.6.21 (2007(平成19)年4月25日) 2.6.21.7まで
  • Linux 2.6.20 (2007(平成19)年2月4日) 2.6.20.21まで
  • Linux 2.6.19 (2006(平成18)年11月29日) 2.6.19.7まで
  • Linux 2.6.18 (2006(平成18)年9月20日) 2.6.18.8まで
  • Linux 2.6.17 (2006(平成18)年6月17日) 2.6.17.14まで
  • Linux 2.6.16 (2006(平成18)年3月19日) 2.6.16.62まで
  • Linux 2.6.15
  • Linux 2.6.14
  • Linux 2.6.13
  • Linux 2.6.12
  • Linux 2.6.11
  • Linux 2.6.10
  • Linux 2.6.9
  • Linux 2.6.8
  • Linux 2.6.7 (2004(平成16)年6月15日)
  • Linux 2.6.6
  • Linux 2.6.5
  • Linux 2.6.4
  • Linux 2.6.3
  • Linux 2.6.2 (2004(平成16)年2月4日)
  • Linux 2.6.1 (2004(平成16)年1月8日)
  • Linux 2.6

詳細

Linux 2.6.39 (2011(平成23)年5月18日)

Sandy Bridge対応は含まれていない。LinuxCon Japan開催や次のリリースへの影響を勘案し、リリースに踏み切った。このためLinus氏は相当な不満があるとのことである。

  • ext4のスケーラビリティの改善
  • IPset
  • Btrfsの更新
  • Transcendent Memory
  • Big Kernel Lockをソースから完全に抹消
  • name_to_handle_at()、open_by_handle_at() システムコールの追加
  • グラフィックドライバー関係の更新

Linux 2.6.38 (2011(平成23)年3月15日)

  • 自動プロセスグルーピング ("200 Lines Kernel Patch That Does Wonders")
  • VFS のスケーラビリティ向上
  • Btrfs、LZO圧縮のサポート
  • 4Kiバイト超ページへの透過アクセス
  • transmit packet steering(XPS)の実装
  • RCU(Read/Copy/Update)ベースのパス名検索

Linux 2.6.37 (2011(平成23)年1月5日)

  • ext4とXFSでのSMPスケーラビリティの改善
  • Big Kernel Lockの廃止
  • cgroup単位でのI/O throttingのサポート
  • Cephファイルシステムベースのネットワークブロックデバイス
  • Btrfsのいくつかを改善
  • 静的プローブの更なる効率化
  • ハイバネーションイメージでLZO圧縮
  • PPP over IPv4対応

Linux 2.6.36 (2010(平成22)年10月21日)

  • Tileraアーキテクチャーへの対応
  • Fanotify
  • KMSとKDBの融合
  • ワークキュー管理の同時実行
  • Intel Intelligent Power Sharing対応
  • CIFSローカルキャッシュ
  • VM関連のデスクトップ応答の改善
  • OOMの書き換え
  • AppArmor

Linux 2.6.35 (2010(平成22)年8月1日)

  • マルチCPU環境でネットワークスループットを向上させる機能
    • Receive Packet Steering(RPS)
    • Receive Flow Steering(RFS)
  • Btrfsファイルシステムの強化

Linux 2.6.34 (2010(平成22)年5月16日) 前版から81日

Linux 2.6.34新機能
  • 新しいファイルシステムCephとLogFSの採用、Btrfsの改良
  • カーネルレベルでの仮想ネットワーク機能vhost(vhos-net)の追加
  • VMwareドライバーVMware Balloon driverの追加
Linux 2.6.34リリース

2.6.34はLong term releaseだった。2.6.34.15が2.6.34の最終版である。

Linux 2.6.33 (2010(平成22)年2月24日) 前版から84日

  • メモリーの一部を特殊なブロックデバイス(スワップ専用)に見せ、ここに書き込まれる際にLZOで圧縮して保持する機能
  • I/Oスケジューラーのうち、初期の2.6で使われていたanticipatoryスケジューラーの削除(現在のデフォルトはCFQ)
  • ext4のファイルシステムドライバーで、ext2/ext3のファイルシステムもマウント可能になった

Linux 2.6.32 (2009(平成21)年12月3日) 前版から85日

Linux 2.6.32新機能
  • 3Dアクセラレーションまわりの改良
  • スケジューラーの改良
  • パフォーマンスカウンター機能の追加
  • Intel Atomを独立したProcessor familyとした
  • Kernel Samepage Merging (同一内容のメモリーを共有化する機能)
  • /devをtmpfsにする機能に対応
  • ソフトウェアRAIDにおいて、マルチコアプロセッサーに対応
  • VMwareが用いるvmxnet3仮想イーサネットドライバーをカーネル側でサポート
Linux 2.6.32リリース

2.6.32はLong term releaseであるため、リリース履歴を以下に示す。

  • Linux 2.6.32.67 (2015(平成27)年6月3日)
  • Linux 2.6.32.66 (2015(平成27)年5月24日)
  • Linux 2.6.32.65 (2014(平成26)年12月13日)
  • Linux 2.6.32.64 (2014(平成26)年11月23日)
  • Linux 2.6.32.63 (2014(平成26)年6月18日)
  • Linux 2.6.32.62 (2014(平成26)年5月19日)
  • Linux 2.6.32.61 (2013(平成25)年6月10日) 3.0.80からセキュリティFIXの輸入
  • Linux 2.6.32.60 (2012(平成24)年10月9日)
  • Linux 2.6.32.59 (2012(平成24)年3月17日)
  • Linux 2.6.32.58 (2012(平成24)年3月4日)
  • Linux 2.6.32.57 (2012(平成24)年2月13日)
  • Linux 2.6.32.56 (2012(平成24)年2月3日)
  • Linux 2.6.32.55 (2012(平成24)年1月25日)
  • Linux 2.6.32.54 (2012(平成24)年1月12日)
  • Linux 2.6.32.53 (2012(平成24)年1月6日)
  • Linux 2.6.32.52 (2012(平成24)年1月3日)
  • Linux 2.6.32.51 (2011(平成23)年12月21日)
  • Linux 2.6.32.50 (2011(平成23)年12月9日)
  • Linux 2.6.32.49 (2011(平成23)年11月28日)
  • Linux 2.6.32.48 (2011(平成23)年11月8日)
  • Linux 2.6.32.47 (2011(平成23)年11月7日)
  • Linux 2.6.32.46 (2011(平成23)年8月29日)
  • Linux 2.6.32.45 (2011(平成23)年8月15日)
  • Linux 2.6.32.44 (2011(平成23)年8月8日)
  • Linux 2.6.32.43 (2011(平成23)年7月13日)
  • Linux 2.6.32.42 (2011(平成23)年6月23日)
  • Linux 2.6.32.41 (2011(平成23)年5月23日)
  • Linux 2.6.32.40 (2011(平成23)年5月9日)
  • Linux 2.6.32.39 (2011(平成23)年4月22日)
  • Linux 2.6.32.38 (2011(平成23)年4月15日) RDSプロトコル修正
  • Linux 2.6.32.37 (2011(平成23)年4月15日)
  • Linux 2.6.32.36 (2011(平成23)年3月27日)
  • Linux 2.6.32.35 (2011(平成23)年3月24日)
  • Linux 2.6.32.34 (2011(平成23)年3月23日)
  • Linux 2.6.32.33 (2011(平成23)年3月14日)
  • Linux 2.6.32.32 (2011(平成23)年3月7日)
  • Linux 2.6.32.31 (2011(平成23)年3月3日)
  • Linux 2.6.32.30 (2011(平成23)年3月2日)
  • Linux 2.6.32.29 (2011(平成23)年2月17日)
  • Linux 2.6.32.28 (2011(平成23)年1月7日)
  • Linux 2.6.32.27 (2010(平成22)年12月9日)
  • Linux 2.6.32.26 (2010(平成22)年11月22日)
  • Linux 2.6.32.25 (2010(平成22)年10月29日) CVE-2010-3904修正
  • Linux 2.6.32.24 (2010(平成22)年10月1日)
  • Linux 2.6.32.23 (2010(平成22)年9月26日)
  • Linux 2.6.32.22 (2010(平成22)年9月20日)
  • Linux 2.6.32.21 (2010(平成22)年8月26日)
  • Linux 2.6.32.20 (2010(平成22)年8月20日)
  • Linux 2.6.32.19 (2010(平成22)年8月13日)
  • Linux 2.6.32.18 (2010(平成22)年8月10日)
  • Linux 2.6.32.17 (2010(平成22)年8月2日)
  • Linux 2.6.32.16 (2010(平成22)年7月5日)
  • Linux 2.6.32.15 (2010(平成22)年6月1日)
  • Linux 2.6.32.14 (2010(平成22)年5月26日)
  • Linux 2.6.32.13 (2010(平成22)年5月12日)
  • Linux 2.6.32.12 (2010(平成22)年4月26日)
  • Linux 2.6.32.11 (2010(平成22)年4月1日)
  • Linux 2.6.32.10 (2010(平成22)年3月15日)
  • Linux 2.6.32.9 (2010(平成22)年2月23日)
  • Linux 2.6.32.8 (2010(平成22)年2月9日)
  • Linux 2.6.32.7 (2010(平成22)年1月28日)
  • Linux 2.6.32.6 (2010(平成22)年1月25日)
  • Linux 2.6.32.5 (2010(平成22)年1月22日)
  • Linux 2.6.32.4 (2010(平成22)年1月18日)
  • Linux 2.6.32.3 (2010(平成22)年1月6日)
  • Linux 2.6.32.2 (2009(平成21)年12月18日)
  • Linux 2.6.32.1 (2009(平成21)年12月14日)
  • Linux 2.6.32 (2009(平成21)年12月3日)

Linux 2.6.31 (2009(平成21)年9月9日)

  • デスクトップ環境の改善
  • USB 3.0サポート
  • FUSEの拡張機能CUSE(character devices in userspace)搭載、OSSサウンドをALSAでプロクシーする場合などに利用可能
  • ハードウェアパフォーマンスカウンター用の新ツール
  • readaheadの改良
  • ATI Radeon KMSのサポート
  • IntelワイヤレスMulticomm 3200のサポート
  • gcovのサポート
  • メモリーチェッカー
  • メモリーリーク検出
  • 新ファイルシステム監視インフラと、inotify/dnotifyの再実装
  • Btrfsの改善
  • IEEE 802.15.4(ZigBee)のサポート
  • IEEE 1394(FireWire)でのIPv4

Linux 2.6.30 (2009(平成21)年6月9日)

  • 「TOMOYO Linux」(日本発のセキュリティシステム)の統合
  • NTTが開発したスナップショットファイルシステム「NILFS2」の統合
  • POHMELFS、DSTなどの分散ストレージ/High Performance Storage向けテクノロジー搭載
  • クラスターシステム間などでメッセージ交換するための「Reliable Datagram Sockets(RDS)」プロトコル
  • Fastboot機能。起動時、デバイススキャンを並列化することでブートを高速化
  • IEEE 802.11wのサポート
  • 新システムコール、preadv()/pwritev()の実装
  • オブジェクトベースのファイルシステム「EXOFS」
  • NFS 4.1の実験的なサポート
  • キャッシュ機構付きファイルシステム「FS-Cache」
  • ファイルシステムのパフォーマンス向上
  • LZMA/bzip2によるカーネルイメージ圧縮機能
  • Microblazeアーキテクチャーに新規対応
  • ファイル改竄などをチェックする機能Integrity Management Architecture

Linux 2.6.29 (2009(平成21)年3月23日)

  • カーネルロード時に表示されるマスコットがペンギンのTuxから、タスマニアデビルのTuzに変更された
  • グラフィカルなカーネルモード設定を可能とした
  • WiMAXのサポート
  • 新ファイルシステム(Btrfs、SquashFS)対応
  • ファイルシステムのフリーズ機構 (入出力命令を一時的にブロックする機構)
  • x86アーキテクチャーで(理論上)最大4,096CPUまで対応 (スケーラビリティ向上の指標として)
  • ジャーナリングなしのext4
  • ファイルを透過的に暗号化するeCryptfs
  • stagingディレクトリの導入
  • SATAで32ビットPIO対応
  • IDE-SCSIエミュレーションの削除 (大昔、ATAPI CD-R/RWの操作で使われていたが、今では不要)
  • cpufreqでCeleron coreをサポート(p4-clockmod)

Linux 2.6.28 (2008(平成20)年12月24日)

  • ext4ファイルシステムは、安定版と宣言された
  • GPU向けのメモリーマネージャーGEMが搭載された
  • 起動時間改善の手助けをするBoot tracer
  • ATA/ATAPI-7の機能を用いたハードディスクの揺れ検知機能をサポート

Linux 2.6.27 (2008(平成20)年10月9日)

  • ext4に遅延割り当て機構の追加
  • フラッシュメモリー向けファイルシステムUBIFS

Linux 2.6

  • マルチプロセッサーの対応強化
    • RCU (Read-Copy Update)
    • O(1)スケジューラ
    • pagevec
    • ロック粒度の向上などの改良各種

      Big Kernel Lockを廃止し、より細かいロックで置き換えて実行の並列度を向上。

  • マルチスレッドの対応強化
    • vcache
    • futex (Fast Userspace Mutexes)
  • ネットワーク機能の改良
    • zerocopy NFS
    • epoll
  • ファイルI/Oの効率化
    • Multi page block I/O
    • AIO (Asynchronous I/O)
    • readv/writev
  • アドレス空間・メモリー管理の改良
    • rmap (reverse map)
    • mempool
用語の所属
Linuxカーネル
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