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汎用シリアルバスインターフェイス規格USBのバージョン3.0のこと。
USB 3.0は、既存のUSBに対し後方互換性を持ったバス規格である。
USB 3.0はUSB 2.0と互換性があり、USB 2.0にある4つの転送モード(アイソクロナス転送、インタラプト転送、バルク転送、コントロール転送)は全てに対応する。USB 3.0対応のパーソナルコンピューター(PC)は、従来のUSB 2.0対応機器をそのまま利用できる。
逆に、USB 3.0対応デバイスをUSB 2.0のPCに繋いで使うことも可能だが、この場合の性能/機能はUSB 2.0のものとなるほか、物理的形状の差異から、接続できないこともある。
USB 3.0のケーブルについては、Aコネクター(平形)はUSB 2.0コネクターに接続可能だが、Bコネクター(角形)は形状が異なるためUSB 2.0コネクターに接続できない。
拡張のため、後方互換性には一定の制限が存在する。
ハイエンド製品を中心として搭載されているが、登場から約2年経過した2011(平成23)年夏時点でも対応製品はわずかで、殆どの製品はUSB 2.0にしか対応していない。
これらはコスト面が原因であるが、Intelも2012(平成24)年から出荷予定のチップセットからUSB 3.0に標準対応する予定で、これ以降に発売されるパーソナルコンピューターの大半は標準的にUSB 3.0に対応することになる。その後は、量産効果なども手伝ってデバイス側も低廉化が進み、USB 3.0が普及していくものと思われる。
USB 3.0として使用中でも、電源ピンは従来と同じものを使う。
USB 2.0までは、電源はケーブルあたり最大で+5V 500mA(0.5A)を供給していた。
USB 3.0では、電源も強化され、ケーブルあたり+5Vで100mA〜900mAを供給する。
USB 3.0では信号送受信線が二対追加されるため、GNDと合わせて5ピン増える。標準とmicroUSBで用意されている。
ミニUSBでUSB 3.0に対応するものはないが、更に小型のmicroUSBではUSB 3.0に対応するものがある。
5ピンの標準の端子(USB On-The-Goで使うID信号ピンが追加されているため1ピン多い)の横に、USB 3.0用の5ピンの端子が並べて付けられている。
このため、USB 2.0プラグをUSB 3.0コネクターに差し込むことは可能だが、その逆はできない。
Standard-A/Standard-Bは、次の通り。
ピン | 色 | 信号名 | |
---|---|---|---|
Aコネクター | Bコネクター | ||
1 | 赤 | VBUS | |
2 | 白 | 信号(D−) | |
3 | 緑 | 信号(D+) | |
4 | 黒 | GND | |
5 | 青 | 受信(−) | 送信(−) |
6 | 青 | 受信(+) | 送信(+) |
7 | 黒 | GND | |
8 | 青 | 送信(−) | 受信(−) |
9 | 青 | 送信(+) | 受信(+) |
Powered-Bは、次の通り。
形状はBコネクターであるが、2ピン追加された。
既存のUSBはNRZIを採用しているが、USB 3.0の信号線では8b/10bとPRBS7が採用された。
新規の信号線を追加することから、当初は光ファイバーを付加する計画もあった。USB 3.0では実現しなかったが、これはThunderboltという別の規格で実現した。
USB 3.0は、技術的にはPCI Express Rev. 2.0やシリアルATAに近く、物理層制御用チップ(PHY)の設計はPCI Express用のものが流用できるようになっている。このため、規格策定からサンプル出荷までがごく短期間で可能となったほか、全体的なコストも抑えられることになった。
プロトコルも、USB 2.0のものとは大きく変更された。
USB 2.0のプロトコルは基本的にブロードキャストされるため、本来の宛先で無いデバイスもそれを受信する。その処理には一定の電力が必要なので、省エネ面で問題となっていた。
USB 3.0では、通信はユニキャストとなり、無駄な応答を減らしている。またUSB 2.0まででは常時実行されていたポーリングも、USB 3.0では、デバイスがそれを求めなければ停止することも可能となった。
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