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宇宙航空研究開発機構(JAXA)により開発されたH-ⅡBロケットの3号機で、本番 第2号機。
H-ⅡBロケットの第3号機であり、日本の大型液体燃料ロケット第55号機である。
「H-ⅡB・F3」とも呼ばれる。
2012(平成24)年7月21日に種子島宇宙センター大型ロケット発射場の吉信第2射点より発射方位角108.5°で打ち上げられ、成功した。
ロケット打ち上げ時の天候は雨、西北西の風2.3m/s(2m/cBeat)、気温27.1℃であった。
第2段制御落下実験は前回同様に実施され、成功した。
衛星を分離し打ち上げに成功した後、前回のH-ⅡB・F2打ち上げ時と同様、第2段機体の制御落下実験を実施する。
「こうのとり」分離後、地球を一周回してほぼ同じ場所に戻ってから、第2回燃焼を実施して大気圏内に再突入させ、南太平洋に制御落下させる。この実験は、スペースデブリ(宇宙ゴミ)削減のための技術開発であり、安全に地球大気圏内に突入させ処理することを目的としている。
前回の結果は良好であったことから、今回は、再現性も含むデータ取得のための実験として実施される。
H-ⅡAロケットで開発されH-ⅡBロケットでも使用しているアビオニクス機器の内部で使用している部品が枯渇したことから再開発が実施され、「H-ⅡB・F3」から適用された。
以下、機器名称はJAXAの広報による。
アビオニクス機器の再開発に伴うリスク低減のため、原則としてシステム設計を変更しないことを前提に開発を進め、更に各種システム試験を実施してアビオニクスシステムとして問題無いことを確認するものとされた。
新しい誘導制御計算機(GCC)はNECの開発である。
従来のH-ⅡAとH-ⅡBで採用されていた旧GCCは、NEC製32ビットMPUであるV70の宇宙仕様品が採用されており、ここでリアルタイムOSのRX616が稼働していた。V70は、演算速度が2DMIPSで、パーソナルコンピューターではi386と同世代のMPUだった。更に以前の、H-ⅠやH-ⅡのIGCと比して約6倍以上の性能があった。
今回開発された新GCCは、JAXAが開発した64ビットMPUのHR5000(HIREC製)が採用された。80MHzで稼働させて演算速度は29DMIPSであり、ここでJAXAが開発したμITRON 4.0準拠のリアルタイムOSであるTOPPERS/HRPが動作している。
ハードウェア的にも小型軽量化のほか、コンパクトPCIの3U規格を採用するなど汎用規格の導入がなされている。
今回採用され成功した新GCCは、今後のH-ⅡAとH-ⅡBだけでなく、開発中のイプシロンロケットほか、他のロケットにも採用されることが想定されている。
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