H-ⅡBロケット2号機

読み:エイチトゥービー・ロケット・にごうき
外語:H-IIB F2: H-IIB Launch Vehicle No.2 英語
品詞:固有名詞

宇宙航空研究開発機構(JAXA)により開発されたH-ⅡBロケットの2号機で、本番 第1号機。

目次

H-ⅡBロケットの第2号機であり、日本の大型液体燃料ロケット第51号機である。

2010(平成22)年1月22日14:37:57(@276)に種子島宇宙センター大型ロケット発射場の第二射点より発射され、成功した。

ロケットの仕様

ペイロード(積載物)

気象

ロケット打ち上げ時の天候は晴れ、北西の風8.3m/s(7m/cBeat)、気温は10.6℃だった。

計画

2010(平成22)年11月10日に具体的な計画が発表された。

2011(平成23)年1月20日15:29(@311)頃に宇宙ステーション補給機2号機(HTV2)を打ち上げる予定とし、打ち上げ予備期間は2011(平成23)年1月21日〜2011(平成23)年2月28日とされた。なお、予備期間に打ち上げとなった場合、打ち上げ日時については国際宇宙ステーションの運用に係る国際調整により都度決定される。

2011(平成23)年1月18日に、打ち上げ日時が2011(平成23)年1月20日15:29:19(@312)に決定した旨が発表された。しかし翌日、予定の打ち上げ日時において、打ち上げ制約条件を超える氷結層を含む雲の発生が予測されたため、1月22日への延期が発表された。

沿革

ロケットは第1段、第2段を分離した状態で運ばれ、2010(平成22)年11月10日午後に種子島島間港に到着、11月11日早朝にかけて種子島宇宙センターまで陸送された。これが、種子島宇宙センター大型ロケット組立棟(VAB)で結合された。

  • 2010(平成22)年11月10日午後: 種子島島間港に到着、種子島宇宙センターまで陸送
  • 2010(平成22)年1月22日14:37:57(@276): リフトオフ
  • X+1分52秒: SRB-A 燃焼終了
  • X+2分8秒: SRB-A 第1ペア分離
  • X+2分11秒: SRB-A 第2ペア分離
  • X+3分45秒: 衛星フェアリング 分離
  • X+5分51秒: 第1段主エンジン 燃焼停止(MECO)
  • X+5分59秒: 第1段・第2段 分離
  • X+6分6秒: 第2段エンジン 燃焼開始(SEIG1)
  • X+14分24秒: 第2段エンジン 燃焼停止(SECO1)
  • X+15分14秒: HTV2 分離、打ち上げ成功
  • X+1時間39分9秒: 第2段エンジン 第2回燃焼開始(SEIG2i)
  • X+1時間40分10秒: 第2段エンジン 第2回燃焼停止(SECO2)

制御落下実験

こうのとり2号機分離後、第2段エンジンLE-5B-2の二回目の燃焼を実施して制御落下実験が行なわれ、南太平洋の計画通りの海域に落下させることに成功した。

これにより、スペースデブリの削減に貢献できる。

またこの技術は、狙い通りに地上に落とせる事を証明するものでもある。ミサイルとしての運用が可能であることを証明するに等しいもので、軍事的にも意義深い実験である。

SRB-A

打ち上げは成功したが、SRB-Aの第1ペア分離時に左右のストラットの分離タイミングに差が見られた。90°側に対して270°側は分離が約0.45秒(0.5cBeat)遅く、このためロケット機体にロール/ヨーの回転運動を生じさせるという問題が見られた。

この外乱の影響は小さかったためミッションには影響はなかったが、原因究明の結果、H-ⅡBロケット特有の問題で、導爆線(CDF)の艤装仕様で2本の長さが異なるため、ストラットを分離するV型成型爆破線(FLSC-Ⅱ)が片側に先に伝爆され、これにより分離部分でこじりを生じてもう片方のストラットが抜けにくくなったと判明した。

分離機構自体はH-ⅡAロケットも同様だが、H-ⅡAではCDFの長さが同じため、類似事象は生じない。但し安全のために次のH-ⅡAロケット打ち上げまでに対策が講じられた。

結果、分離部分でこじりを生じないようにFLSC-Ⅱのホルダー部分を改良し、H-ⅡAロケット19号機から設計変更されたFLSC-Ⅱホルダーが採用された。

従って、H-ⅡBロケット3号機からは、同様の問題は生じないと見込まれる。

打ち上げ後、落下したフェアリングは回収され、その一部が有限会社マルダイより、「H-ⅡB2号機(HTV2号機搭載)フェアリング 数量限定・完全保存版 プレミアムイラストレーションボード」として市販されることとなった。

これは、たて60cm×よこ45cm×厚さ4cmに裁断されたフェアリングに、しきしまふげん作画の女の子の絵を描き、ステンレスケースに収めたものである。ケースが10kgあり、総重量は約11kgとされている。

しきしまふげん作の解説シートと宇宙航空研究開発機構発行の証明書が添付され、18個限定販売、価格は147,000円(税込・送料別途)である。

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