ア | イ | ウ | エ | オ |
カ | キ | ク | ケ | コ |
サ | シ | ス | セ | ソ |
タ | チ | ツ | テ | ト |
ナ | ニ | ヌ | ネ | ノ |
ハ | ヒ | フ | ヘ | ホ |
マ | ミ | ム | メ | モ |
ヤ | ユ | ヨ | ||
ラ | リ | ル | レ | ロ |
ワ | ヰ | ヴ | ヱ | ヲ |
ン |
A | B | C | D | E |
F | G | H | I | J |
K | L | M | N | O |
P | Q | R | S | T |
U | V | W | X | Y |
Z | 数字 | 記号 |
一度中性になった宇宙が、再び電離した現象のこと。
水素は、現在の宇宙でも通常物質の大半を占めている。
しかし現在、銀河間空間の水素は原子核と電子に電離されており、HⅡ領域を作っていることがクエーサーなどの観測から明らかとなっている。
これはつまり、一度中性化したはずの宇宙はどこかの時点で再び電離したことを意味しており、これを「宇宙の再電離」と呼んでいる。その原因は定かではなく今も大きな謎の一つとなっているが、最初に生まれた天体からの紫外線放射によって水素は再び電子と原子核に電離され、今に至るとする説がある。
また再電離は、宇宙全体で一様に生じたのではなく、場所によって時期が異なると考えられている。このため、遠くのクエーサーを数多く観測し様々な方向で再電離の時期を決定する必要がある。この時期を解き明かすことは宇宙の歴史の理解に繋がるため、非常に重要となっている。
クエーサーの観測により、宇宙誕生後10億年以降は既に宇宙は電離していたことが分かっている。この頃から過去に至っては、電離度が急激に下がっていることが知られており、ちょうどこの頃に宇宙の再電離が進行していたと考えられている。
しかし宇宙誕生後10億年以前となると、クエーサーを用いた観測ができないため、正確な測定ができないという課題があった。
測定には、ライマンα線と呼ばれる、波長121.6nmの光の吸収を用いた。この波長は紫外線であるが、距離が約128億光年あるため波長は約7.3倍に伸びて観測され(赤方偏移)、地球では約890.0nmと、赤外線に近い波長で観測される。
γ線バーストの光自体は広い波長域を持っているが、途中の宇宙空間で吸収を受けるため、スペクトル線には吸収線が現われる。物質により吸収される波長は決まっているが、その場所(γ線バーストの近くか、地球の近くか)により、赤方偏移の影響によって異なる波長で観測される。これを調査することになる。
例えば、地球の近くに中性の水素原子があり、そこで吸収を受けると、赤方偏移の影響は少ないため波長121.6nmで観測される。一方、γ線バーストの近くに中性の水素原子があれば、その吸収の痕跡は赤方偏移を受け、地球では波長890.0nm付近で観測されるわけである。
コメントなどを投稿するフォームは、日本語対応時のみ表示されます