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活動銀河の一種で、遠方にありながら非常に明るく輝いており、点光源にしか観測することができず恒星のように見える天体。
発見当時は正体は不明だったが、恒星のように見えるため、準恒星を意味するquasi stellarを略してQuasar、日本語では準星と呼ばれるようになった。
しかし実際は、セイファート銀河など同様に活動銀河核(AGN)を持つ活動銀河であることが分かっており、このため現在ではあまり準星とは呼ばず、クエーサーと呼ばれることが多い。
一説によると、中央に超大質量ブラックホールがあり、ブラックホール周辺に作られる降着円盤のガスや塵が、ブラックホールの両極方向に光速に近い速度でジェットとして噴き出すとする説がある。
1950年代から始まった天体の電波観測によって発見された。
「クェーサー」とも書くが、理科年表などでは「クエーサー」の表記を採用している。
クエーサーは、複数の銀河が衝突・合体を繰り返して作られた大質量の巨大銀河であると考えられてきた。
しかし2004(平成16)年になって、地球から100億光年の距離にある銀河系程度の大きさの銀河にもクエーサーが存在することが明らかとなり、再考が必要となった。クエーサーの誕生起源については、天文学上の謎の一つとなっている。
クエーサーで分かっていることは、ヘリウムより重い元素を含むことである。従って、クエーサーが誕生した頃には銀河には種族Ⅰ(第三世代の恒星)が既にあり、ビッグバンからクエーサーができる前の間に、銀河は種族Ⅲ(第一世代の恒星)そして種族Ⅱ(第二世代の恒星)を大規模に生成し、そしてそれらは超新星爆発を起こして消えていったことを示唆している。
理論上、宇宙誕生から1億年後、遅くとも10億年後には種族Ⅲ(第一世代の恒星)が誕生し放射を始めていると考えられ、この頃には宇宙の再電離が起きていたことを示唆する。
クエーサーは電波帯域の明るさの違いによって、次の二つに分けられる。
クエーサーのスペクトルは非常に赤方偏移している。赤方偏移しているということは、即ちこの天体は非常に遠方に存在し、地球から高速に遠ざかっていることを示している。
2011(平成23)年現在、発見されたクエーサーの中で最も遠いものは、赤方偏移量z=7.085の「ULAS J1120+0641」だった。z=7.085は、計算上、光の移動距離は129.65億年年、実際の距離(共動距離)は289.96億光年となるが、観測により更に遠方のものも発見されている。
これほど遠方にあっても、クエーサーは一般の銀河と比較して100倍も明るいため、一般の銀河より10倍遠くにあっても観測することができる。
天体が遠方にあるということは、天文学的には単に距離が遠いだけではなく、「宇宙の過去の姿」を観ているということでもある。つまりクエーサーの大半は遠い昔に作られたもの、ということになる。
これを著している2020(令和2)年時点で観測された最も遠いクエーサーは、うしかい座にあるULAS J1342+0928である。
赤方偏移量z=7.54とされており、計算上、光の移動距離は130.26億年年、実際の距離(共動距離)は295億光年となる。このクエーサーの中心部には宇宙誕生から6億9000万年頃から存在するとされる太陽質量の8億倍とされる超大質量ブラックホールがあり、これによりエネルギーが生み出されている。
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