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銀河中心「いて座A」に存在する電波源。Sgr A*とも書く。いて座A*の*は上付き文字として書くのが正式である。
周辺の塵により地球からは可視光線で観測することができず、電波観測もプラズマで拡散されるため困難で、観測が難しい天体である。
これを著している時点でなお、M87の銀河核にある超大質量ブラックホールのように撮像されたことはないが、周辺を周回している複数の恒星の動きを観測することで、複数の恒星を重力的に束縛し、その質量は太陽質量の約400万倍もある「何か」がそこにあることが確認されている。
大きさについては、2004(平成16)年になりVLBAによる観測に成功した。いて座A*の大きさは地球軌道とほぼ同じで、ブラックホールの事象の地平面の直径は約2000万km、これは水星の軌道距離の半分にも満たないものであることが明らかとなった。
多くの天文学者は銀河中心に超大質量ブラックホールがあると考えており、その候補として電波源である、いて座A*が有力視されている。このブラックホールの質量は、上述の通り太陽の約400万倍とされている。
ここから、いて座Aウエストとは、ブラックホールいて座A*の周囲にある降着円盤だと考えられている。
ブラックホールいて座A*からは高エネルギー粒子の宇宙ジェットが噴出していると予想されている。
いて座A*もかつては活発な時期があったと予想されるが現在は落ち着いているものの、宇宙ジェット自体は存在しており、2013(平成25)年にはX線で輝くガスの直線状構造などが発見されたと報告されている。
2010(平成22)年、ブラックホールいて座A*のスピンの値を求めることに成功した。それによると、自転速度に換算して光速の22%だったという。
ブラックホールは質量M、角運動量J、電荷Q、という三つの属性を持っていて、スピンの値については超大質量ブラックホールは大きいと予想されていた。しかし結果は、恒星ブラックホールで測られていたものと大差なかった。この理由については仮説として、回転軸の方向へ噴出する宇宙ジェットのエネルギー源として消費されているため、とされている。
2019(令和元)年12月12日、カリフォルニア大学ロサンゼルス校のSmadar Naoz氏がThe Conversationにおいて、銀河系中心にはもう一つ巨大ブラックホールが存在する可能性があると指摘した。
銀河系も、これまで他の銀河と合体した過去があることは分かっている。その銀河の銀河核にあったブラックホールは銀河系中心のブラックホールへと接近し、やがて衝突・合体するものと考えられることから、そういったブラックホールが銀河系内に存在すること自体は否定されるものではない。但し現時点では、これまでのいて座A*周辺恒星の軌道観測結果はいて座A*から200光年以上離れた場所に太陽質量の10万倍以上の巨大ブラックホールが存在する可能性を否定している。
なお、この結果はいて座A*が実は衝突寸前の二つ(以上)のブラックホール連星である、という可能性は否定していない。ブラックホール連星かどうかを知るには重力波を観測するという方法があるが、現在これを著している時点で稼働中の重力波望遠鏡では検出できない。欧州宇宙機関(ESA)が2034(令和16)年に打ち上げ予定の宇宙重力波望遠鏡LISAでは、観測できる可能性がある。
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