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初代ファミリーコンピュータやツインファミコンで使われた、ディスク媒体用の駆動機構の商品名。
8ビットCPUだったファミコンでは、そのハードウェアによる仕様からプログラムROMは32Kiバイト(256Kiビット)に制限されていた。
しかし大規模・複雑なゲームが作られるようになるとこの容量ではとても足りないため、その解決方法が色々考え出された。そのうちの一つがディスクシステムである。
製品価格をメーカー希望小売価格15,000円と比較的安価に抑えるため全体的に簡易な設計になっており、ディスク自体も当時まだ高価だったフロッピーディスクではなくクイックディスクが採用された。ディスクは片面で56Kiバイト、両面で112Kiバイト(896Kiビット)容量を持っている。ここに、ゲームプログラムのほかに、プレイデータを保管しておくことができる。
ファミコン本体を上に置けるような箱形形状のディスクドライブであるディスクシステム本体(HVC-022)と、その裏にケーブルを差し込みファミコン本体のカートリッジスロットに差し込むRAMアダプタ(HVC-023)に別れている。
RAMアダプタは、従来ROMだったものがRAMになっているもので、ディスクから読み取って書き換え、そこに処理を移すことで大規模なゲームを可能とするものである。
RAMアダプタのRAMは、ファミコン本体(のCPU)からはROMと同様に配置されており、ROMと同様に見える。CPUから見える場所にプログラムさえあれば、それがROMだろうがRAMだろうがCPUは問題なく実行できるので、任天堂はこれをRAMとしてディスクから随時読み取りながらこれを書き換える方法を採用したわけである。
プログラムRAMは従来のプログラムROMと同じ32Kiバイトしかない。これは幾ら増やしたところでCPUから見える範囲は決まっているためでである。
しかしROMとRAMでは使い勝手が大きく異なる。ファミコン本体のワークRAMは僅か2Kiバイトしかないため、何をするにも容量が足りない。プログラムの設計として、32Kiバイトのうち幾つかをワークRAMに空けておけば、ここをワークRAMとして使うことが可能となったのである。
クイックディスクはフロッピーディスクとは異なり、記録領域は渦巻き状の1本の帯となっている。
アクセスするためには先頭から連続的に行なわれ、その1回のアクセスには5〜10秒程度を要する。1回のアクセスで複数のファイルをロードすることは可能だが、連続アクセスしかできないため、後ろの方にあるファイルをロードしてから前の方にあるファイルをロードすることはできず、アクセスを2回に分ける必要がある。こういった設計もロードを高速にするためには必要となるため、開発者にとっては扱いが難しいものだった。
なおゲームデータの保存などデータの書き込みは、正常に書き込めたかどうか確認するために、書き込みの後にベリファイが実行されるため、最低でも2回のアクセスがある。
以上から、RAMアダプタのRAMにロードできる容量のみでゲームを完成させられるならディスクアクセス1回で済むが、それ以上の容量を扱うためにはプログラムやキャラクターのデータを分ける必要が生じる。そしてゲーム自体の設計として、このディスクアクセスをどのタイミングで実施するのかを考えておく必要もある。
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