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かつて使われていた、リムーバブル磁気ディスクの一つ。
1980(昭和55)年当時、フロッピーディスクドライブはまだ高価であり、カセットテープが主要記録媒体として使われていた。
しかしカセットテープは1200bpsや2400bpsと遅く、64Kバイト読むのにも10分〜20分を要した。つまり、ゲームを1回始めるのに10分以上は普通だったわけである。
そこに登場したのがクイックディスクだった。64Kバイトを僅か8秒(9cBeat)で読み込めることが売りで、カセットテープとは桁違いに速く、フロッピーディスクとは桁違いに安かった。極めて画期的な製品だった。
ディスクシステム現役当時、ゲーム専用機のソフトウェアはROMカートリッジによる提供が主流だったが、その容量は256Kiビット(32Kiバイト)程度であった。また、ROMではゲームデータの保存もできない。バッテリーバックアップも当時は一般的ではなかった。
そこで、安価でかつ保存ができROMより容量が多い、というクイックディスクが選ばれ使われるようになったのである。但し標準の媒体をそのまま採用はせず、少し形状を変更して採用した。ゲームのコピーを防止するためである。
クイックディスクは、フロッピーディスクより安いことが最大のメリットであった。
しかしライバルであったフロッピーディスクは何時までも高価ではなく、徐々に価格は下がってきた。かくして、クイックディスクは価格競争で負け、世を去ることになるのである。
しかしこれには異説もある。もっと違う何かによって、現役を去ることになったとする説である。
クイックディスクは普及しなかった。それは、ディスクの流通を止められたからである、とする説である。
当時安価だったクイックディスクは音楽用シーケンサーなどにも採用され、普及の兆しを見せていた。そしてファミリーコンピュータ ディスクシステムでもクイックディスクが採用された。
しかし、クイックディスクを使用してファミコンソフトのコピーを作る方法が広がり、その結果、任天堂の圧力でクイックディスクは市場から姿を消したのである。
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