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液晶ディスプレイなどのフラットパネルディスプレイ(FPD)用接続インターフェイス規格の一つ。VESAにより策定され、従来のDVIの後継が標榜されている。
VGAの後継としてDVIが登場していた。しかし、DVIは思ったほど普及しなかった。
グラフィックカードや液晶ディスプレイにDVIが付かない製品は無いほどではあったが、端子が大きい、性能は不十分など、DVIに魅力に乏しかったことがDVIの普及を妨げる結果となっていた。
テレビ業界から、端子が小型となるHDMIが登場したことで、パーソナルコンピューターでもHDMIが利用されるようにはなってきた。日本の家電業界はHDMIの普及に躍起になっており、現在市販されているテレビ受像機には全てHDMIが付くようになった。
今でこそHDMIは普及したが、当時は普及が遅く、ここでコンピューター業界は、パーソナルコンピューター用に小型、安価、そして通信速度向上に対応する余地を持った新たな技術を開発し、DisplayPortとして世に送り出した。
端子は20ピン。
標準サイズと、小型のMini DisplayPortがある。
業界団体のVESAが標準を定めた。そして、実装はロイヤルティフリーである。
DisplayPortには、殆ど全ての、大手GPU、CPU、ディスプレイ、PCメーカーが対応を表明している。
日本では2007(平成19)年12月に、DELLからDisplayPort対応の30型ディスプレイが発売された。
WQXGA(2560×1600)の映像を15m先まで送ることができるなど、HDMIより優れている。
とはいえ、現行規格のD-sub15/DVI/HDMIなどで満足している人にとっては、DisplayPortは特段、必要とはならない技術である。超高解像度が必要となる分野は、現時点ではまだ限られている。
元々、対抗のHDMIはロイヤルティが、年会費1万5000ドル、製品あたり15セントとかなり高かった。このような無駄は、終わりにしたいと多くの企業が考えていた。DisplayPortが登場した後は、対抗のために年会費は1万ドル、製品あたり5セント(HDCP実装品は4セント)にまでディスカウントされ、価格面では大きな差はなくなってはいる。また、米国で市販されるディジタルTVにはHDMIの搭載が義務づけられているという優位性もある。
それでも将来的には、少なくともPC用のインターフェイスはDisplayPortでほぼ統一されると見込まれている。いずれは、全てのPC、ディスクリートGPU、そして液晶ディスプレイに、DisplayPortは搭載されていく。
この理由は、性能的な優位性もさることながら、PC業界が既にDisplayPortの採用で固まっているためである。
PC業界では特にAppleが熱心に採用しており、対応する液晶ディスプレイも増えている。
2011(平成23)年現在、特に安価な液晶ディスプレイ製品(1万円台など)では、HDCP対応DVI-DとアナログRGB(VGA)しか搭載していないものが多いが、5万円を超えるような製品になると、これにDisplayPortとHDMIが追加された製品が多くなる。
DELLの液晶ディスプレイのように、24型WUXGA対応品のようなミドルレンジ製品ですらHDMIなど端から相手にせず、VGA/DVI-D/DisplayPortのみを備えた製品もある。実際、これで困ることは殆どない。
さらにAppleは、USB 3.0とDisplayPortを一緒にしたいと考えており、そのための特許も取得している。将来的に、IntelのThunderboltや関連する技術にて、これが実現されていくことになるだろう。
物理層つまりコネクターは必要に応じて現在と変わって行く可能性はあるが、PC業界において今後、HDMIは衰退するのみである。
映像のRGBデータと音声データを全てパケット化して伝送するが、DisplayPortには、次の三つの伝送チャンネルが存在する。
伝送は方向性があり、特にメインリンクは送り側(ソースデバイス、通常はGPU)から、受け側(シンクデバイス、通常はディスプレイ)への単向通信方式である。
メインリンクは最大4レーンあり、全リンクはアイソクロナス転送が可能である。
PCI Expressと同様の、外部クロック信号を用いないシリアルバスインターフェイスである。USB 3.0も同様の技術で高速化しており、PC業界における標準的な技術であるといえる。
データリンクは、基本となるDisplayPort 1.1の時点で、物理層の速度で1.62Gbpsと2.7Gbpsが存在する。ただし8b/10bで符号化されるため実効速度は80%となる。
最小構成は1レーン×1.62Gbps、最大構成は4レーン×2.7Gbpsで計10.8Gbpsということになるが、実際にどのように接続されるかはソース機器とシンク機器の能力や、使用するケーブルの特性などにより左右される。
DisplayPort 1.2で元の倍速の物理層5.4Gbps/レーンに、DisplayPort 1.3で元の3倍の物理層8.1Gbps/レーンに高速化された。初のメジャーバージョンアップとなるDisplayPort 2.0では物理層20Gbps/レーンになり、伝送方式も従来の8b/10bから128b/132b(USB 3.1などで採用)に変更し効率化した。
伝送速度内で、解像度や色数、フレームレートなどの組み合わせを選ぶことができる。
基本となるDisplayPort 1.1の時点で、速度が間に合う範囲で柔軟に選択可能だが、WUXGA(1,920×1,200ドット/24ビット/60Hz)なら2.7Gbpsの2レーンで対応できるとする説がある。4レーンでは、2,560×1,600ドット/30ビットにも対応可能できる。
高速化した後継バージョンで、高解像化が進むPC用ディスプレイにも充分な余裕を持って対応をしている。
テレビは相変わらずHDMIのままなので、DisplayPort→HDMI変換アダプターなども市販されている。
PC本体やグラフィックカードからテレビに接続することを補助し、また別途任意の長さのHDMIケーブルを使う前提となっているため、DisplayPortオスとHDMIメスになっているのが一般的であり、HDMIメス側に通常のHDMIケーブルを繋げ、テレビと接続する。
またDisplayPortをHDMI×2に分岐するアダプターなるキワモノも市販されている。例えばZOTACの「ZT-DP2HD」と「ZT-MDP2HD」は、3,840×1,080ドットのDisplayPortディスプレイとしてPCから認識され、それを1,920×1,080ドット(フルHD)×横2画面としてHDMIを2系統出力できる仕様の製品である。
外形はほぼ四角だが一箇所に切り欠きがある。コネクター(本体)側で切り欠きを左下にしたときに右上が1ピン、プラグ(ケーブル)側で切り欠きを右下にしたときに左上が1ピン、である。
上が1ピン、3ピン、5ピン…、となり、下は1ピンの斜め下が2ピン、以降4ピン、6ピン…、となる。
DisplayPortには標準サイズとミニサイズの2種類があり、ピン配置が一部異なっている。また一般的な標準サイズの場合でも、ソース機器側とシンク機器側でもピン配置が異なっている。
ソース機器側 | シンク機器 | ||||
---|---|---|---|---|---|
ピン | 名称 | 機能 | ピン | 名称 | 機能 |
1 | Lane0+ | メインリンク レーン0+ | 1 | Lane3− | メインリンク レーン3− |
2 | GND | GND | 2 | GND | GND |
3 | Lane0− | メインリンク レーン0− | 3 | Lane3+ | メインリンク レーン3+ |
4 | Lane1+ | メインリンク レーン1+ | 4 | Lane2− | メインリンク レーン2− |
5 | GND | GND | 5 | GND | GND |
6 | Lane1− | メインリンク レーン1− | 6 | Lane2+ | メインリンク レーン2+ |
7 | Lane2+ | メインリンク レーン2+ | 7 | Lane1− | メインリンク レーン1− |
8 | GND | GND | 8 | GND | GND |
9 | Lane2− | メインリンク レーン2− | 9 | Lane1+ | メインリンク レーン1+ |
10 | Lane3+ | メインリンク レーン3+ | 10 | Lane0− | メインリンク レーン0− |
11 | GND | GND | 11 | GND | GND |
12 | Lane3− | メインリンク レーン3− | 12 | Lane0+ | メインリンク レーン0+ |
13 | Config1 | 13 | Config1 | ||
14 | Config2 | 14 | Config2 | ||
15 | AUX+ | 補助チャンネル+ | 15 | AUX+ | 補助チャンネル+ |
16 | GND | GND | 16 | GND | GND |
17 | AUX− | 補助チャンネル− | 17 | AUX− | 補助チャンネル− |
18 | HPD | ホットプラグ ディテクト | 18 | HPD | ホットプラグ ディテクト |
19 | GND | GND | 19 | GND | GND |
20 | POW | +3.3V電源 | 20 | POW | +3.3V電源 |
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