TRON

読み:トロン
外語:TRON: The Real-time Operating System Nucleus 英語
品詞:固有名詞

国産のリアルタイムオペレーティングシステムでありマルチタスクオペレーティングシステム

目次

東京大学の坂村健が提唱し、TRONプロジェクトにより開発が進められた、国産初の標準オペレーティングシステム(OS)である。

TRONプロジェクトは社団法人トロン協会によって運営され、国内の主要電機メーカー、ソフトウェアメーカーの大半が参加していた。

策定された仕様は無償で公開され、誰でも自由に無償で実装し、頒布したり商品化したりすることができる。

サブプロジェクト

初期にはOSの種類で幾つかのサブプロジェクトがあった。後にはそれに留まらず、用途に応じた様々なサブプロジェクトが起こった。

次のようなものがある(順不同)。

  • MTRON(Macro TRON) ‐ 分散コンピューティング
  • ITRON(Industrial TRON) ‐ 組み込みシステム用OS
    • μITRON ‐ μITRONのサブセットで、現在の主流
  • BTRON(Business TRON) ‐ パーソナルコンピューター向け。超漢字など
  • CTRON(Communication and Central TRON) ‐ 通信制御、情報処理用のOS
  • JTRON(Java TRON) ‐ μITRONにJava VMを融合
  • eTRON(Entity and Economy TRON) ‐ 非接触ICカード等に使う基盤規格
  • T-Engine ‐ T-Kernel、ミドルウェア等の規格。後にTRONプロジェクトを継承した
  • TRONCHIP ‐ 共通CPUアーキテクチャ

𣂑論

TRONは、漢字で「𣂑論」と当て字され、𣂑の字をシンボルとしている。

𣂑は、斗の異体字である。中にある十が、TRONのtの字を表わすものとしている。

当時はまだUnicodeのサロゲートペアが無い、または充分に機能していない頃で、この文字を符号化できる文字コードはTRONコードくらいしかなかった。坂村健は、これを理由にTRONコードの優位性を訴え、Unicodeを批判していた。

しかしUnicodeも、サロゲートペアの拡張で面を増やし、Unicode 3.1からこの字も収録されるようになった。

この字は康熙字典が典拠で、大漢和辞典にも収録されており、GT書体にもあるため、TRONコードにおいては、GT書体の面(2-D77C)と大漢和の面(8-B27D)の二ヶ所に存在する。

社団法人トロン協会

社団法人トロン協会は、2009(平成21)年12月25日に開催した臨時総会において解散を決議し、2010(平成22)年1月15日付で解散した。

トロン協会の活動は、そのままT-Engineフォーラムに引き継がれるとされている。

但し、T-Engine=ITRON+αであるので、これで名実共にBTRONやCTRONなどは終息を迎えたと見ることも出来る。

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