Firefox OS

読み:ファイアーフォックス・オウエス
読み:ファイヤーフォックス・オウエス
外語:Firefox OS 英語
品詞:商品名

Mozilla Foundationが開発していたスマートフォン向けオペレーティングシステム

目次

  • 開発元: Mozilla Corporation
  • 系統: Linux
  • 初出: Firefox OS 1.0 (2013(平成25)年2月21日)
  • 最終: Firefox OS 2.6
  • プラットフォーム: ARMx86
  • カーネル種別: Linux
  • ライセンス: MPL

初の一般消費者向けリリースは、スペインの大手通信事業者Telefonicaから販売された端末「ZTE Open」で、価格は69ユーロ(約9,000円)だった。ZTE OpenはSnapdragon S1 MSM7225A(1GHzシングルコア)のエントリーモデルである。

その後も幾つかのFirefox OS搭載デバイスは登場したが、全て低価格のエントリーモデルである。

日本国内向けとして初のリリースは、LG Electronicsのau向け端末「Fx0 LGL25」で、一括価格4万9680円(24ヶ月の毎月割の場合、実質負担額2万9160円)だった。Fx0はSnapdragon 400 MSM8926(1.2GHz クアッドコア)で、ミドルレンジのモデルである。何を勘違いしたのかいきなりの高級路線で、失敗するのか大失敗するのかは市場に委ねられたが、結論は予想通り大失敗だった。

沿革

日付はおのおの現地時間。

  • 2013(平成25)年7月2日: ZTE製「ZTE Open」、スペインTelefonicaから発売 (価格は2年契約時で69ユーロ)
  • 2013(平成25)年7月12日: TCL製「ALCATEL ONE TOUCH Fire」、ポーランドでドイツテレコムから発売
  • 2013(平成25)年8月1日: ZTE OpenとALCATEL ONE TOUCH Fire、がコロンビアとベネズエラでMovistarから発売
  • 2014(平成26)年6月12日: Firefox OS向けWebアプリ「Open Web Apps」がFirefox 29 for Android以降で動作可能となった
  • 2014(平成26)年12月25日: 日本でauがLGエレクトロニクス製Firefox OS 2.0スマホ「Fx0 LGL25」を発売
  • 2015(平成27)年5月22日: 日本でパナソニックがFirefox OS搭載スマートテレビ「CX800N」「CX800」「CX700」を発売 (欧州では既に発売済み)

バージョン

各バージョンのリリース日と、採用したGeckoを併記する。

誰も使っていないことから、コード完成してもリリース製品が存在しないことが多い。このため、リリースかコード完成かも併記しておく。

  • Firefox OS 1.0 ‐ 2013(平成25)年2月21日リリース (Gecko 18)
  • Firefox OS 1.0.1 ‐ 2013(平成25)年9月6日リリース (Gecko 18)
  • Firefox OS 1.1 ‐ 2013(平成25)年10月9日リリース (Gecko 18)
  • Firefox OS 1.2 ‐ 2013(平成25)年12月9日リリース (Gecko 26)
  • Firefox OS 1.3 ‐ 2014(平成26)年3月17日リリース (Gecko 28) デュアルSIM対応
  • Firefox OS 1.4 ‐ 2014(平成26)年8月8日リリース (Gecko 30)
  • Firefox OS 1.5
  • Firefox OS 2.0 ‐ 2014(平成26)年9月1日コード完成 (Gecko 32)
  • Firefox OS 2.1 ‐ 2014(平成26)年11月21日コード完成 (Gecko 34)
  • Firefox OS 2.2 ‐ 2015(平成27)年8月20日リリース (Gecko 37)
  • Firefox OS 2.5 ‐ 2016(平成28)年1月4日コード完成 (Gecko 44)
  • Firefox OS 2.6 ‐ 最終版

アプリ

アプリケーションはHTML5で作る。Mozillaは、もはやプラットフォーム固有のネイティブなAPIで開発する必要はないとしていた。

とはいえ現在、Firefox OS向けのWebアプリ「Open Web Apps」は殆ど存在しない。しかし2014(平成26)年6月12日、Firefox 29 for Android以降で動作可能となり、Firefox OS端末向けのアプリがAndroidでも利用可能となった。

これは「Android専用アプリ」の代わりに「AndroidでもFirefox OSでも動くアプリ」の開発を促す作戦だったが、結論としては、殆ど誰もそのようなアプリは作らなかった。

戦略

AndroidiOSへの直接的な対抗は最初から諦めており、激安戦略で新興国でのシェア拡大を目指していた。

2014(平成26)年には、Firefox OSを搭載した25ドルのスマートフォンのリファレンスデザインが発表された。このスマートフォンで使われるチップは、支那のチップメーカーSpreadtrum Communications(展讯通信)が開発し、安価でもFirefox OSがある程度動作するよう効率化を図ったものだった。

Appleの反応

スマートフォン向けOS「第3の勢力」の中では最も有力とされていた。

これに対しAppleは、Firefox OSが成功すれば、GoogleAndroidの足を引っ張り、iOSデバイスに対する援護射撃となる可能性が高いとして歓迎していたらしい。iOSデバイス以外の需要は互いを食い合う関係であり、iOSデバイスの需要を侵食するものではないと考えていたようである。

最終的には、Firefox OSは実ること無く、2016(平成28)年2月、Firefox OS 2.6を最後に開発を終了する旨が発表された。

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