旨味のあるものを煮出して作った、旨味のある汁。「出し」「出し汁」。また、その素材のこともいう。「―を入れる」「―を取る」。
料理の味付けに用いられる。
出汁を粉末や顆粒にして使いやすくした「だしの素」も様々な製品が市販されている。
食文化ごとに出汁の文化も大きく差があるが、素材の味を大切にする和食(日本料理)では、出汁は味付けの基本であり、これに必要最小限の調味料を加えて味を付ける。
和食の場合は、鰹節、昆布、煮干しなど魚介類や、椎茸などを煮だして作る。
西洋料理では牛肉、鶏肉、魚や野菜、香草などを煮込んで作るフォンやブイヨンが使われる。
中華料理では鶏肉や鶏がら出汁が基本で、他に豚肉や貝柱、海老などを使う。
インド料理や朝鮮料理には出汁に相当するものはない。
人間の味覚で、旨味を感じるものが含まれている。
旨味成分はアミノ酸と核酸だが、これだけでは単なるうま味調味料であり、風味がない。出汁の場合、この他に風味として、素材の香りや、甘味/塩味/酸味/苦味などの成分が存在し、味覚の基本味を整えている。
和食における出汁として、主に次のようなものが使われている。
その他、現在の日本の料理では、出汁とは呼ばないものの、牛骨、豚骨、鶏がらを煮出したものを「スープ」として、料理に用いている。
西洋料理では、牛肉、鶏肉、魚などに、玉ねぎなどの野菜と香草を加えて煮込んで作る。
中でも、フランス料理では、仔牛を使った「フォン・ド・ボー」などの「フォン」が有名。他に、スープを作るための出汁として「ブイヨン」があり、ブイヨンを使った代表的なスープ料理に「コンソメ」がある。
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