直収電話

読み:ちょくしゅうでんわ
品詞:名詞

電話会社の回線に直接繋げることをいい、つまりNTT地域会社(東日本、西日本)以外の事業者が行なう固定電話サービスのこと。直収型、直加入電話とも。

目次

いわゆるNTT回線ではなく、他社の電話回線で電話を使うことを主にこう呼ぶ。

NTTは、民営化されてからも施設設置負担金(電話加入権)が必要とあって敷居が高かったが、NTT以外の会社はそれを求めていないことから安価に回線を引くことが可能となっている。

また料金も概ねNTTより安価に設定されている。

サービス展開

大企業向けには、光収容などを利用したサービスが昔から存在した。

近年ではADSL普及に伴い、NTTの局舎から一般家庭および一般事業者までのドライカッパーについてもNTT以外の事業者に利用が開放された。通常の電話回線よりドライカッパーのほうが安いため、この差額を利用し、安価な固定電話サービスを提供する業者も現われた。代表例は、平成電電TTNetパワードコムなどである。

ドライカッパーをNTTから借りて営業する形態であっても、NTTより基本料通話料を安くしたり、同一事業者間での電話料金が無料になったりと、NTTにはないサービスを実現できていることが多かった。しかし自社で獲得できる利益があまりにも薄かったため大々的にサービスは行なわれず、よってNTT側も黙認していた。

一方、マイラインの成績が芳しくなかったKDDIは自社の固定電話網のIP化を着々と進め、ある程度の目処が付いたところで大々的に直加入電話に参入した(2004(平成16)年12月)。電話網のIP化により、低い基本料金収入でも採算の目処が立った、ということであるらしい。

これに対してNTTは「ドライカッパーの貸し出し価格はADSLの普及を推進するために特別に安くしたのであって、(直加入電話のような使い方は)想定外だ」とおかんむりだった。

制限

しかし、必ずしも良いことばかりではない。「NTT回線に直接繋がらない」ということは、つまりNTTの提供するサービスは原則として利用できない、ということになる。

110(警察)・119(消防・救急)・118(海難事故)は各社共に接続に尽力しているが、これらもひとりでに繋がるわけではない。このため、平成電電のCHOKKAでは、遂に最後まで全国対応できなかった。

その他、115(電報)・117(時報)・177(天気予報)・104(番号案内)、171(災害伝言ダイヤル)などは概ね対応されるが、100・106(コレクトコール)・108(自動コレクトコール)・114(相手の話中調べ)は、NTT回線以外からの利用は難しいだろう。ちなみに直収電話ではないが、NTT地域会社の提供する「ひかり電話」ですら、これら番号は未対応である。他社が対応できる可能性は低そうである。

着信課金については、01200800は各社接続に尽力している。その他の着信課金サービスへの発信は電話会社の対応次第だが、IP電話の接続も含め相当無理があることもあって、着信課金は0120と0800に集約され、それ以外は鋭意廃止の方向のようである。

NTTが提供していた従来のサービスがどうしても欠かせない場合は、NTT回線以外に選択肢は無いことになるが、そうでないなら他社の電話回線も選択の余地がある。

次のようなサービスがある、又はあった。

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