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1968(昭和43)年にソニーが開発したカラーブラウン管(CRT)の名称で、ソニーの登録商標である。
命名の語源は、その性質による三位一体(trinity)と電子管(electron tube)から。トリニトロン管の一般名称はアパチャーグリル管という。
ソニーの累計生産台数は2億8,000万台(テレビやコンピューター用モニターを含む)。2000(平成12)年に販売のピークを迎え、テレビ向け出荷では年間販売数1,100万台を超えた。そして、2007(平成19)年度の出荷見込みは全世界で約280万台である。
アパチャーグリルは、薄い鋼板を上下に強く張力をかけて枠に固定した構造になっている。このため、画面自体も一般のブラウン管のような球状ではなく、円筒状の画面になる。
後に登場したソニーの平面ブラウン管もトリニトロン管で、「FDトリニトロン」という名称になっている。
利点もあれば、欠点もあった。
トリニトロン管の製品は、他の製品より価格が高かった。さらにソニー製であったため、耐用年数が短いという弱点もあった(いわゆるソニータイマー)。それでも、当時は憧れの商品の一つであった。
また、アパチャーグリルを押えるためのダンパー線(ワイヤー線)が欠かせず、これが画面の上下に影として見えてしまうという難点もあり、これを嫌う向きも多かった。
登場して以来、一般的なシャドウマスク管と常に対抗する立場に存在していた。後にソニーの基本特許の期限が切れて以降、三菱電機がダイヤモンドトロンを製品化するなど他社からもアパチャーグリルを使った製品が多数登場するようになり、この技術は隆盛を極めることになる。
しかし時代はCRTから液晶ディスプレイへと移り変わった。解像度、色域、価格等ではトリニトロン管が勝っており決して見劣りするものではなかったが、液晶の持っていた、画面が鮮明でゆがみが無い、薄くて軽い、ダンパー線が入らない等の理由により、シェアを奪われる形となった。
かくして、CRTは全般的に店頭から姿を消すことになり、トリニトロン管もそれと共にすることとなった。
日本国内でのトリニトロン管の製造は2003(平成15)年頃に終了、海外ではシンガポール工場で生産を続けていたが、この生産も2008(平成20)年3月内に終了する旨が発表された。しかしこの時点で、ブラウン管テレビの国内販売は2006(平成18)年度で終了し、以降は中南米などの一部市場向けの販売が継続するのみとなっており、大きな混乱は無いと見られている。
報道によるとソニー曰く「2007(平成19)年度の液晶テレビ出荷見込みが約1,000万台で、CRTのピークに迫っている。薄型への完全移行の時期としてはいいタイミングではないか」とした。
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