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生物の生存に必須となる栄養素のうち、炭水化物、脂肪、蛋白質を除く有機化合物の総称。また脂肪酸やアミノ酸もビタミンから除かれる。
一日に摂取すべき量は数mgや数µgと極めて微量だが、生物の生存には必須で、しかし体内で合成できない、または必要量を賄う事ができないために、食物から摂取する必要がある。
ビタミンは機能で分けられていて、機能ごとにビタミン+英字(+数字)と名前が付き分類されている。例えば、ビタミンAは、レチノール、レチナール、レチノイン酸といった物質の総称である。
その種類は生物種によって異なる。進化の過程で物質を体内で合成できなくなった場合、それを食物として得る必要がある。たとえば、ビタミンC(アルコルビン酸)は、人間を含む類人猿(サル目の一部)や、モルモットなどではビタミンであるが、その他の殆どの生物では体内で生合成できるためビタミンではなく、必ずしも食物から得る必要がない。
ビタミンは、大きく水溶性と脂溶性に分けられる。
世界で最初に発見されたビタミンはビタミンB1で、発見者は日本人の高木兼寛である。彼は初代海軍軍医総監で、東京慈恵会医科大学の創始者でもある。明治期の流行病に脚気(かっけ)があり、特に戦場の兵士は脚気で死亡する者が戦死者より多かった。そこで高木は海軍の食事をパンや麦飯に変え、肉や魚も取り入れたところ、脚気になる兵士はいなくなったのであった。時は1880年代である。
ここで高木がビタミンを発見していれば世界初のビタミン発見者となったはずだが、残念ながら彼は脚気の癒った理由が蛋白質だと信じてしまい、名誉を逃す事になってしまった。
時は流れ1910(明治43)年、東京帝国大学農学部の教授、鈴木梅太郎が米糠に脚気防止に有効な成分(現在でいうビタミンB1)があることを見いだし、イネの学名oryzaから「オリザニン」と命名した。しかしながら当時の日本の医学会はこれを無視してしまったため、1年後に同一物質を発見したポーランド人カシミール・フンクが命名した「ビタミン」の名が一般化することになったのである。
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