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日本初のオンラインリアルタイムシステムであり、日本のコンピューターと通信の発展に関する歴史を語る上では欠かせないシステムの一つである。
MARS登場以前は指定席の予約とその管理はその列車の始発駅が行なうこととされていた。管理には台帳が使われていて以下のようなことを行なっていた。
台帳はターンテーブルに引っ掛けられていて、それがかなりのスピードで回っている。これをすばやく取ってすばやく戻すというのは職人技の典型であった。
この方法はあまりにも手作業の部分が多く、指定席の数が増えてくると対処は不可能になっていく。要は、昔は指定席が用意されている優等列車はそれほど存在しなかったということである。
そこで、間違いが発生しやすい台帳管理の部分を電子化させる目的でMARSが作られた。そしてそれは、優等列車の拡大と共に大幅に進化していくことになるのである。
MARS1の時代から一貫して日立がシステム開発を行なっている。
こだま、つばめの各特急列車の座席予約システムとしてスタートした。そのため、MARS設置駅は各特急列車の停車駅と東京の日本交通公社1店舗だけだった。ホストコンピューターは東京駅構内に設置されている。
このころはまだ原始的なもので、操作も日、列車名、座席番号を入力すると予約可能か不可かをランプで示し、また予約可能のときはそれを予約済として登録することができるというものであった。
切符の自動発券機能は無く、切符に座席番号を書き込むなどの手作業が多いという問題もあった。しかし、当時の技術力ではここまでするのが精一杯だったということである。そもそもICが発売されてからまた1年も経っていない時代であるし、MARS1はプログラム内蔵方式コンピューターですらなかった。
なお、当時の英語名はMagneticelectronic Automatic seat-Reservation System(磁気的電子的予約システム) であった。
MARS1に比べ、予約可能座席数・列車を大幅に向上させ、座席予約に必要な各種機能を増強したモデル。特に自動発券機能が追加されたことが大きい。システムの全国展開が行なえるよう機構が工夫されていた。
プログラム内蔵式コンピューターが採用されることになったのも特徴。
ホストコンピューターの設置場所は秋葉原駅に変更されている。これはいざというときに電子パーツがすぐに調達できるかららしい。
東海道新幹線の座席予約に対応。
団体旅行の予約を専門に行なうシステム。マルス1xxとは別運用(データの連携はあり)。
キーボード入力の導入で連続して予約ができるようになった。
MARS103の改良版。
MARS103に比べ、予約可能座席数・列車をさらに大幅に向上させたモデル。山陽新幹線開業に合わせて用意された。
指定席券と乗車券の同時発行に対応した。
通信回線は大容量マイクロ波の無線通信が使われていた。
団体旅行の予約を専門に行なうシステムで、マルス201の改良版。
MARS1xxとMARS2xxの機能を統合し、大幅な機能増強が行なわれた。
企画乗車券や他社連絡切符、他社イベント入場券なども扱える総合発券システムに発展している。
国鉄が関わった最後のMARSである。
MARS301の改良版。自動改札機に対応した切符が発券できるようになる。
現行のシステム。MARS501 phase1の改良版。
phase1にあった汎用機を随時UNIXサーバに置き換えたもの。phase2に移行するのにあたってはハードウェアを一気に交換するのではなく段階的に行なわれている。
L型端末が廃止された。
MARS端末には、操作方法によっていろいろな種類がある。
データ入力に手動でパタパタめくる盤を使うもの。駅の指定は活字棒(ピン)を盤に刺すことで行なう。
配置は正面にボタン、右側にモニターがある。
熟練した駅員でないと扱えない端末だった。
パソコンタイプでモニターがモノクロであるもの。
発行される切符は横長の連続紙タイプで、自動改札には非対応。
パソコンタイプでデータ入力には特殊なキーボードを使う。
キーボードのボタン1つ1つに駅名などが割り当てられており、その割り当ては画面にあわせて自動的に切り替わる。パタパタの進化形ともいえる。
MR-10型に対して操作方法がタッチパネル式画面であるもの。
MR-10型に代わって主流になっている。
お客様がタッチパネル式画面で直接情報を入力して発券するタイプ。当初は新幹線指定券自動券売機として登場した。
お客様の細かい要望には窓口でないと対応できないとされていたが、機能強化により号車指定や窓側指定、領収書発行なども行なえるようになった。
かつてはJRの指定席券の発売開始が1ヵ月前の10時からと決まっている関係上、午前9時57分から10時ちょうどまでの間、データベース更新作業のため指定席券の発券が出来なかった。データベースシステムの改善と共に休止時間はなくなった。
国鉄が分割民営化されるのに伴い、ホストコンピューターの管理は鉄道情報システム(JRシステム)が管理するようになった。
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