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関東圏の私鉄で使われていた磁気式のストアードフェアカード。
かつて、首都圏エリア用で使用されていた磁気カード乗車券で、パスネット協議会加盟各社が2000(平成12)年10月14日(鉄道の日)から順次導入した首都圏共通ストアードフェアシステムである。
元々は大手私鉄が運賃を値上げした際、運輸省(当時)サイドから要請を受けて実現したシステムであり、導入時も関東運輸局が音頭を取っていた。
JR東日本がICカードを発行する予定がある中で、ようやく実現した共通磁気カードだった。パスネット登場から僅か1年でSuicaが登場し、パスネットで便利にはなったはずだがどこか便利ではない。そんな状況が何年か続いた後の2007(平成19)年3月18日、パスネットは共通バスカードおよびJR東日本のSuicaとのシステム統合とICカード化を果たし、遂に「PASMO」としてICカード化が実現された。
PASMO登場後はあっという間に移行が完了し、結果パスネットは2008(平成20)年1月10日の終電後発売終了、2008(平成20)年3月14日の終電をもって舞浜リゾートライン以外のすべての路線で自動改札機での取り扱いが終了した。
自動券売機では以降も利用可能だったが、これも2015(平成27)年3月31日の終電で完全に利用が終了した。払い戻しは2018(平成30)年1月31日までとなる。
それまで私鉄や地下鉄各社が独自に販売していたカードを共通とし、1枚購入すれば各社に乗り継ぎできるようにしたものである。これにより、関東のJR以外の殆ど鉄道にカード1枚で乗れるようになった
名前の由来は、切符を買わずにそのまま自動改札機を通過できることを表わす「パス」と、首都圏を網目状につなぐネットワークの「ネット」の合成語で、覚えやすく誰からも親しみをもってもらえる愛称であるということで命名された。「パスネット」は小田急電鉄が商標権を持っている。
名称は公募などによった。葉書やウェブ上で正式名称を公募したところ、約33,000通、約30,000案にのぼる応募が寄せられ、「パスネット」には13通の応募があった。他の有力案としては「シュッと券」や「ぐるっと首都圏」などがあった。
なお、開発コード名は「スルッとKANTO」であったらしい。
基本的には1000円券、3000円券、5000円券の3種類があった。
1000円カードなどは複数社に乗るとすぐ使い切ってしまうため、5000円のカードが最も売れ行きがよかったとされている。
カードシステム的には他に、500円券と2000円券の設定がある。
500円券は、贈答用に製作されるフリーデザインのカードである。
2000円券というのは、南北線で先行してSFカードが使用されていた時代にNSメトロカードとして発売された2000円券の市中流通分を使用できるようにするためのものであり、パスネットとして発売される金種ではなかった。
最終的には、次の鉄道および範囲(東京・神奈川・埼玉・千葉・栃木・群馬各都県)の駅で、このカードを利用することができた。
パスネットの事業者コードの英字ABC順に並べる。事業者コードの英字がないものは--とする。
以下は在りし日の価格で記載されている。
東急田園都市線溝の口から東京メトロ大手町まで行く場合、券売機で普通に切符を買うと410円だが、パスネットで大手町まで行くと390円が引き落とされる。
これは券売機では、田園都市線渋谷経由で運賃を計算しており、東急220円+メトロ190円となっている。この経路は最も現実的であり所要時間も短い経路だが、パスネットはノーラッチ接続では最も低廉な運賃を差し引くため、溝の口〜二子玉川〜自由が丘〜中目黒〜霞ヶ関〜大手町が最安経路となり、この場合は東急200円+メトロ190円となるため、運賃は390円となるのである。
東武線北千住から大手町に行く際は、押上、半蔵門線経由で乗車券を買うと、東武(北千住〜押上)160円+メトロ(押上〜大手町)190円=350円となる。
しかし、北千住→大手町というルートでは、北千住〜日比谷線〜上野〜銀座線〜三越前〜大手町というノーラッチ接続の最安経路があるため、パスネットで乗車した場合は、この経路のメトロ運賃である190円のみがカードから引かれる。
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