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会社法における会社の一つ。また、かつての商法における会社の一つでもある。
株式会社は、株主の所有物である。社長のものでも、ましてや従業員のものなどではない。
会社の経営者は、株主の利益のために経営を任されているに過ぎない存在である。そして、従業員はその目的を実行するために雇われているだけの存在である。
現在の会社法でも、かつての商法でも、「社員」とは株主のことであって、従業員のことではない。
しかしながら、現実の株式会社が、こういった原理論的な建前と大きく乖離していることは、明らかな事実である。特に大企業ほど、それは顕著といえる。
会社の経営そのものは基本的に経営者の自由裁量に任されているのが一般的で、株主がいちいち口を挟んだりはしていない。
これは日本だけではなく世界的に見られる傾向であり、この現象を「経営と所有の分離」と呼ぶ。
日本の場合、ある特定の人ないし組織がその株式の大半を所有していることが多い。
この日本の株主構成は、株式会社というシステムの本来の目的から見ると、極めて歪んだ状態となっていると云える。日本の株式会社制度は、形骸化しているのである。
これらの企業が上場しても、市場で頻繁に取引される株式は全体からすると一部に過ぎない。このため日本の株式市場は短期的な売買差益を狙うギャンブルの場と化していて、値動きも激しくなっている。
株式会社は、かつて日本の商法では3人以上の取締役と1000万円以上の資本金が必要、とされていた会社である。
現在の会社法は、かつての有限会社を取り込んで、様々な形態を認めている。
商法の株式会社に対応するのが、この公開会社である株式会社である。
資本金の規定はないため1円以上で設立できるが、株式の一部または全部について公開する義務があり、つまり譲渡制限を掛けていないものを発行せねばならない。
取締役は3人以上を要し、このため取締役会の設置が義務付けられており(取締役会設置会社)、さらに原則として監査役の設置も義務付けられている(監査役設置会社)。
基本的には、比較的規模の大きな企業がこの形態をとることになる。
有限会社法の有限会社に対応するのが、この株式譲渡制限会社である。
資本金の規定はないため1円以上で設立できるが、株式の全部について、譲渡制限を掛けなければならない。
取締役は1人でもよい。このため、取締役会の設置は義務ではなく(取締役会非設置会社)、監査役の設置も義務ではない(監査役非設置会社)。
基本的には、中小零細企業がこの形態をとることになる。
有限会社法で設立された会社は、会社法では特例有限会社という株式会社となる。
有限会社法は既に廃止されたため、その特例として扱われているが、その期間に定めはないため、会社が存続する限り特例有限会社であり続けることができる。
今後は、公開会社や株式譲渡制限会社に組織変更することは可能だが、その逆に有限会社の根拠法である有限会社法が既にないので、現在の会社を特例有限会社に組織変更することはできない。
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