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外国に旅行する者の国籍や身分を証明し、旅行先相手国に対して便宜や保護を依頼するための文書。世界で通じる身分証明書。パスポート。
一般に旅券は手帳型となっていて、中には幾ページかの査証欄があり、ここに査証のスタンプ等を押してもらうことになる。表紙の色やデザインは国により様々で国柄が出るところであるが、一般的には表紙に国章が描かれる。
旅券のページ数の大半は査証欄だが、査証欄には査証や出入国スタンプなど、出入国に関することがら以外を押したり書いたりすることは御法度である。落書き等は「軽損傷」扱いとなり、新しい物に交換せねばならない。
昔、ヨーロッパ便がアンカレッジ経由だったころ、このページにアンカレッジ空港にあった白熊のスタンプを押していた人が居たらしい。入国の際にすごく怒られたのは言うまでもない。
つまり、国が貸与しているものに無断で書き込んではいけないということである。
通常、旅券(パスポート)の表紙には、次の情報が記載される。
なお、EU加盟国の旅券にはその国名のほか、その国の言葉でEuropean Unionと書かれている。
日本の赤い旅券は世界的には珍しく、紺、ワインレッド、緑色の国が多いようである。また日本のように有効期限で色が違うのも世界的に珍しい。
各国の表紙の色の例(順不同)。
日本に定住しながら帰化しない朝鮮人、いわゆる在日朝鮮人は、国籍が日本ではない外人である。従って日本のパスポートを得ることはできず、南鮮の緑色のパスポートを取得することになる。
どの国が発行した旅券かによって、その「力」は全く違う。パスポートの力は即ち、発行した国の国力とも言える。
どのような点で評価されるかというと、次のようなものが挙げられる。
偽造が困難であることは、重要なことである。チャチな造りで、誰でも偽造できるような旅券では所有者の身元証明にならず、受け入れ側の国としても扱いに困る。
現在、旅券には概ね次の三種類があると考えられる。番号が進むほど偽造困難となる。
現在、日本で発行されているのはIC旅券だが、それ以前は長く「機械読み取り式」旅券であった。但し、紛失などにより国外(大使館や領事館)で発行される日本のパスポートも、一部は今もIC旅券ではないとされている。
「機械読み取り式でない」旅券というのは、その名の通りだが、後進国などでは長く使われている。例えばフィリピンやインドなどは長く「機械読み取り式でない」旅券で、しかも「手書き」だった。最後まで手書きで残ったのはフィリピンだったが、そんなフィリピンも今では無事に「機械読み取り式旅券」に進化した。但し、写真は今もディジタル印刷ではなく貼り付けたものである。
手書きの場合、スペルミスはホワイトで訂正したりすることもあった。従って偽造や成りすましが容易で、こういった旅券は力が極めて弱かった。このような国では査証は免除されないどころか、査証自体なかなか発給されなかったのである。
後進国の旅券では、生年月日も年までしか書かれていない事がある。なぜなら「戸籍や住民票がない」ため、生年月日も不明な事が多いためである。
日本では身元を証明する戸籍や住民票が完備されているので、当然、生年月日もきちんと明記される。これも旅券の力の向上となる。
日本は、戸籍や住民票が整い、個人の特定が容易なように整備されていることから、旅券に記載される個人情報も正確で、生年月日もきちんと明記されている。
また、日本人は海外で違法労働などの問題を起こすことも少ない(犯罪被害にあうことは多いが)。
その他、旅券自体に様々な偽造対策も施されており、ゆえに日本国旅券は世界最強と呼ばれている。
身元証明性を満たす旅券を発給する国は、対テロのため入国審査が厳しくなっている状況の中であっても、
その一方、後進国のように手書きであったりするようなパスポートでは気軽に海外旅行は出来そうにないことは想像に難くない。査証免除も無いだろうし、入国審査も厳しいだろう。こういった状況は「旅券の力が弱い」というわけである。
例えばアメリカの場合、査証免除は、国ごとに条件を付けている。つまり旅券の力に応じた条件が存在する。
日本の旅券の場合、一般旅券の規格さえ満たせば短期間の訪問なら査証は免除される。公用旅券の場合は査証が免除されない。条件は次のとおり。
日本の「機械読み取り式」旅券の顔写真は全てディジタル印刷である。但し一部の在外公館では、2006(平成18)年3月19日迄は「機械読み取り式でない」パスポートを発行していたので注意。
この日以降も、それ以前に発行された「機械読み取り式」旅券であれば、査証なしで入国できる
なお、査証(ビザ)は免除されていても、代わりに米国行きの航空機や船に搭乗する前にはオンラインで渡航認証のESTA(エスタ)を受けなければならない。またESTAは有料で、一度認証を受けると2年間有効である。
ESTA申請については外務省も注意喚起をしている(日本語)が、事前にESTAの認証を取得していない場合、航空機等への搭乗や米国への入国を拒否されるので注意。
現在、先進国を中心に、様々な国で旅券にICカードを挿入した「IC旅券」(ICパスポート、eパスポート、電子パスポートなど呼び方は様々ある)が使われている。
ICは大容量であるため、ここに顔写真を基本とし、更に指紋、サインなど様々な情報を格納することができる。
旅券には、「機械読み取り式でない旅券」「機械読み取り式旅券」「IC旅券」の三種類がある。「機械読み取り式でない旅券」以外には、旅券の身分事項ページ下段に、英数字と<の羅列がある。
これは44桁2行で構成されており、ここを機械で読み取ることで、素早く旅券記載事項が確認できる。
IC旅券の場合はICを参照するため、ここを読み取ることは減ったと思われるが、それ以前に、機械化するにあたって採用されていたのが、この44桁2行というわけである。
現在でも、東南アジアなど後進国で、写真を貼り付けて作っているような国の旅券には「機械読み取り式でない旅券」が存在するらしく、そのような旅券には、この44桁2行が書かれていない。
44桁2行で記載される旅券情報の仕様はICAO(国際民間航空機関)で国際標準化されICAO Document 9303という標準になっている。日本含め、「機械読み取り式旅券」は、全てこの仕様に準じて作成されている。
基本的には、写真の横に人が読みやすいよう整然と書かれている内容を、機械が読みやすいように2行に詰め込んでいるだけである。
P<JPNsurname<<givenname<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<
TK0000000xJPNyymmddxMyymmddx<<<<<<<<<<<<<00
使用する文字は、0‐9の数字と、大文字の英字A‐Z、フィラーの<のみである。
1行目は、発行国と名前が記載されている。
P<JPNsurname<<givenname<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<
名前は国ごとに様々な習慣があるため、汎用性高く規定されている。
アメリカなどではミドルネームも含められるが、日本ではそのような制度はなく、姓名のみである。
名前をプライマリーとセカンダリーの二つに分けて、互いは二つのフィラー<<で区切る。そして、プライマリーおよびセカンダリー内での区切りは一つのフィラー<で区切る。
日本の場合、プライマリーが姓、セカンダリーが名であり、姓<<名<<<<<<…となる。ヘボン式を基本とする。
アメリカの場合も同様で、ミドルネームがある場合、姓<<名<ミドルネーム<<<<<…となる。
名前が一つしか無い場合は、プライマリーの位置つまり最初から書き、残りは<で埋めることになっている。例えば、こうなる。
P<JPNDORAEMON<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<
その他、Dr, Sir, Jr.などの名前の扱い方なども細々と規定がある。
2行目は、所有者の個人情報が記載されている。念入りにチェックディジットでチェックされているのが特徴。
TK0000000xJPNyymmddxMyymmddx<<<<<<<<<<<<<00
43桁目のチェックディジットは、29‐42 追加情報欄のチェックディジットで、この欄が未使用の場合は0にするか、または記載せず<でもよい。日本の場合は追加情報欄を使用していないが、チェックディジットは、古い旅券では<、現在のIC旅券では0が記載されている。
コンポジットチェックディジットは、2行目の1‐10、14‐20、22‐43から求められる総合的なチェックディジットである。
数字0から9は0から9、英字AからZは10から35、フィラー(<)は0に、それぞれ換算する。
重み(ウエイト)は、それぞれの項目ごとに、最初から7、3、1、7、3、1…とし、結果を全て足して10で割り、その余りをチェックディジットとする。
生年月日や有効期限満了日、例えばドラえもんの誕生日2112(令和94)年9月3日の場合、120903なので、1×7 + 2×3 + 0×1 + 9×7 + 0×3 + 3×1 = 7+6+0+63+0+3=79、79÷10=7…9なので、チェックディジットは9となる。
コンポジットチェックディジットの場合も、1‐10、14‐20、22‐43の順に並べ、頭から順に7、3、1、…の重みを付けて計算する。
台湾を国家承認している国が少ないという複雑な政治事情はあるが、台湾は独立した政府を有し、旅券(パスポート)である中華民国護照を発行している。色は濃緑色である。
これを旅券として認定するかどうかは国次第だが、日本を含め、多くの国では認めている。
国連は職員に対し国際連合通行証(レッセパッセ:laissez-passer(仏))を発行。
表紙は水色(幹部は色が違う)。国連加盟国(アメリカを除く)ではパスポートと同じ効力を持つことになっている。査証や入国スタンプもこれに押される。ただし、航空会社のカウンターなどでは国発行のパスポートが求められることが多い。
ジュネーブ、ニューヨーク、ウイーンのいずれかで発行されている。これも、2013(平成25)年3月以降発行分はIC化される予定となっている。
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