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日本人が使う旅券(パスポート)である。
詳細は後述するが、日本の旅券は力があるがゆえに、闇市場では高値で取り引きされているらしく、盗難や強盗などの犯罪のターゲットにもなりやすいので注意が必要である。
国内では知事を通じて外務大臣、国外では領事官が発行するのが一般的である。
申請方法は後述するが、一般旅券の申請は各県にあるパスポートセンターが受け付けている。
現在のIC旅券では、査証欄は5年用は28ぺージ、10年用は44ページ付いている。以前の旅券ではそれぞれ26ページ、42ページだった。足りない場合は、増補申請により40ページの査証欄が追加される。
査証欄には査証や出入国スタンプなど、出入国に関することがら以外を押したり書いたりすることは御法度である。落書き等は「軽損傷」扱いとなり、新しい物に交換せねばならない。
昔、ヨーロッパ便がアンカレッジ経由だったころ、このページにアンカレッジ空港にあった白熊のスタンプを押していた人が居たらしい。入国の際にすごく怒られたのは言うまでもない。
日本人は行儀が良い上に、よく買い物をしてくれる。海外にしてみれば、これほど都合の良いお客様の国もない。
このため日本国籍の場合、パスポートの顔写真と本人の顔が一致するだけで入国可能な国が多く、査証も短期旅行では不要な国が多い。
したがって、日本のパスポートは世界最強と呼ばれる。
かつて、凄い国になると入国審査でパスポートを調べもせず、表紙を見ただけで入国させてくれるところもあったらしい。案外、成田空港の土産物屋などで売られているパスポートを模したメモ帳でも素通りできたのではないか。
シェンゲン条約ができる前の(西)ヨーロッパの国々(英国を除く)では日常茶飯事で、スタンプすら押さずに入国することがしばしばあった。
現在では、さすがにスタンプは押すことが多くなったらしい。また、飛行機のボーディングパスを貰うときにも旅券がチェックされる。こちらは流石にいい加減なことはないらしい。
いくら泣く子も黙る日本のパスポートだからといっても、優遇のされ方が凄いという一件である。
何もトラブルが無いのに入国審査で何分も掛かっている人たちの横を、僅か15秒で通り過ぎる時、日本国のパスポートを携えて世界中に散っていった先人達の多大なる努力と世界への貢献に感謝することになるだろう。
この差は、過去の日本人旅行者の行儀が良かったことの裏返しでもあるので、その恩恵にあずかる場合は日本国籍の名を穢さないよう、旅行先で身を律することが求められる。
このような状況のため、日本の旅券は一番高値で売れる。一説では、日本の偽造パスポートは20万円くらいの値が付いているらしい。盗難や強奪などの犯罪も多発している。取り扱いには気を付けねばならない。
日本の通常の旅券、つまり「一般旅券」の申請方法について記載する。
日本の場合、一般旅券を得るためには、必要書類を持ち、住民登録をしている各都道府県の「パスポートセンター」へ出向くことになる。一般旅券も発行するのは外務省だが、申請受付は各都道府県の窓口がしている。また、各都道府県にはパスポートセンターが数ヶ所あるので、利用しやすいところを利用できる。パスポート交付事務は都道府県なので、都道府県ごとにサービスの差がかなり大きい。
パスポートは、申請してから受領まで日数を要する。土日祝休日や年末年始の休みを除き「申請日を含めて6日目」(訂正申請は3日目)に受け取れる。
申請書を提出した際に、「一般旅券(パスポート)引換書」が渡される。受け取り予定日以降、必要なものを持って、書類を提出したパスポートセンターに「本人が」行かなければならない。
県によるが、パスポートセンターで売られている収入印紙と収入証紙を購入して貼る。東京は証紙を廃止しているので、そのまま現金払いである。
申請は平日の月〜金曜のみ。申請は代理人でもよく、多忙な人のため、申請の代理業のような業態が存在する。
受け取りは平日の月〜金曜と日曜日。必ず本人が受け取りに行かなければならない。生まれたばかりの赤ん坊でも、本人を連れて行かなければ受け取ることができない。
旅券は、申請から6ヶ月以内に受け取らないと失効となる。可能な限り早く受け取りに行かなければならない。
旅券は不正に取得されないよう、身元の確認は厳重に行なわれている。
虚偽申請で不正取得するなどすると、旅券法違反で逮捕される。
身元確認には、基本的には写真のついた公的な書類があればよいが、持っていない人もいることから、次の1点または2点の組み合わせで本人確認される。
Aの中から2点、またはAとBの中から各1点の組み合わせが必要。Bから2点は不可。
東京都の場合、次をAとしている。
申請者と異なる世帯主の印鑑登録証明書を本人確認書類として提出する場合は、世帯主が記載された住民票が必要
また自治体ごとに判断は異なるが、場合によっては次もAとして認められる可能性がある。
様々なものがBとして認められているようだが、東京都の場合、次をBとしている。
公の機関とは、国の機関、都道府県庁、区市町村役場や国、地方公共団体の行政監視または行政監察の対象となっている機関などをいう
また、上に掲げた書類がない場合は旅券窓口に相談せよ、と案内されている。
このような場合は、例えば次もBとして認められる可能性がある。どれを認めるかは、おそらく県の裁量の範囲内と見込まれるので、複数持っていって選んで貰う方が安全だろう。
例:行政書士会発行の写真付き身分証明書
大阪府の場合、「住民税課税証明書(直近のもの)」「源泉徴収票(直近のもの)」「その他写真が貼付られていない身分証明書など」がBとして理想的としている。
日本国内で旅券を新規発給してもらう場合は、最低限、次の書類が必要である。
現在は住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)を利用するので、住民票写しは原則として必要ない。また、住民票コードが分からなくても問題ない。
残存有効期間が1年未満となった時に、切替発給ができる。
旅券は免許や資格と違って「更新」という制度がない。このため、「切替発給」と呼ばれる。
従って、申請の都度、同じ書類を書いて、同じように審査され、旅券は発行される。そしてその都度、パスポート番号も全く新しいものに変わる。加えて、旅券の有効期限は旧旅券の残存期間に関わらず、新規の旅券が作成された日から5年または10年となる。旅券残存期間中に申請したとしても、その残期間が新旅券に加算されることはない。
なお、一度旅券の発給を受けたことがある者は、それが有効、無効(期限切れ)いずれであっても、次回の発給申請の際に旧旅券を返納する必要がある。
失効した旅券を紛失した場合は、その旨をパスポートセンターの係の人に伝えれば、確認の上、一般旅券発給申請書に前の旅券番号、発行年月日、姓のローマ字を書き足してくれる。この場合は切替発給ではなく、新規発給となる。
ただし、有効中の旅券を紛失した場合、大変な手続きが待っている。パスポートセンターに行く前にあらかじめ問い合わせる必要があるほか、この場合は基本的に紛失した旅券の再発行→切り替えという手順になるため、期間が1ヶ月程度掛かるようである。
記載事項に変更がない場合の切替発給には、次の書類が必要である。
旅券はそれ自体が身元確認書類なので、他の身元確認書類は不要である。
現在は住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)を利用するので、新規発給の場合と同様、住民票写しは原則として必要ない。また、住民票コードが分からなくても問題ない。
記載事項に若干の変更がある場合は、記載事項に変更がない場合の書類に、変更したことを証明する書類を加えれば良い。
例えば本籍が変更になった場合は、戸籍謄本または抄本を加えればよい。
結婚や養子縁組などで姓が変わった場合なども、戸籍謄本または抄本を加える必要があり、この場合は新姓で発給される。
日本国旅券の所有権は日本国にある。これは一種の貸与物であり、所持者は日本国が示す管理義務が生じる。海外旅行中より、むしろ国内で保管中に紛失する例が多いらしいので要注意。
旅券は公文書ではあるが、公務所の用に供する文書ではないため、これを意図的に毀棄した場合でも公用文書等毀棄罪にはならない。他人の所有するものを毀損したなら器物損壊等罪が成立するに過ぎない。もちろん偽造の場合は公文書偽造になる。
さて、自分が所有するものを落書き等で毀損した場合、損をするのは毀損した本人だけなのでどのような罪になるのかは定かではないが、所有権は国にあるということは、それ自体「他人の物」と解されるため、他人の旅券の効用を失わせたという理由で器物損壊等罪が成立しうる。が、この罪が適用された前例は無いようである。
切替発給(更新)など含め、申請の際には旅券を返納する必要がある。
但し、ビザなどを記念に取っておきたいという場合は、窓口でその旨言えば、無効化の処理ののち、返してもらえる。
返してもらえるという表現は上述のように実際には正確ではなく、所有権が国から所持者に移ると解釈することができる。
旅券に書かれていることは、あとから変更することは出来ない。記載事項が変更された場合は、原則としてその旅券を返納し、新規発給申請をせねばならない。
但し、その変更事項が、姓、名、本籍地などに過ぎなければ、訂正申請を行なうことも可能である。
訂正申請とは、旅券の追加ページに訂正事項について記載するだけのもので、顔写真のページの内容や、刷られているサイン、ICチップ内の情報は、一切変更されない。これらの変更が必要であれば、やはり新規発給申請が必要である。
日本の一般旅券の場合、5年旅券はM、10年旅券はTから始まる。
10年旅券が出来た当時は頭2桁はTEで、TF、TG、を経て、2006(平成18)年以降のIC旅券はTH、現在はTKが使われている。なお、海外で発行されたものは、MZまたはTZとなる。
数字は、おそらく0000001から9999999の間で連番で使われているものと思われるが、これは定かではない。ある程度の範囲ごとに各県に割り振られ、その範囲内で使用されているものと思われる。
確認した範囲では、公用旅券(数次)の頭2桁はMBで、桁数は一般旅券と同じである。
旅券番号は旅券ごとに固有の番号で、新しく申請すると違う番号になる。
番号の引き継ぎは出来ないが、これは旅券の真正性と信頼性の維持のため、旅券ごとに固有の旅券番号を使用することが国連の専門機関である国際民間航空機関(ICAO)の国際標準で強く推奨され、日本など多くの国がこれに従っているためである。
旅券の盗難や紛失時は、旅券番号が国際刑事警察機構(ICPO)を通じて各国の出入国管理当局に通知され、旅券の不正使用を防止するようになっている。従ってこの盗難や紛失時も、次に得られる旅券の旅券番号は前と違うものになる。
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