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偽物の旅券のこと。
正規のもので無い旅券が偽造旅券で、不正に他国に入国するときに使用される。
特に法律等で決まっているわけでは無いが、大きく次のように分類することが可能である。
特に呼び分ける語があるわけではないが、写真を貼り替えるようなものは「変造旅券」とも呼ばれる。
どんな旅券でも、偽造自体は可能である。世界の旅券の中でも日本国旅券は特に様々な技術が投入され、偽造は困難ではあるが、不可能では無い。
現在のものはIC化されており、ICの情報を見れば偽造かどうかの判断が容易にはなった。だが紙製の書類という意味での旅券の偽造自体は、少なからず成功例が見られる。
但し、実際に使われている中では、このようなものは少ない。コストが掛かるからであろう。
本物を盗み、写真を貼り替えて作ったものが変造旅券である。
日本国旅券の場合は写真は印刷であるためあり得ず、分かりにくいが、東南アジアなどでは今も写真を貼り付けて作った古典的な旅券が使われている。
この旅券を盗み、写真を引っぺがして自分の写真を貼ってしまえば、元の持ち主になりすますことが出来るわけである。
北朝鮮の二代目総書記金正日の長男である金正男も、2001(平成13)年に来日した時にはドミニカ共和国の偽造旅券で支那名の胖熊(PANG XIONG、パン・シオン)名義の旅券を持っていたとされている。写真を貼り替えたものかは不明だが、一般的な偽造によるものであるなら、この変造旅券を持っていたものと思われる。
日本国外で売られている偽の旅券を使って、例えば日本に入国する。
その主たる目的は、日本での不法就労や、日本で犯罪をするためである。
偽物でも旅券があれば、日本の銀行で口座を開設することができる。
日本の金融機関は、運転免許証(日本の場合は都道府県の公安委員会が発行する)などより、政府が発行している旅券の方を信頼するからである。
銀行口座があればマネーロンダリングなども可能であり、犯罪をするにも都合がよい。さらに、偽造であるため他人になりすましている状態なので、犯罪に関わったとしても本人が追求されにくい。
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