2族のアルカリ土類金属に属する銀白色の金属元素。
一般情報
原子情報
- 原子量: 40.078(4)
- 電子配置:
- 1s2、2s2、2p6、3s2、3p6、4s2
- [Ar]4s2
- 電子殻: 2、8、8、2
- 原子価: 2
- 酸化数: 0、+2
物理特性
- 相: 固体
- 融点: 850℃(ICSC)
- 沸点: 1440℃(ICSC)
- 比重: 1.54(水=1)
- CAS番号: 7440-70-2
- ICSC番号: 1192
質量数は、34から58までが確認されている。安定同位体は五つある。
同位体核種 | 天然存在比 | 半減期 | 崩壊 | 崩壊後生成物 |
34Ca | ‐ | | 陽子放出 | 33K |
35Ca | ‐ | | β+崩壊 | 35K |
36Ca | ‐ | | β+崩壊 | 36K |
37Ca | ‐ | | β+崩壊 | 37K |
38Ca | ‐ | | β+崩壊 | 38K |
39Ca | ‐ | | β+崩壊 | 39K |
40Ca | 96.941% | 安定核種(中性子数20) |
41Ca | ‐ | 10.3万年 | EC崩壊 | 41K |
42Ca | 0.647% | 安定核種(中性子数22) |
43Ca | 0.135% | 安定核種(中性子数23) |
44Ca | 2.086% | 安定核種(中性子数24) |
45Ca | ‐ | 162.61日 | β−崩壊 | 45Sc |
46Ca | 0.004% | 安定核種(中性子数26) |
47Ca | ‐ | 4.536日 | β−崩壊 | 47Sc |
48Ca | ‐ | 6×1018年 | 2β−崩壊 | 48Ti |
β−崩壊 | 48Sc |
49Ca | ‐ | | β−崩壊 | 49Sc |
50Ca | ‐ | | β−崩壊 | 50Sc |
51Ca | ‐ | | β−崩壊 | 51Sc |
52Ca | ‐ | | β−崩壊 | 52Sc |
53Ca | ‐ | | β−崩壊 | 53Sc |
54Ca | ‐ | | β−崩壊 | 54Sc |
55Ca | ‐ | | β−崩壊 | 55Sc |
56Ca | ‐ | | β−崩壊 | 56Sc |
57Ca | ‐ | | β−崩壊 | 57Sc |
58Ca | ‐ | | β−崩壊 | 58Sc |
安定核種に対し、質量数が大きすぎるまたは小さすぎる場合は複雑な崩壊となり、質量数が小さいと陽子放射、大きいと中性子放射が同時に起こることがある。
空気中で表面が酸化する。
生物の骨や歯の主成分であり、人間では99%が骨や歯の中にあるとされる。
また心臓の拍動にも必須の元素である。
日本では概ね成人で10mg/kgを摂るべきとされ、体重60kgなら600mgが一日の所要量となる。
成長期の子供は800mg/日、妊婦や授乳婦は1100mg/日が所要量と言われている。
但し摂れば良いというものでもなく、日本では2000(平成12)年度から摂取量の上限値2500mg/日が定められた。
しかし日本の場合、土壌中に含有するカルシウムは決して多くなく、そのために水や野菜に含まれる絶対量が少ない。
また日本では乳製品の摂取量が少ないこともあり、不足しがちのミネラルとしてよく指摘されている。昔は、小魚などを食べていたので不足していなかったが、最近はあまり食べられなくなったため、不足が深刻化している。
カルシウムは吸収性の悪いミネラルであるが、食品中の他の成分などで更に吸収が阻害されやすい。例えばホウレン草の成分、蓚酸などが良くないと言われる。逆にビタミンDで吸収率が向上する。
欠乏すると、脱毛、湿疹、結膜炎、筋肉痛、感覚異常などを来すとされ、また骨が脆くなり骨粗鬆症を発症する。
牛乳、ヨーグルト、チーズなどの乳製品、公魚(ワカサギ)などの小魚、豆腐や納豆などの豆、ナッツ類、そして小松菜などに多く含まれる。
- 引火点: (該当資料なし)
- 発火点: (該当資料なし) 細かくすると空気中で発火する
- 爆発限界: (該当資料なし)
- 刺激
- 腐食性: (該当資料なし)
- 刺激性: 眼を刺激する
- 感作性: (該当資料なし)
- 毒性
- 急性毒性: (該当資料なし)
- 慢性毒性: (該当資料なし)
- がん原性: (該当資料なし)
- 変異原性: (該当資料なし)
- 生殖毒性: (該当資料なし)
- 催畸形性: (該当資料なし)
- 神経毒性: (該当資料なし)
- 分解性: (該当資料なし)
- 蓄積性: (該当資料なし)
- 魚毒性: (該当資料なし)
1808(文化5)年にイギリスのハンフリー・デービーが発見した。
名前の由来は、ラテン語で石灰岩を意味する「calx」から。
様々な酸と塩を作る。
- 塩化カルシウム (CaCl2) (10043-52-4)
- カルシウムカーバイド (CaC2) 還元剤
- カルメロースカルシウム
- グルコン酸カルシウム (C12H22CaO14) (299-28-5)
- 琥珀酸トコフェロールカルシウム (C66H106CaO10) (14638-18-7) ビタミンE
- 酸化カルシウム (CaO) (1305-78-8) 生石灰
- 水酸化カルシウム (Ca(OH)2) (1305-62-0) 消石灰
- ステアリン酸カルシウム (C36H70CaO4) (1592-23-0)
- 炭酸カルシウム (CaCO3) (471-34-1)
- 乳酸カルシウム (C6H10CaO6) (814-80-2)
- パラアミノサリチル酸カルシウム 抗結核剤
- パントテン酸カルシウム (C18H32CaN2O10) (137-08-6) ビタミンB5
- ペントバルビタールカルシウム (C22H34CaN4O6) (7563-42-0) バルビツール酸系催眠鎮静剤
- ホスホマイシンカルシウム (C3H5CaO4P・H2O) (26016-98-8) 抗生物質
- ポリスチレンスルホン酸カルシウム 高カリウム血症改善剤
- ホリナートカルシウム (C20H21CaN7O7) (1492-18-8) 解毒剤
- ムピロシンカルシウム (C52H86CaO18・2H2O) (115074-43-6) 抗菌剤
- 燐酸水素カルシウム (CaHPO4) 研磨剤
- 燐酸二水素カルシウム (Ca(H2PO4)2)
19 カリウム ‐ 20 カルシウム ‐ 21 スカンジウム
関連するリンク
ICSC 国際化学物質安全性カード用語の所属
元素
典型金属元素
アルカリ土類金属
CA
関連する用語
心筋細胞