銀白色の金属元素の一つ。
一般情報
原子情報
- 原子量: 50.9415(1)
- 電子配置:
- 1s2、2s2、2p6、3s2、3p6、3d3、4s2
- [Ar]3d3、4s2
- 電子殻: 2、8、11、2
- 原子価: 2、3、4、5
- 酸化数: 0、+2、+3、+4、+5
物理特性
質量数は、40から66までが確認されており、その中に核異性体も存在する。安定同位体は一つのみ。
同位体核種 | 天然存在比 | 半減期 | 崩壊 | 崩壊後生成物 |
40V | ‐ | | 陽子放射 | 39Ti |
41V | ‐ | | 陽子放射 | 40Ti |
42V | ‐ | | 陽子放射 | 41Ti |
43V | ‐ | | β+崩壊 | 43Ti |
44V | ‐ | | β+崩壊 | 44Ti |
α崩壊 | 40Sc |
45V | ‐ | | β+崩壊 | 45Ti |
46V | ‐ | | β+崩壊 | 46Ti |
47V | ‐ | | β+崩壊 | 47Ti |
48V | ‐ | 15.9735日 | EC崩壊 | 48Ti |
β+崩壊 | 48Ti |
49V | ‐ | 330日 | EC崩壊 | 49Ti |
50V | 0.25% | 1.4×1017年 | EC+β+崩壊 | 50Ti |
β−崩壊 | 50Cr |
51V | 99.75% | 安定核種(中性子数28) |
52V | ‐ | 3.75分 | β−崩壊 | 52Cr |
53V | ‐ | | β−崩壊 | 53Cr |
54V | ‐ | | β−崩壊 | 54Cr |
55V | ‐ | | β−崩壊 | 55Cr |
56V | ‐ | | β−崩壊 | 56Cr |
57V | ‐ | | β−崩壊 | 57Cr |
58V | ‐ | | β−崩壊 | 58Cr |
59V | ‐ | | β−崩壊 | 59Cr |
60V | ‐ | | β−崩壊 | 60Cr |
61V | ‐ | | β−崩壊 | 61Cr |
62V | ‐ | | β−崩壊 | 62Cr |
63V | ‐ | | β−崩壊 | 63Cr |
64V | ‐ | | β−崩壊 | 64Cr |
65V | ‐ | | β−崩壊 | 65Cr |
66V | ‐ | | β−崩壊 | 66Cr |
安定核種に対し、質量数が大きすぎるまたは小さすぎる場合は複雑な崩壊となり、質量数が小さいと陽子放射、大きいと中性子放射が同時に起こることがある。
地殻中では、玄武岩などの塩基性岩に多く含まれている。10μg/L程度の濃度で海水中に含まれる。ある種のホヤが濃縮することが知られている。
バナジウムは軟らかく延性があるため、加工しやすい金属である。鉄鋼に加えると酸化バナジウムとなり硬くなるため、日本刀作りなどにも使われる。
その他、触媒としても広く用いられている。
バナジウムはインシュリン様作用があり、糖尿病の予防や改善に効果があるのではないかと言われている。
このため、薬効は定かではないが、バナジウムの含まれたミネラルウォーターなどが広く市販されている。
- 引火点: (該当資料なし)
- 発火点: (該当資料なし)
- 爆発限界: (該当資料なし)
- 刺激
- 腐食性: (該当資料なし)
- 刺激性: (該当資料なし)
- 感作性: (該当資料なし)
- 毒性
- 急性毒性: (該当資料なし)
- 慢性毒性: (該当資料なし)
- がん原性: (該当資料なし)
- 変異原性: (該当資料なし)
- 生殖毒性: (該当資料なし)
- 催畸形性: (該当資料なし)
- 神経毒性: (該当資料なし)
- 分解性: (該当資料なし)
- 蓄積性: (該当資料なし)
- 魚毒性: (該当資料なし)
バナジウムは1801(享和元)年、メキシコのデル・リオによって発見された。しかし認められず、この発見は実はクロム化合物の一種だったとして撤回された。
1830(天保元)年に、スウェーデンのセフストレームによって再度発見された。
名前Vanadiumは、北欧神話の美と豊穣の女神バナジスにちなんで命名された。
- 酸化物
- 三酸化バナジウム、酸化バナジウム(V) (V2O3) (1314-34-7)
- 五酸化バナジウム (V2O5) (1314-62-1)
- 硫酸バナジル(IV) (VOSO4) (27774-13-6)
22 チタン ‐ 23 バナジウム ‐ 24 クロム
用語の所属
元素
希少金属
遷移金属元素