CAS登録番号 |
辞書:科学用語の基礎知識 化学編 (NCHEM) |
読み:キャスとうろくばんごう |
外語:CAS RN |
品詞:名詞 |
アメリカの化学会であるCAS(Chemical Abstracts Service)が、物質を識別するために付けた番号のこと。CAS番号、CAS RNとも。なおCAS RNは登録商標である。
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概要 |
CAS番号は、これを著している時点では最大10桁である。
二つのハイフンで区切られた三つの部分からなる。
左側は2〜7桁、中央は2桁で、一番右側はCAS番号が正しいかどうかチェックするための1桁の数字である。
番号は基本的に登録順の通し番号であり、物性などによって番号帯を分けたりはしておらず、番号に科学的な意味は持たせていない。
特徴 |
チェックサム |
末尾のチェックサムは、左側と中央を繋げ、下位桁から順に×1、×2、×3、…×9という重みを付けてを求め、その10の剰余(つまり和の下一桁)とする。
例えばテングタケの毒成分イボテン酸(2552-55-8)の場合、次のような計算となる。
(6×2 + 5×5 + 4×5 + 3×2 + 2×5 +1×5) = 78
78 mod 10 = 7あまり8
チェックサム8は正しいことが分かる。
対象 |
附番の対象は有機物や無機物、原子・分子などである。鉱物や蛋白質なども対象である。また、製薬の商品名なども対象となっている。
基本的には一つの物質に対し、番号は一つだけ与えられることになっている。つまり、物質の呼称が違っていても、番号が同じであれば同じ物質であるといえる。また逆に、名前が似ていても番号が違えば別の物質ということである。
但し、異性体がある場合は、各異性体に別々の番号を割り当て、また必要に応じてその全体に対しても番号が割り当てられることが多いため、一物質一番号についてはほぼ機能していない。また原子の場合は同位体にも別々の番号を与えられうる。
登録 |
新しい物質を作り、その物質に対してCAS番号が必要な場合、日本では代理店である社団法人化学情報協会(JAICI)に依頼することで取得できる。この番号は物質の輸出入などに必要になることが多い。
なお、CAS番号情報は公開情報であるため、コンフィデンシャルによる登録は不可能である。従って、特許などを取得する予定であれば、出願が完了してから番号の請求をするべきであろう。
利用は有料 |
CAS番号の利用は有料である。
商用利用は、5000件を超える場合は有料となる。学術用途であっても毎年書類申請し認可が必要である。
こういった問題から他の化学物質構造データベースではCAS番号は除外されている。一物質に対するCAS番号の重複割り当てなどの問題も合わせて、CAS番号と他のデータベースとの連携は非常に困難となっている。
リンク |
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