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JPEGにより従来のJPEG(JFIF)の後継として作られた、静止画像用の圧縮アルゴリズムおよび画像ファイルフォーマット。ISO/IEC 15444-1:2000などで規格化されている。
従来のJPEGは、エンコーダーの負荷軽減を念頭に入れて設計されていた。このため現在では、画質や圧縮率については見るべきところがなくなっている。
JPEG 2000では時代の移り変わりも反映し、画質および圧縮率の向上へと重きを移している。また、JPEGを利用して発生した様々な問題点の解決も図られている。
JPEGもJPEG 2000も、ある画素を基準に、その周辺との類似性などを手がかりとして圧縮をする。
理論としては、一旦画像は空間領域から周波数領域に変換される。この手法として、JPEGではフーリエ変換の一つ、離散コサイン変換(DCT)が使われていた。JPEG 2000では離散ウェーブレット変換(DWT)を採用し、圧縮率を高めている。
周波数領域に変換された後は、JPEGと同様に量子化してからエントロピー符号化をする。ただしアルゴリズムは異なり、JPEGではハフマン符号が使われていたが、JPEG 2000では算術圧縮を用いている。
算術圧縮は圧縮率は高いが乗算を多用するため、ハードウェアで乗算器を用意しないと処理効率が上がらないという難点がある。JPEG 2000においては、加減算のみで演算をし近似値を求めるという手法で、この問題の回避をしている。
JPEGにあったものの発展版や新機能など、さまざまなものがある。
対応するソフトウェアは非常に少ない。
Webブラウザーでは、QuickTimeの機能を用いて実装するSafari以外に、対応するものがない。
Internet ExplorerやMozilla Firefoxも対応していないため、結果として「普及しない」ことになった。
OpenJPEGなる、JPEG 2000コーデックをC言語で実装しBSDライセンスで提供するオープンソースのプロジェクトもある他、Mozilla Firefoxでも実装しようという動きはある。
JPEGは、サブマリン特許が大問題となった。
JPEG 2000も、当然のことながら企業が特許を取ってはいるが、その利用にあたってはパテントフリーという合意が取られている。特許使用と、特許料支払い義務は、イコールではない。
とはいえ、JPEGも表向きは合意をしていた企業が水面下で特許を取り後から権利を主張し出すという問題を発生させており、JPEG 2000だから一概に安全とも言い切れない。
JPEG 2000は、ついに普及しなかった。今後何かの切っ掛けで普及しないとも限らないが、可能性は低い。普及しなかった様々な理由が考えられているが、結論としては『「一般人は」JPEGで充分で不満が無く、JPEG 2000に需要が無かったから』ということに尽きる。
ハードディスクドライブの低価格化・大容量化とネットワークインフラの高速化はめざましく、昔ほど圧縮性能は問われない時代になっている。
ファイル圧縮にしても、よりよいものが発明されてもなおZIPが一般的に使われ続けている状況下、画像形式も同様でWindowsなどで標準的に対応していない「不便な」形式をあえて採用しようとする人は少なかった。
従来のJPEGは赤の圧縮が汚いことから写真家やイラストレーターを悩ませてきたが、一般人は大して困っていなかったのである。
単独のファイルフォーマットとしては死滅しているが、PDFの内部データ形式として今も残っている。iPhone/iPadのうちiOS4で見られない画像があったら、それはJPEG 2000形式である。なお、iOS 5からJPEG 2000に対応、内蔵ブラウザーのSafariでもjp2ファイルを表示できるようになった。
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