注射のうち、薬剤を皮下組織に注入する方法。
薬剤は毛細血管やリンパ管を通して吸収されるため、一般に吸収はゆっくりであり、効果が長続きする。
経口では消化管によって薬剤が変質してしまうような場合に皮下注射をする例が多くあるが、概ね痛みが強い。対する筋肉注射よりも痛みが強いことが多い。
神経や血管の少なく、皮膚に近い場所に骨がない場所なら全身どこにでも可能である。
ただ一般的には、上腕伸側、三角筋前半部、大腿前外側中央部などが候補になり、そして露出するのが比較的容易な上腕部が選ばれることが多い。
日本ではインフルエンザワクチンは皮下注射だが、海外では筋肉注射をする。
このように日本では筋肉注射が嫌われ皮下注射が多い。これは1970年代、抗菌薬や鎮痛剤(スルピリンなど)を筋肉注射した際に大腿四頭筋拘縮症(短縮症)という副反応が生じることがあり、これが社会問題化したため代替として皮下注射が主流になったためである。
結核の生ワクチンであるBCGは、昔は皮下注射をしていた。
しかし注射局所に潰瘍や膿瘍ができやすいという問題があったため、やがて皮内注射に切り替わっている。
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