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炭疽を引き起こすグラム陽性桿菌で、好気性有胞子細菌の従属栄養細菌。BSL-3(バイオセーフティーレベル3)に分類される。
19世紀末、羊などの動物に感染しているものを発見された。
20世紀になると、生物兵器に使われるようになり、人間への大流行はそれ以降に発生している。
皮膚感染で25%程度、肺への感染では80%以上が死に至る。
皮膚感染では、感染箇所に潰瘍ができ、中央に炭疽癰と呼ばれる特徴的な黒い痂皮ができる。適切な治療が無ければ毒素によるショック死に至ることもある。
経口感染では症状の箇所により腸型と口咽頭型に分けられる。腸の場合は悪心、発熱、腹痛、嘔吐/吐血、血便、腹水の貯留などの症状が出る。適切な治療が無ければ毒素によるショックや敗血症で死に至る。口咽頭型の場合は、喉の乾き、嚥下障害、発熱、首リンパ節腫脹などの症状が出、やがて敗血症をおこす。
吸引による発症例(肺炭疽)は殆ど無いが、風邪のような症状、縦隔リンパ節腫脹などの後、呼吸困難で急死したり、チアノーゼ、昏睡などの症状が出る。無治療では90%上の致死率である。
生物兵器として用いる場合、化学混合物を使って加工処理をし、炭疽菌の芽胞を飛散しやすくすることで、肺炭疽の罹患率を高める。1950年〜1960年代にアメリカで兵器化された他、ソ連やイラクでも保有されていた。
炭疽菌は、西アジア、南アジア、アフリカなど、政情不安定な地域での入手が容易である他、旧ソ連の崩壊によって流出したもの、各国の研究室にあるものを入手することになる。自然界では炭疽菌は土壌に生息し、トルコからパキスタンに至る「炭疽ベルト」で年間100人以上の患者が発生しているが、それを採取するのは困難である。
2001(平成13)年10月にはアメリカのフロリダやニューヨークで郵便物に付着していた炭疽菌によって炭疽にかかり、死者が出ている。この炭疽菌は加工処理が施されておらず、兵器化されていないものだが、炭疽ベルト以外ではほとんど見られない病気であるので、テロ(テロル)の可能性が高い。
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