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放射線に曝露されること。体に放射線を浴びること。
結論から先に述べると、放射線への被曝で「鼻血」が出たりするのは、致死量を被曝した場合のみである。
日本では、年間100万人に「数億ベクレル」を「注射」する「核医学」と呼ばれる医療が行なわれているが、当然ながら鼻血が出たり、被曝で死んだりなどはない。報告のある副作用としては「気分が悪くなる」程度であり、これも年間100万人の中で数十件程度とされている。
適度な量の放射線被曝は、病気を治したり、健康を回復したりする働きがある。
つまり、僅かでも放射線を浴びたら最後、まるで明日にでも病気で死ぬかのような恐怖心を煽る人々がいるが、これは無知な者を扇動するような何らかの意図がある。何ごとも「極端な論調」というのは必ず裏があるので、疑ってかかるべきである。
大自然には放射線があふれている。太陽も、太陽風として日々膨大な量の放射線を放っており、放射線は常に地球に降り注いでいる。また土や岩といったものにも放射性同位体は大量に含まれることから、大自然から放射線は常に放射され、生物は常に放射線被曝している。
土壌や標高などに左右されることになるが、人間1人あたり世界平均で年間約2.4ミリシーベルトの自然放射線を浴びるとされる。
内訳は次のとおりである。
例えば原子力発電所や、原子力潜水艦が停泊する港などには放射線測定器(ガイガーカウンター)が設置されるが、測定器ごとに値がまちまちなのは、自然放射線の違いによる影響が大きい。
平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震で、津波に飲まれた原子力発電所が倒壊した。
この時には、マスコミは通常の6000倍!(320マイクロシーベルト)などと叫び反原電を煽ったが、実際にはこの程度を短期間に被曝しても健康には影響がない。後述するラジウム温泉のように、たまに浴びる放射線は、むしろ健康に良い可能性すらあるのである。
例えば、日本‐ニューヨークのフライトでも200マイクロシーベルト(0.2ミリシーベルト)程度は被曝する。しかし、たまに飛行機に乗る程度では、健康に悪影響は出ない。
気をつけるべきは、現場作業員として恒常的に浴びた場合で、この時は累積が増えるため、これは健康被害が出る恐れがある。
「ラジウム温泉」など放射能泉は、放射能があると分かっていながら放射能大嫌いなはずの日本人が駆けつける、日本でも有数の謎スポットとなっている。
島根県の池田ラジウム鉱泉、山梨県の増富ラジウム温泉郷、鳥取県の三朝温泉、兵庫県の有馬温泉などは、特に高濃度のラジウム温泉が噴出することを売りとしている。放射能泉の殆どは冷鉱泉で、温泉法における温泉(泉温25℃以上)に該当する中でラドン含有量が最も高いのは三朝温泉ということになる。では、実際にどの程度の線量があるのか。
ATOMICAの「放射能泉と健康」によると、かつての調査では、増富鉱泉(山梨県)は鉱泉中のラドン含有量として11,732マッヘ(160,728Bq/リットル)を記録したとする。近年の調査でも、三朝温泉(鳥取県)は泉水中のラドン濃度として683.3マッヘ(9361Bq/リットル)が得られているとする。
科学技術庁告示第五号 平成十二年科学技術庁告示第五号(放射線を放出する同位元素の数量等)では、222Rnの実効線量係数(ミリシーベルト/ベクレル)は、次のとおりである。
実際の浴槽内の温泉はおそらく水などで希釈されているだろうが、9361Bq/リットルあるとするなら、温泉のお湯1リットルを吸引した時の実効線量は約60.8マイクロシーベルトということになる。入浴時間等にもよるので実際にどの程度のお湯を吸入することになるのかは不明だが、増富鉱泉では30分入浴で約10ccの源泉が皮膚より吸収されると説明されていた。
しかし、こういった温泉に入って被曝して死んだ、などという話は全く無い(心臓麻痺などで死んだ人はいるかもしれないが)。それどころか、鳥取県の三朝温泉地の住民のがん死亡率を見ると、全国平均の半分しかないとの調査結果が存在するようである。このため、がんが治ると信じられて、次々と湯治客が押し寄せて入浴や飲泉がされているのである(罹ってから来ても遅いのではないかという気もするが)。
上述のとおり、むやみやたらと恐怖心を煽るのは、何か別の意図があると考えるべきであろう。
僅かな放射線を浴びても人体への影響はなく、若干多いのはむしろ新陳代謝をもたらし健康に良いとする説もある(例えばラジウム温泉)が、大量の放射線は人体に有害である。
一説によれば、一回での線量ごとの影響は次のとおりとされる。
200ミリシーベルト以上の線量では、線量の増加とがん発生率の増加が比例的な関係となる。線量が1シーベルト(1000ミリシーベルト)に達すると、がんの増加発生率は自然発生率の60パーセント(つまり合計して1.6倍)にもなる。
1シーベルト=1000ミリシーベルトの被曝は、比較的大きな被曝である。白血病やがんなどが、1000人あたり数人程度増加すると推計されている。しかし、この程度の量であっても即、致死的というわけでもない。
もちろん健康に良くない量ではあり、車の運転中に携帯電話機を使う危険と同程度のリスクが存在するため、避けるにこしたことはない。
マイクロシーベルトの放射線に騒いでる人は、この際タバコを止めてみる、というのも一つの手である。
厚生労働科学研究班の放射線リスクの説明によれば、毎日1〜9本のタバコによる肺がん発がんリスクは、吸わない人と比して4.6倍とされる。
これを放射線被曝に当てはめると、3.4シーベルト(=3,400,000マイクロシーベルト)の被曝と同程度になるとのことである。なお、一度に3.4シーベルト浴びることは半数致死量(LD50)に近い。
この結果は、タバコがそれだけ危険なものということもできるが同時に、放射線被曝は過剰に恐れるほど致死的なものではないということでもある。
この期に及んでしまっては、関東・東北の者は、可能な範囲で普通に暮らすしかない。
大惨事となったチェルノブイリ原電事故を参考にすると、30km圏内でも原子炉周辺を除いては急性中毒で死んだ者はおらず、30km以上離れていた者は殆ど助かっている。さらに現在でも、チェルノブイリから待避せず酪農で生活する者まで存在する。原電から一定の距離を保てば、生活には支障がないと見込まれる。
福島第一原電も、今後更なる爆発や火災さえなければ高濃度の放射性物質が拡散することはないことから、過去の例を見れば30km以上離れた関東・東北から離れても、あまり意味はない。
放射性物質の飛散は実際避けられず、東京、あるいは大阪へも、飛ぶことはあるだろう。可能性にゼロは存在しない。この結果がんなどの障害は増える可能性はあるが、微弱すぎる放射線から受ける被害は、近距離の受動喫煙でがんに罹るリスクと比べたら数桁低く、そのような心配をするくらいなら交通事故にあう確率を心配した方が良い。
放射線は、遺伝子を符号化するDNAに変化をもたらし、結果としてがんを発病させる。
DNAは物質なので、原子で出来ている。放射線がDNAに当たると、DNAを構成する原子と原子の間の結合を外す作用が働く。これが遺伝子の損傷である。
何もしていなくても自然放射線は存在しDNAを損傷させるほか、そもそもDNA分子は、一説では一日で1細胞あたり50万回損傷することもあるとされている。このために生物はこの遺伝子の損傷を修復する能力を持っている。しかし、修復には時間がかかるために、遺伝子の損傷が同時に多数発生すると、全ての損傷を正しく修復できないこともある。また、誤って修復されるものが出てくる可能性がある。
DNAは塩基対と呼ばれる構造を持ち、2本の鎖状の構造を持つ。2本鎖なので、一ヶ所だけなら、一方が切れてももう一方があれば正しく元通りに出来る。しかし複数箇所で同時に発生してしまうと、鎖が切れてしまったり、それが別の所に繋がってしまったりといった重大な問題が生じる恐れがある。この場合、細胞が死滅したり、機能に異常が生じたりする。遺伝病と同様の症状を示したり、ときにはがん遺伝子が生じたりがん抑制遺伝子が損傷したりすることもあり、これによって細胞はがん化するのである。
皮膚の治療は不可能ではないが、胃腸は体内なので治療する術がなく、致死的である。
大量被曝治療は、この胃腸の細胞をいかに再生し治癒させるかが課題といえるが、現時点の医学では解決方法を見いだせていない。
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