トップクォーク

読み:トップクォーク
外語:t: top quark 英語
品詞:名詞

クォークのうち、バレンスクォークの一種。6種類あるバレンスクォーク中、最重量。

目次

発見

1973(昭和48)年、小林誠と益川敏英は、K中間子の「CP対称性の破れ」の説明のため、クォークに第三世代が存在することを予言した。

1977(昭和52)年、第三世代のクォークとして、フェルミ国立加速器研究所は先にボトムクォークを発見した。これに伴い、それと対になるものとしてトップクォークの存在が確実視された。

1995(平成7)年、遂に、フェルミ国立加速器研究所はトップクォークを発見し、これにて3世代6種類のクォーク全てが発見された。

質量

物質に「質量」をもたらす根拠としてヒッグス粒子という仮想粒子が想定されている。この粒子の質量は輻射補正と呼ばれる理論的計算により、トップクォークとウィークボソンの質量に関係付けられている。

ヒッグス粒子の質量を間接的に予測するため、現在はトップクォークとウィークボソンの質量を精密に測定することに力が注がれている。

質量実験結果

トップクォークの質量は、米国シカゴのフェルミ国立加速器研究所にあるテバトロン加速器を用いた実験結果(CDF実験、DØ)が定期的に発表されている。単位は電子ボルトで表わす。

  • 173.3±7.7GeV/c2 (DØ、1995(平成7)年)
  • 176.1±6.6GeV/c2 (CDF、2001(平成13)年時点)
  • 179.0±5.1GeV/c2 (DØ、2004(平成16)年)
  • 173.5±4.1GeV/c2 (CDF、2005(平成17)年4月発表)
  • 172.6±0.9(stat.)±1.2(syst.)GeV/c2 (CDF、2009(平成21)年冬発表)

この他、様々な研究機関による研究結果が発表されている。

反応

今のところ、トップクォークを含む中間子バリオンは発見されていない。

これは、トップクォークの寿命が非常に短いためであり、ハドロンなどを構成する前に崩壊してしまうからである。

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