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国道113号で宇津峠を越えるために掘られたトンネル。現在は廃道となり通行止めである。
現在の国道113号、つまり現道のトンネルは「新宇津トンネル」であり、国道113号の経路に対してほぼ直線で作られている。
しかしこのトンネル開通以前には、その南に今も辛うじて残る(旧)宇津トンネルを通っていた。1967(昭和42)年7月に竣工されたこのトンネルは現在封鎖され通行不可能であり、そこに至るまでの旧道は現在「廃道」となっている。
なお、近隣に掘られたJR米坂線のトンネルも同名の宇津トンネルである。
幅5.5m、高さ4.5mという圧倒的な狭さであるにもかかわらず、延長949m(トンネル内の銘板による)という立派すぎるトンネルである。
しかし、トンネル自体の地質に問題がありトンネル維持が困難だったことが、新トンネル掘削の原動力となり、かつ老朽を迎える前の1991(平成3)年に敢え無く葬られてしまった原因となったと考えられる。
また、現道の新トンネルのルートはほぼ直線なのに、旧道は明らかに違和感ある南迂回ルートである。これは恐らく、トンネル掘削距離を短くするための当時の選択だったと考えられる。
旧道は「つづら折りあり」「勾配10%」「すべりやすい」の三標識が付いている酷道で、トンネル手前の廃道には今も数多くの警告標識が残されている。当時、いかに危険な道路だったかを伺うことができる。
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