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現在IPと呼ばれるプロトコルIPv4に代わる、新プロトコル。プロトコルヘッダー(IPv6ヘッダー)のIPバージョンフィールドが6であるもの。
IPv6は、IPv4という反省対象の上に成り立つプロトコルである。ゆえに、IPv6の仕様は多くの人々が参加する議論の中から生まれ、それらは様々なRFCとして公表されている。
IPv6そのものと、基本的な追加仕様を定めるRFCには、次のようなものがある。歴史が長いとはいえないプロトコルではあるが、非常に多くのRFCが書かれ、続々と古いRFCを破棄し続けている。
仕様の策定や、実装の作成などに尽力している、又はしていた団体等。
現状はIPv4が使われており、これがスムーズにIPv6へと移行することが理想である。しかし様々な支障があり、問題は山積である。
2011(平成23)年6月8日には世界中でIPv6を導入試験をする「World IPv6 Day」が催され、全世界的に問題の洗い出しなどが実施された。「World IPv6 Day」は多くの知見をもたらし、この経験を元に更なるIPv6へのステップを踏み出そうとしている。
日本の場合、特にNTT東西のフレッツ光サービス回線を利用している場合に、IPv6対応サイトへの接続が遅くなる問題が発生することが予め確認されていた。NTT東西のや各ISPは、後述する「RSTパケット」や「AAAAフィルター」でこの問題への対応を実施したため、事前に危惧された問題は、ほぼ発生しなかった。しかしこれらの対応は完全な解決ではないことから、後日、様々に議論が重ねられることになった。
フレッツサービスでは、「IPv6-IPv4フォールバック」問題が生じる。
フレッツ網では、電話サービスや映像配信サービスなどのためにIPv6アドレスをユーザーにもれなく割り当てている。このIPv6アドレスはグローバルIPアドレスだが、レッツ網内でしか使えず外部ネットワークには接続できない。
一方のオペレーティングシステム側は、IPv4アドレスとIPv6アドレスの両方が割り当てられている場合はIPv6接続を優先し、しかも網内で閉じたグローバルIPアドレスなど想定していないので、まずIPv6によるアクセスがタイムアウトしてからIPv4でアクセスする(これをフォールバックという)ことになり、Webサイトの表示が極端に遅くなるという問題が発生する。フォールバックに要する時間は、Windowsで約21秒間、Mac OS Xで約75秒間とされている。
NTT東西はこの問題に対し、アドレスを変えるのではなく、閉域網内に存在しない宛先に送信されたパケットに対してTCPコネクションをリセットする「RSTパケット」を返信することで早急にフォールバックを行なわせるという苦しい対策を講じた。この場合、Windowsでは約1秒、Mac OS Xで約0.01秒でフォールバック可能だが、TCP以外のプロトコルでは動作しないという問題がある。
DNSへの問い合わせへの応答として、IPv4アドレスはA、IPv6アドレスはAAAAのレコードをそれぞれ返す。
オペレーティングシステム側は、AAAAが返れば、まずIPv6への接続を(可能なら)試みることになる。
「World IPv6 Day」において日本の各ISPは、IPv4によるDNSへの問い合わせにIPv6アドレス(AAAA)を返さない「AAAAフィルター」という対策を講じた。
しかしAAAAフィルターは、IPv6への自然な移行に逆行するものである。短期的には有効であったとしても、永続的にフィルターを掛け続けることは望ましくない。普段からAAAAが自然に返され、「ユーザーが気がついたときにはIPv6化されていた」となるのが理想である以上、そうできるように技術面も含め、解決に向けて議論することが必要との結論で業界は一致している。
2011(平成23)年の「World IPv6 Day」は、日本ではほぼ「IPv6の機能を止める」ことで乗り切ったとも言えるが、世界的には「成功」したとされている。
この成功を受けて2012(平成24)年6月6日には第二弾とし、世界規模でIPv6に永久的に移行する取り組み「World IPv6 Launch」が開始された。
既にIPv4アドレスは枯渇しており、日本でも通常割り振りが終了していることから、この日以降、IPv6対応を積極的に進めることになっている。
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