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電子計算機において、特定機種にのみ存在する特殊な文字のこと。
「機種」依存文字というのは、この頃はまだインターネットはもちろん、Windowsさえ無い時代で、各メーカーが独自仕様の機種でユーザーの囲い込みをしていた事にちなんでいる。
日本の16ビット機市場では、NECのPC-9800シリーズ、富士通のFM-Rシリーズ、Macintoshなどがあった。
それぞれに、独自の文字が割り当てられていたが、相互に異なるため、これらの文字を使った文書は、特定の機種に依存しており、異なる機種では読めない。
これが機種依存文字という名の由来である。
機種依存文字は特定の機種(あるいは環境)にしかなく、他の機種には存在しない文字である。
この文字を電子メールや掲示板などで使用すると、他の機種で文字化けを起こす。汎用的な文書の流通を目的とする場合には、使用する事はできない。
システムがあらかじめ用意する外字をシステム外字といい、基本的には機種依存文字とはシステム外字である。
但し、標準通りであっても利用できない文字なども発生するため、このような文字も機種依存だと考えると、機種依存文字はシステム外字よりも広い範囲を指すと考えられる。
CPUが16ビットの頃は、NECのPC-9800シリーズが日本での主流だった。
いわゆる「98文字」と呼ばれるシステム外字が搭載されており、他機種との情報交換でよく支障を来たした。
のみならず、PC-9800シリーズは古いJIS C 6226-1978準拠であったため、JIS X 0208の他機種とさえ情報交換で支障を来たした。
JIS X 0208で追加された罫線文字や、♪などに代表される追加記号類が表示できなかったため、98ユーザーは「♪は機種依存文字である」と主張していた。
またMacintoshにも機種依存文字が存在する。
この文字はWindowsなどでは正常に読むことができない。
過去、日本にも様々な機種のパーソナルコンピューターが存在した。
このため、各機種それぞれに機種依存文字があるといっても過言ではない状態となった。
その他で有名なものには、X68000文字(フォントにより多様に存在)、オアシス文字(ハートマーク等の記号など)、MSX文字(記号などを中心に多数存在)などがある。
Windowsの普及は圧倒的であり、これはすなわち「NEC特殊文字」の普及は圧倒的であることと同義であった。そこで、JISもNEC特殊文字を正規の規格として採用することになった。
13区にあった文字の全て(○数字、大文字のローマ数字、記号など)はJIS X 0213におけるJIS第三水準記号となり、JIS規格化された。
なお、小文字のローマ数字や拡張漢字類は「IBM拡張文字」または「NEC選定IBM拡張文字」に含まれている文字で、これらはJIS X 0213でも採用されていない。
従って、○数字などは、JIS X 0213を基準に考えれば公的な規格の文字で、既にシステム外字ではないと言える。
但し、機種依存文字はより広い範囲を指すので、今も機種依存文字の一種として扱われている。
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