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無線従事者の資格が不要な簡易無線の一つ。使用する無線局の免許状は申請だけで取得可能で、有効期限10年で更新可能だった。
1982(昭和57)年に登場した、900MHz帯(903.0125〜904.9875MHz)を使用し、出力は5W以下に制限された無線電話機である。
用途は自由だが、一回の通話は5分以内、継続する場合には1分以上間を置く必要がある。
チャンネルは158(通話チャンネル157と制御チャンネル1)があるが、自動選択されるため、特定の周波数を占有することができない。
群番号は任意に選択できるが、これとは別に、機器ごとに10桁の固定の番号として「呼出名称」が存在する。
これはいわゆるコールサインに相当するもので、機器に登録した後は(たとえ機器の所有者が変わっても)変更できない。
呼出名称は無線局の免許状を申請した時点で発行され、これがないと通信できないようになっている。免許は10年ごとに更新可能だが、免許を受けると、毎年400円の電波利用料が課せられる。
初期には、帯域幅が25kHzの80チャンネルだった。
しかしチャンネルが足りず混信が頻発したため、NFMで12.5kHzとした158チャンネル機が登場した。
1チャンネルは制御チャンネルで、まず2〜80チャンネルまでが存在する。そしてNFM化された158チャンネル機では2チャンネルと3チャンネルの間に81チャンネル、以降同様に79チャンネルと80チャンネルの間には158チャンネルがある。
空中線電力最大5Wを無資格で使えることは大きかった。このためアマチュア無線と比べると高価だったにも関わらず、車載用の無線機が自動車(特にトラック)のドライバーに人気があった。
これと平行して違法無線局も増えていき、さまざまな違法改造機が出回るようになった。
この他、本来パーソナル無線用ではない周波数帯を使う悪質なものや、出力を増幅したもの等も作られ使われたため、違法CB無線などと同様に道路沿線でテレビやラジオへの混信といった問題を発生させた。
資格が不要ということで、無線機そのものへの制限が厳しかった。このため価格も高く、その上改造も難しかったのである。
車載機が売れたのに対してハンディ機はあまり売れなかったこと、違法局が改造機で特定のチャンネルを独占し他の局の利用を妨害するなどしたため自由に利用できない状態になったこと、電波使用料が掛かるようになったこと、など様々な要因により、利用者は激減、メーカーも撤退した。
一時期は200万局に迫る勢いだったが、特に電波使用料が必要になった1993(平成5)年あたりから余り使っていない人たちの廃局が続き、2010(平成22)年3月末には2万局少々とされている。もはや、殆ど使われていないと言っても過言ではない。
総務省は定期的に「周波数再編アクションプラン」を発表しており、周波数帯の改廃等を示している。
周波数再編アクションプラン(平成22年2月改定版)によれば、パーソナル無線は2022(令和4)年11月30日に廃止、無線局数によっては廃止日が早まる(意訳)、としている。
そもそも、2003(平成15)年の世界無線通信会議(WRC-03)で無線通信規則の改正があったことが全ての発端となっている。不要な電波を極力低減させることを目的に、無線設備のスプリアス発射の強度の許容値に関する無線通信規則の改正が行なわれ、2005(平成17)年に施行された。
従って無線機器もこの新しい規則に従う必要がありパーソナル無線用機器も例外ではないが、既に衰退しきったパーソナル無線の新機種はなく、今後発売される見込みも無い。新規の免許申請は2017(平成29)年までで、既存の無線局の再免許期間も2022(令和4)年11月30日までとされたため、この日をもって全てのパーソナル無線局は廃局されることになる。
パーソナル無線の代替は簡易無線である。
特に、351MHz帯に35チャンネルが割り当てられた帯域が、パーソナル無線の移行対象となった。
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